2005年11月アーカイブ

以前、電話の冒頭に数秒広告が流れた後に接続されるという無料電話があったと記憶している。昨日のエントリでも、「価格を安く」という顧客の声があることを書いた。また、携帯を利用した広告モデルも種々ある(例えば、cnetに載っていた、位置情報を基に適切な広告を配信する、など)。
それらを組み合わせて、広告を受信すると通信料を割り引く、という「逆iモード利用料」的なモデルがあると面白い。プリペイド携帯と組み合わせて、ショートメールを受信して最後まで閲覧すると、プリペイド残高を3円加算する、などができないか。キャリアが広告モデルを本格的に考えると、すぐに実現するサービスだと思う。

20から50代を対象とした携帯電話の調査を、通販のベルメゾンの関連会社「ベルメゾン生活スタイル研究所」が行ったことがITmediaに記載されていた。
調査結果によると、通話よりもメールの利用が圧倒的に多く(80%強)、料金、通話エリア、電池等の基本機能への要望が多いとのこと。また、セキュリティへの要望も多いのは、個人情報が集約されているためと、昨今の情報漏えいの報道の影響だと思う。

200ページ弱で、ポイントが簡潔に記載されているのために短時間で読めてしまう。だが、how to本ではない。「企画は何をすべきか」について、本質を記載している。


著者の意図がこめられている章名と、その内容(若干拡大解釈あり)を引用する。

図書館の違い

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休日なので軽い話題を。

このブログで「借りた本」に分類されている本はは、ほとんど公共の図書館から借りてきている。利用させていたいだいている4つの図書館を比べてみよう。

ケロッグの教授であるブレッド氏の原著を、同講座のフェローでもある奥村氏が訳した。他の訳書と違い、非常に読みやすい(但し、BATNA,リザベーションプライスなどの専門用語はある)。

本書は、交渉を取引交渉、紛争解決交渉、チーム内意思決定交渉、政府との交渉に大別し、各々で文化間の際を分析した。取引交渉の章では、アメリカ、日本、香港、ドイツ、イスラエルの文化的背景をもつ被験者の取引交渉について分析を行っている。


ITで自分の代行(エージェント)をしてほしいと思っている筆者にとっては、「行動支援メディア(cnetの記事より)」というビジョンはとても共感できた。そして、そのビジョン実現の一歩として、gooは検索エンジンの前処理と後処理を強化する。

第一部はCFOが必要とされてきた時代背景を述べ、第二部ではスーパーCFOとして10人(10社)の業績に触れる。第三部では日本企業再生に必要な財務的観点について述べる。

 Googleの強さ(コアコンピタンス)は、適切な検索結果の提供だ。それを利用して検索結果やAdSense参加者サイトへの的確な広告出稿を可能とすることにより、広告ビジネスを成立させた。だが、このたびGoogleがリリースする「Onsite Advertiser Sign-up」(cnetの記事はこちら)は、Googleの検索の強みを利用していない。

イチローと北野武の対談番組(本はこちら)や、
糸井重里がインタビュアーを務めた、イチローとファンとの公開番組(こちらも本になっています)をきっかけに、イチロー語録として出版した本。

Googleが、立て続けに新サービスを開始した。

  • Googleパーソナライズドホームページ:カスタマイズしたポータルサイト  Googleメリット:顧客挙動の分析  利用者メリット:自分の興味ある情報に迅速に到着可能
  • Googleサイトマップ:Googleへの明示的サイト登録  Googleメリット:クロール数・精度の向上  サイト保有者メリット:サイト訪問時の検索キーワード把握  検索者メリット:検索可能ページの増大
  • Google Analyticsサイト内挙動分析ツール  Googleメリット:Adwords潜在顧客の発掘、既存顧客のロイヤリティ化  サイト保有者メリット:顧客の自社サイト内外での行動の把握

  • Google Base:情報共有ツール
     Googleメリット:検索対象情報の拡大、広告事業への布石
     登録者メリット:巨大ポータルへの情報提供による注目者増加

人と人の「つながり」に投資する企業 ソーシャル・キャピタルが信頼を育む
ドン・コーエン、ローレンス・ブルザック著

原題は、In Good Company How Social Capital Makes Organizations Work。
著者らはナレッジマネジメントのコンサルタントであり、IBMナレッジマネジメント研究所(IKM)との関連が深い(ブルザック氏はIKMの創設者)。

