ITmediaニュースによると、Yahoo!オークションで不正利用をデータマイニングで検知する手法を導入するそうだ。
コンピュータは一般に不定形作業は得意ではない。一方、人は、経験から得た暗黙知を元に、右脳で直感を用いて判断する。データマイニングは、力技で暗黙知を見つけ、それを形式知にしてしまおう、ということだ。
今回、データマイニングの手法を、「『(その人にとって)尋常でない』取引を見つける」という点に適用した。
導入には1億円を投じ、12月中にも簡易型の稼働を始める予定。データマイニング技術は、金融分野の数理分析やシステム開発を手掛けてきた金融エンジニアリング・グループ(東京・港区)が協力した。ということから、クレジットカードの利用履歴の異常値を見つけて不正取引を事前に防止するという既存のシステムを流用したのだろう。「過去のデータから『通常のパターン』を発見し、そのパターンから外れる場合を検出する」という機能は、幅広く応用できる。
たとえば、筆者が使用しているメーラーのEudora6には、スパムフィルタの機能がある。これもマイニングの一種だろう。また、電話代の変化から、犯罪を見つけることができるかもしれない。ネットワークトラフィックで、未知のウィルスの対策を行うこともできるだろう。理由もなく突然海外渡航が増えたことを、空港の係員からとがめられるようになるのかもしれない。
情報量の増大によって、自分の「エージェント(代理人)」機能が今後重要になると思われる。データマイニングで自ら暗黙知を見つけ出す機能が広く普及することを期待する。ただし、あくまでも自分の支配下に置いておく必要がある。間違った暗黙知を持つエージェントが一人歩きすると、非常に危険である。
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