2005年7月アーカイブ

「Hanover Cafe - Business News Blog」「ボーダフォンはMVNO(仮想移動体サービス事業者)で対抗」のエントリで、

相対的(対ドコモ、KDDI)に総合力で弱いボーダフォンは新規参入者が見えてきたことから、MVNO提供者としての道を選び、水平分業の移行において既存事業者という先行者利益を享受し、新規参入者に対抗するという戦略と思われます。

と書いている。

違法コピーランキング発表--MS、ナイキやアディダスと並んでトップ10入りという記事があった。なぜ、違法コピーが流行るのか。それは、「もの」に価値があるからだ。
顧客は、通常、「もの」に対価を払う。例えば、冷蔵庫を買うときに代金を払う。
だが、顧客は、何かを冷やしたいから冷蔵庫を買うのだから、「ペットボトル1本を冷やすと、30円いただきます。使わなければ、御代はいただきません」という冷蔵庫があってもよい。この冷蔵庫のお金の回収方法を、結果に対してお金を頂くので、「リザルトモデル」と名前を付けよう。

今の冷蔵庫では、リザルトモデルは、成立しない。なぜなら、「どうやってペットボトルを1本冷やしたか」ということを知る(=課金する)手段が無いからだ。

「『防ぎようがなかった……』、ネット銀不正引き出しの被害者語る 」と題されたITmediaの記事があった。ウイルス対策ソフトウェアを導入し、危ないサイトに近づかなければ大丈夫、と思っていたが、意外なところに盲点があった。以下、スパイウェアがインストールされる手口。

GREEが、ほぼすべての機能を携帯電話対応にするという記事がcnetにあった。

携帯を使う人が多いから、という理由。但し、携帯のメールを使って日記を書いたりすることは、まだのよう。携帯を普段から使う人は、サイトを閲覧するというよりも、メールする方が多いと思う。携帯のメールで投稿できるようにすると面白い。

cnetの記事から。

その結果、一斉点検を実施した1069の金融機関のうち、26.8%にあたる287機関から紛失などが発覚した。紛失した個人情報の件数は合計で約678 万件にのぼっているが、不正利用などにつながり、顧客に被害が発生した、またはその可能性が高いと報告されたものはなかった。

IBMは、キーボードという入力手段ではなく、理想の入力手段を提供しようとしている(cnetの記事参照)。でも、それはベンダー側が「これはよいものだから使いなさい」と誘導するものである。「キー入力が大変」という顕在ニーズに対して、新市場を切り開いていくイノベーションである。まっとうな攻め方だが、体力が必要でもある。

テレビ朝日、RSSで芸能ニュースを配信--記事本文は有料という記事。RSSでプッシュ配信をするのはよいと思うけど、なぜ本文を有料にするのだろう?配信されるのがオンリーワンのコンテンツであればお金を払う人もいるかもしれないが、芸能ニュースは他のサイトでも同様なものが配信されると思う。本文にお金を払うのだろうか?RSS配信に、広告を混ぜる方がよいのではないか?
まあ、最初は試行だと思うので、モデルを変更ことが前提で開始するのかもしれないが。

著者は、未来学者として、コペンハーゲン未来調査研究所の主任である。1999年に書かれた本(和訳本は、2001年に出版されている)。原書のタイトルは、「The Dream Society」。以下、斜め読みした内容を列挙する。

「トラックバックBOX」というプロモーションモデルをpaperboy&co.とリアラスが開始すると、cnetの記事にあった。

企業がトラックバックBOXを利用することのメリットは、以下があるだろう。

  1. トラックバックで、顧客からのフィードバックが直接得られるようになる。
  2. トラックバックが増え、自社サイトがGoogle検索結果の上位に位置付けられることになる。
  3. JUGEMユーザという、「トラックバックが容易に可能な顧客」からの反応が得られる。

ドイツのVodafoneが、Skypeを始めとするVoIPの事実上の締め出しに動くらしいとcnetが報じている(同記事に一部不明確な記載があるが、thikはこのように解釈した)。
既存のプレーヤとしてはよくある反応だと思う。無線でも使えるVoIPという優れた武器で破壊的(and/orローエンド)イノベーションを引き起こすSkypeに対して、「現在の」コアコンピタンスであるネットワークを持つVodafoneが、「イノベーションのジレンマ」に陥っているようにみえる。