本書では、ソーシャルキャピタルを以下のように定義している。
「ソーシャル・キャピタルは、人々の間の積極的なつながりの蓄積によって構成される。すなわち、社交ネットワークやコミュニティを結び付け、協力行動を可能にするような信頼、相互理解、共通の価値観、行動である」

本日のcnetでは、Yahoo!がメール発信時にも迷惑メール判定技術を適用することが報じられた。発信時に内容を機械的にスキャンして迷惑メールかどうかを判別し、迷惑メールであれば送信しないという機能を実装する。これは、Yahoo!ユーザはメールの全文を「検閲」されるということだろうか?

船井総研の社長である著者が、自らの経験を元に優秀な仕事人になるための方法を記した本。以下、箇条書きに気づいた点を記す。

ITmediaニュースによると、Yahoo!オークションで不正利用をデータマイニングで検知する手法を導入するそうだ。

資産は、皆が「価値がある」と思っているから価値がある。コンセンサスが変われば、価値も変わる。不動産や金(きん)の価格変動は、その証拠だろう。
オンラインゲームの宇宙ステーションに、10万ドルを投資した人がいるそうだ(cnetの記事より)。そのコミュニティの外から見ると奇異かもしれないが、オンラインゲームの参加者が価値があると考えるのならば、価値があるのだ。そして、その価値は、参加者の価値観によって増減するため、今後価値が増える(増やすことができる)と考えて投資をしたのだろう。

いずれは、オンラインゲーム上の資産に対して商品市場が構成され、通常の物々交換だけではなく先物買いやオプション取引が始まるかもしれない。

証券アナリストのHewitt Heiserman Jr.の「It's Earnings That Count: Finding Stocks with Earnings Power for Long-term Profits」の和訳。
(毎回思うのだが、なぜ邦題をつけるときに曲解してしまうのだろう?)

cnetによると、Amazonが、人力のサービスの提供を始める。

Amazon Mechanical Turkと名付けられたこのサービスは、ソフトウェアに実行させる処理のうち、人間の方が得意と思われる単純作業を開発者がウェブ上に掲示する電子市場だ。タスクを仕上げた個人には少額の報酬が支払われる。

エージェント(代理人)サービスのマッチング事業といってもいいだろう。「広く、安く情報を普及させることができる」という点と、「ITにより、極小額の決済ができる」という、ネットの特徴をうまく利用したサービスだと思う。「ロングテール」という言葉があるが、一種の知識労働市場のロングテール化だろう。

このサービスは、先にコミュニティを築いたものが勝ちである。Amazonの強力なレコメンデーション機能によって差別化ができるのか、ebayやgoogleが後発で巻き返してしまうのか、それともはてなが世界制覇するのか、いかに的確に自分の課題を解決してくれるかにかかっている。

各所でも余り取り上げられていない本書を、章ごとにエントリした目的は、自分の知識の再確認でした。そのため、Webの向こう側に居る読者を余り想定せずに書いていたことをお詫びします。

本書は、各節にチェックリストがあります。更に複数の節を含む章ごとにもチェックリストがあり、駄目押しに終章(ブログにエントリしていません)にまとめが有ります。本文とあわせると、4段構成になっているわけです。
節ごとのチェックリストは、「〇〇してはいけない」と、ともすれば楽観的に突進しがちな経営者にブレーキをかける表現となっています。章のチェックリストは、「〇〇だろうか?」と経営者に再考を促す表現と、Yes/Noでレビューできる表現になっています。終章では、「こうすれば成功する」という本書を凝縮した形式でまとめています。その場その場に応じた形になっているわけです。手元において、ふとしたときにすぐに見返すことも想定した構成でしょう。

ebayに買収されたSkypeは、お金ではなくebayとpaypalの顧客が欲しかったとか(cnetの記事より)。電話はネットワーク外部性が重要であり、顧客の数で競いたいのは理解できる。だが、数を確保する方法ならば、単なる販売提携でもOKのはずだ。例えば、自社検索エンジンを普及させたいask jeevesに働きかけ、Skype画面を広告として提供する代わりにSkypeの配布をask jeevesから行うなどが考えられる。
以前のエントリ(「イノベーションへの解」のお手本となる、Skypeのビジネスモデル)では、既存通信業者に対するのローエンド破壊と書いた。だが、それだけではMicrosoftと喧嘩できない。
実態は、お金が欲しかったのではないか。買収での得たお金を、Skypeの儲け口と思われるSkypeIN/Outへの投資に振り分けるのではないか。SkypeIn/Outで差別化を図り、チャット・メッセンジャーから発展してきたYahooやMicrosoftを引き離すつもりではないかと思う。

