本日のcnetでは、Yahoo!がメール発信時にも迷惑メール判定技術を適用することが報じられた。発信時に内容を機械的にスキャンして迷惑メールかどうかを判別し、迷惑メールであれば送信しないという機能を実装する。これは、Yahoo!ユーザはメールの全文を「検閲」されるということだろうか?
「検閲」にコンセンサスが得られれば問題はないだろう。すなわち、社会の秩序確保のためには止むを得ないという機運が高まり、検閲が正しく運用されているのであれば許されると思う。だが、現状ではどのような文書が迷惑メールとなるかのガイドラインは明確になることはないだろうし、検閲された結果の活かし方も不明である。たとえば、検閲された結果を分析してパーソナライズド広告を送信したり(これこそがスパムだ)、強力なレコメンデーション機能と合わせることによって「あなたのような手紙を書いている方はこのような人にも送信しています」などの「大きなおせっかい」も技術的には可能である。
Googleは公開されたwebサイトに対してクロールを行い、有意なデータを構築した。Yahoo!が「迷惑メール防止」の名の下にメールに対してクロールを行い、その結果を個人の特定可否を問わず別の用途に流用することがないように希望したい。
メールは平文のパケットでネット上を流れるため、盗み読みは原理的に可能である。但し、Yahoo!はISPであるがために非常に容易にメール内容を一網打尽にすることが可能である。そこに危機感を感じる。
昨日の不正オークション検出にデータマイングを利用のエントリで、
間違った暗黙知を持つエージェントが一人歩きすると、非常に危険である。
と書いた。やはり、迷惑メールを見つけるというエージェントを、他人に委ねるのは怖い。
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