2004年12月アーカイブ

「決定的瞬間」の思考法

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「決定的瞬間」の思考法


どちらも正しいが、どちらかを選択しなければいけない。どうすべきか。
本書では、3つの事例を通じて、「決定的瞬間」に直面した際にどう考えるべきか、について、アリストテレスを始めとする様様な哲学者などの言葉・考えを引用しながら指針を示す



行きつ戻りつしながら読んでいて、全然終わりません。久しぶりに、読み終えていない本からのエントリです(また、機会を見て、blogに登場するでしょう)。
本書は、"Defining Moments - When Managers Must Choose between Right and Right"の和訳です。異様に長い(と本人も記している)「監訳者解説」では、「Definging Momentsは、できればこのフレーズのまま記憶して欲しい」とありました。確かに、本書の話題(3番目の、一番重い瞬間は、「経口避妊薬を発売するか否か」)ほど重要な決定ではないにしろ、どちらも正しいと思われる判断は頻繁にしています。「なぜその結論に至ったか」は、都度異なることもありますが、そのプロセスを支える「自己」は、しっかり認識していたいと再確認しました(とても難しいことですが)。


「決定的瞬間」の思考法―キャリアとリーダーシップを磨くために
ジョセフ・L. バダラッコ Jr.,Joseph L. Badaracco 金井 寿宏 福嶋 俊造



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自分が自分になる瞬間

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コトラーのマーケティング戦略

フィリップコトラーの名著「マーケティング・マネジメント」に基づいて、著者が要点を抽出した。



「マーケティング・マネジメント」の改版時の差分について言及したりする点など、コトラー理論を熟知した著者が十分咀嚼して書き下ろした本だと思う。また現在の日本の具体的ケースを引用したりしており、わかりやすいはずである。
が、いまいち頭に入ってこない。要点の選び方、それらのまとめ方(章立て)が、体系的ではないと感じるのは、私がコトラーを良く理解していないせいか。もう少しコトラー本を熟読した後なら、心に響く物があるかもしれない。
余談だが、本書でキャズムが2度好意的に引用されていたのは驚き。やはり、名著なのか。


コトラーのマーケティング戦略 最強の顧客満足経営をキーワードで読み解く
多田 正行



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著者入魂の一冊ではありますが

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コトラーのマーケティング思考法

市場での競争が激化している昨今、従来の「垂直型」のマーケティングだけではうまくいかない。水平型のマーケティングが必要。そのためには、以下の3ステップが必要。

  • ステップ1 水平移動の対象を決める
  • 水平移動によりギャップを生み出す
  • ギャップを埋める方法を考える。
ギャップの生み出し方として、「オズボーンのリスト」を発展させた6つの方法が有効。
また、視点をずらすレベルとしては、「市場(特に代用が有効)」、「製品」、「その他の4P」に分けて考えるとよい。
また、著者は、「ラテラル(水平)マーケティングは、手法が定まっている分、ブレストよりも有効」と主張する。


原著は、「Lateral Marketing New Techniques for Finding Breakthrough Ideas」「水平」というよりは、「隣の」という感じ。ちょっと視点をずらす、という感じかな。 オズボーンのリストというのは、QC活動に携わった(やらされた)ことがある方なら、誰でも聞いた事があると思います。QC活動に余り良いイメージがないのですが、手法は有用ですよね。 また、上で「オズボーンのリスト」としてリンクしたのは、日本創造学会のウェブ。色々な学会があるのですね。
コトラーのマーケティング思考法
フィリップ・コトラー フェルナンド・トリアス・デ・ベス 恩藏 直人 大川 修二



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ついに来た
マーケティング+創造を仕事にしている人には必見
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創造の原理

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創造の原理

佐賀大学で海洋温度差発電の研究をされている著者が、「目標明確化の原理」「自由・競争の原理」「並列進行の原理」「条件適応の原理」「分離・再結合の原理」が5つの創造の原理と述べる。


定価が税抜き9800円だったので、図書館から借りてきた。著者の豊富な経験に基づいて執筆されているが、体験談が多く、もう少しまとまっていると良かったと思う。


創造の原理
上原 春男



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勉強ができる人」から「仕事のできる人」へ―自信がよみがえる和田式仕事術