Freemindで書いた要旨は、こちら。
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ベンチャーには不確実性がつきものであり、これを低減させる必要がある。
そのためには、まず、事業計画や財務計画を立て、仮説を調査により検証する必要がある。また、投資は最小限とし、特注は避けて標準品を採用したり、リースで対応したり、また固定費を変動費化することを検討する必要がある。また、不確実性への対象のために、柔軟性を保つ必要がある。例えば、市場の変更などに迅速に行う必要がある。
 また、他人にリスクを転嫁することも有用である、ベンチャーキャピタリストや専門家、同種業務を業務を手がけている人はベンチャーよりもリスクが少なく、引き受ける可能性がある。さらに、一流企業のお墨付きを得たり、既存製品とのつながりを保ったり、業界団体に加盟することによってもリスクを軽減することができる。
 リスク軽減のための手法には、大きく2つある。シナリオ分析は、投資への影響要因をリストアップして、それらの結果を想定するものである。不確実性が高い場合に有効であり、本手法によって制約条件の重要度明らかになる。もう1つの手法はリアルオプションである。これは複数の場合に対して確率的に加重することにより将来価値を算出するものである。NPV(正味現在価値)法が、1つの時点での1つの仮説による推定であるのに比べ、より不確実性に対処可能である。
 最後に、ステークホルダーにリスクを負ってもらう方法としては、約束を守る、事業に責任を持つ、公私ともにつながる、各種ステークホルダーを一堂に会させ、嘘偽りがないことを自ら確かめさせる、ステークホルダーの関与を次第に増やし、少しずつリスクを増加させる、等の方法がある。

Freemindで書いた要旨は、こちら。
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すべて自社で行うのではなく、提携・外部委託も考慮した方が良い場合もある。それは、事業化にコストがかかる場合やスピードが最重要視される場合(先発優位性の事業の場合やビジネスチャンスが特定時期に集中している場合が該当する)、また、他社の優れたノウハウを利用する方が良い場合や他社で行うことによってインセンティブが向上する場合等が該当する。
提携や外部委託は、テクノロジーが成文化されていたり、技術標準がある場合にはスムースに進む。一方、情報の漏洩には留意する必要がある。

cnetによると、ファイル交換サービスをWindows Liveが取り込む。Windows Liveは、ポータル的な、すなわち集中管理的なサービスだと思っていたので、分散管理の極致であるP2Pを取り込むとは意外。デスクトップOSであるWindows(XP)に取り込むのなら自然に理解できるが。
P2Pサービスを橋渡しとして、デスクトップOSからネットワークOSとでもいうべきWindows Liveに顧客を移行させようとしているのだろうか。

Microsoftの新サービスがここ数日でいろいろと発表されてきているが、正直言って全体像が見えない。次の主力OSである、Windows Vistaとこれら新サービス(特にWindows Live)は、どう関係するのだろう?

Freemindで書いた要旨は、こちら。
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イノベーションの利益を専有する方法は、5つに大別される。

  • 新事業に必須な資源を支配する方法。これは、新事業に無くてはならない、代替不可能な資源を支配することにより、第三者の参入を防ぐことができる。但し、自社で資源を支配できるように、ボトルネックとなっている必須資源を狙うべきである。
  • 良い評判を確立する方法。但し、広告は規模の効果が強く働く手法のために、広告によってブランドを確立することはベンチャーにとって不利である。
  • 習熟度を上げる方法。学習曲線をたどって習熟度を高めることにより、利益を専有することもでっきる。但し、後発の企業には不利であり、また学習結果を成文化しないことなどによって、他社に容易に学習結果を模倣されないようにする必要がある。
  • 先発する方法。この方法は、利用者の増加が製品価値の増加につながる「ネットワーク外部性」を持つ場合に有効である。また、他への乗り換えコストが高い場合にも、先発して顧客を囲い込むことにより利益の専有が可能である。
  • 補完的資産を利用する方法。但し、一般的に補完的資産は既存大企業のほうが多く保有しており、本方法はベンチャーに不向きである。但し、補完的資産を外部委託することにより、ベンチャーでも本方法で利益を専有することも可能かもしれない。尚、補完的資産で利益が専有できる、すなわち事業の成否が補完的資産の有無により左右されるためには、技術が成熟してしまっており支配的デザインに収束していて、かつ知財権による保護が不十分で模倣が容易となっていることが必要である。

Freemindは、こちら。
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製品の優位性を確保するために、模造品を防ぐ必要がある。それには、秘密を貫く方法と、特許を取得する方法の2種類の手立てがある。
秘密主義でコピーを防ぐ場合には、秘密が一部の人しか知り得ない場合には有効である。また製品が複雑である場合や、秘密が明文化されておらず暗黙知となっている場合に有効である。また、製品そのものほり、製造プロセスの方が秘密にしやすい。
特許を取得する方法でも知的財産を管理することができる。だが、特許となるものは限定されており、単なるアイデアでは特許にならない。また、秘密主義とは異なり、費用がかかる。米国のみでの特許権を取得する場合には1万5千ドル程度、世界で周辺特許まで含めてカバーしようとすると10万ドルを超える費用がかかり、ベンチャー企業にとっては大きな投資となる。

Freemindでの図解は、こちら。
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既存の企業の事業は成功する確率が高い。これらは、生産性向上などによる習熟効果、ブランド(評判、信用)効果、潤沢なキャッシュフロー、規模の効果による優位性、補完的資産(販路等)があることによる。
一方、ベンチャー企業がつけ込むことができる既存企業の弱みもある。いわゆる「イノベーションのジレンマ」である。大企業は、現事業の効率を高める為に、将来への研究開発投資割合はベンチャーよりも低い。また、既存顧客を優先するがために、従来製品の改良につとめ、破壊的な製品は生まれにくい可能性が有る。官僚組織になり、変化から生まれる新しいビジネスチャンスに対応できないかもしれない。
これらから、ベンチャーに有利なビジネスチャンスとは、独立した技術で新しい製品を提供し、製造の規模の効果が有利に働かない場面で生じる可能性が有る。また、開発した技術は使いまわしの効く汎用性の有るものが望ましい。さらには、事業チャンスとして不確実性が高いほうがベンチャーに有利(大企業に不利)である。

以前に、「箱―Getting Out Of The Box」という本についてのエントリを書いた。当時はとても感動して、復刊ドットコムで復刊をお願いするエントリも書いた。その後、ぱらぱらと投票があったが、10月に一気に増えて復刊交渉開始の目処である100に、あと4件!と迫っている。各所でご紹介いただいたようで、感謝しています。


等のサイトでご紹介いただいているようです(他にもあると思います)。

箱を読むたびに、ちょっと素直に、ちょっと客観的になれるような気がします(すぐに戻っているのかもしれませんが)。今日、また読んでみようと思います。

「箱」をご紹介いただいたSさん、お譲りいただいたSさん、ありがとうございます。

まだ「箱」をお読みになっていない方、図書館で借りて読んで、手元において見たい方、是非とも復刊ドットコムへの投票をお願い致します。

大空に羽ばたく「Opera」--機内エンターテインメントシステムに採用 - CNET Japan

OperaはPC用ブラウザを無償にする代わり、組込用のソフトは有償とした。cnetの記事によると、携帯だけではなく飛行機でのネットブラウザとしても採用されたらしい。PCがコモディティ化してお金がかけられない状況下で、消費者がお金を払いやすい組込機器で有償化するモデルは増えるだろう。
そのうち、地上波デジタルの端末とか、銀行のATMとか、カーナビとかにブラウザが組み込まれる日がくるかもしれない。

OperaがPCブラウザを無償のには、組み込み用ソフトの広告宣伝及びバグつぶし用と割り切っているのだろう(以前もエントリした記憶がある)。翻って、マイクロソフトがブラウザを無償にする理由は何だろうか? 自社OSの販促? いや、「IEがあるからWindowsを使う」という人は少ないだろう。IE7を開発中だが、何の為に無料のIE7を開発するのか、事業的なメリットが良くわからない。

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