大変な受験勉強を乗り越えた「あなた」なら、仕事もできるようになるはず?受験勉強で培った「目標設定」「計画立案」「記憶」を仕事に生かす方法を述べている。受験勉強は社会に役に立たないと言われているが、「数学が解けた『あなた』なら、複数の解法のうちから適切な物を選び、「公式」を使い分けつつ、答えを導くる」等と述べている。また、著者が詳しい認知心理学の観点から、自分の今の行動を冷静に見よう、という「メタ心理」という論を展開しているのも面白い。
ややこじつけに近い対比をしているが、仕事人の自信を取り戻すという意味では面白い本。さらっと読めた。



「勉強ができる人」から「仕事のできる人」へ―自信がよみがえる和田式仕事術
和田 秀樹



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101人の起業物語彼らはなぜ成功したのか?

101人の起業物語を、「新しいビジネスモデルを作る」「会社を維持発展させる」「大きく育てるには何が必要か」等の章に分類して記している。
元は、フジサンケイビジネスアイ(旧日本工業新聞)にコラム連載されていたものを、大幅に書き直したようだ。
ライターさんが書いた本だなあ、とわかる。惹きつける文章にしようとしているのは判るが、もう少し内容を充実して欲しい。また、本書を含む「光文社ペーパーバックス」の特徴として、「英語混じりの4重標記」を採用している。「いわば日本語標記の未来型です」と記しているが、とても読みにくい。いっそのこと、全部英語にしてくれた方がよい。Amazonの書評も、珍しく厳しい。


101人の起業物語彼らはなぜ成功したのか?
竹間 忠夫 大宮 知信



光文社
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おすすめ平均 
読み物としてはOK!
多ければよいというものでもない。

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チームが絶対うまくいく法

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コラボレーションによる問題解決には、以下の5つが必要である。


  1. 適切な利害関係者を関与させる。

    利害関係者は、以下の通り。

    1. 意思決定に正式な権限を持つ人
    2. 決定を阻止する力を持つ人
    3. その決定で影響を受ける人
    4. 関連する情報や専門知識を持つ人

    このような人を、適切な度合い(コア、タスクフォース、レビューア、認知活動)で関与させる。
  2. 段階ごとにコンセンサスを築く。

    段階の例としては、1.認知、2.定義、3.分析、4.解決策リストの作成、5.評価、6.意思決定
    がある。 各ステップで合意をとりつけ、紛糾したら1ステップ前に戻る(最初に戻らない)。また、公式な組織と非公式なコラボレーションを使い分けることも有用。
  3. プロセスマップを作る。

    時間分配をした議事内容(アジェンダ)を作り、全員に理解させる。会議室に貼ってもよい。また、今の議論がどのプロセスなのかを明確にする。プロセスには以下がある。

    • プロセスを設計している(アジェンダを検討している)
    • 問題を抽出している
    • ビジョン(有るべき姿)を創出している
    • 解決しようとしている(行動案の抽出、案の決定)
    • 実行している

    (斜字は、事前/事後のプロセス)
  4. プロセスのファシリテーターを任命する

    ファシリテーターはプロセスに責任を持つ。内容については中立な立場をとるべき。そのため、当事者以外を選定することもあり(例:経理部の課題解決のために、人事部からファシリテーターを選定するなど)
  5. 会議メモを活用する

    参加メンバ間で共通化された会議メモにより、会議の手戻りや認識の違いを防ぎ、新たなアイデアの創出等が進む。



題を見たときには「軽そうな本」と思ったが、中身は充実。創発的な仕事をするためのエッセンスを凝縮している。ファシリテーションの話あり、会議の進め方の話もあり、色々なところで読んだ本をコンパクトにまとめた感じ。おすすめです。でも、ちょっと読みにくいと感じたのはなぜだろう?活字や段落の取り方などの問題かな。

でも、原題が「How To Make Collaboration Work」という本を訳すと、どうして「チームが絶対うまくいく法」になるのだろう?素直に原題通りにしてもらった方が、僕はいいと思う。和書の題では、本当にこの本の内容を届けたい人が、手を取らないんじゃないかな。


チームが絶対うまくいく法
デイヴィッド・ストラウス 斎藤 聖美



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チームの運営法ではないです
チームの運営法がよくわかりました

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