トリンプを18期連続増収増益に導いた、吉越さんの著書。同社の意思決定は、朝8:30からの会議で決まる。それも、1件2分以内に、GO/NO/宿題付き持ち越しが決まる。
総花的な本のため、気づいたところをメモする(一部、thikの敷衍あり)。

  • 2分以内で判断できるように、課題は細分化する。
  • 必ずデッドラインを設ける。できれば翌日がよい。要は、すぐ取り掛かれて成果がみえるように、作業を細分化する。
  • 社員と社長は、同じ情報で議論する。
  • とにかくスピード、間違ってもいいからまず始める。

GMO、ドメイン登録事業者のソリスを子会社化という記事があった。

GMOインターネットはドメイン登録サービス「お名前.com」を展開している。同社によれば、.jp/.com/.net/.orgドメインの登録数はアジア最大という。
ということなので、なぜ買収したかが良くわからなかったが、ソリスのサイトを見たら理由が推測できた。

ブログが流行っている(らしい)。cnetの記事によると、ブログに「企業や商品の認知度アップを期待」しているそうだ。

ただ、「ブログを使うと、なぜ企業や商品の認知度アップにつながるのか」を理解して使用しているとは思えない。単なるファッションのように感じる。

「ビジネスモデル」という単語はいろいろな意味に使われる。私は「win-winになるような価値(お金、効果)の分配方法」と言う意味で使う時が多い。著者は、「(特に一つの企業の中での)ビジネスプロセス-業務要素のつながり」という意味で使っており、ビジネスプロセスのモデル化手法やビジネスプロセスを最適化する方法などを詳しく述べている。

(以下、極論です。レッドオーシャンもブルーオーシャンと同じように不確定要素が多々あります)

本書ではブルーオーシャンの素晴らしさを説いているが、レッドオーシャンにも良い点がある。それは、需要が明確に存在するため、解決すべき課題に仮説が入り込まないことである。そして、課題を解決する自助努力を行えば、確実に売れることである(実際には、「課題を解決する自助努力(開発、製造、販売、物流など)」は困難を極めるのだが。)。
これは、レッドオーシャンには確かな顕在需要があり、その需要に対応するために供給すべき製品の仕様が明確に決定できるからである。

以前のサイトではFreeMindについて書いていたが、サイトを引っ越したときに置いてきた。直前にエントリしたブルー・オーシャン戦略の付属資料Bのマインドマップは、「Freemind」というソフトウェアで作成した。FreeMindはGPLライセンスなので、無料で使用できる。


FreeMindのインストール等は、ここに詳しく説明されている。
また、FreeMind活用クラブというサイトには、Flashを利用したFreemindのビューアがあり、Freemindをインストールしていない環境でもマインドマップの閲覧ができて便利だ。ただ、Firefox環境ではうまく動かなかったので、http://thik.jpn.org/では、まだ導入していない。
公式版は0.7.1版。0.8αを日本語化されているのが、以前からFreeMindを啓蒙しているhttp://drikin.com/freemind/のサイト。

図示化(ビジュアル化)するとわかりやすくなり、「ひらめく」ことがある(と、ブルー・オーシャン戦略にも記載があった)。FreeMind、便利、便利。

ブルー・オーシャン戦略について、「著者の主張は、同書の巻末資料B バリュー・イノベーション:戦略の再構築に凝縮されている」との指摘があった。
この部分の著者の主張(と、thikの注)をマインドマップでまとめた。(クリックで拡大します)

blueocean_appendixB

「平成電電も公衆無線LANサービスに参入」という記事がcnetにあった。
ユーザとしては歓迎だが、どのような事業になるのかが良くわからない。単純にお金の出所を考えたとしても、

  • 広告モデル(広告主がお金を支払い、利用者はお金を払わない)
  • 月額課金(利用者が、月額でお金を払う)
  • 都度課金(利用者が、利用した分[時間、パケットなど]だけお金を払う
など、重要な点が見えない

ビジネス系の良書が紹介されているOutLogicで推薦されている「事業システム戦略」。まだ読んでいないが、本書を紹介している別のサイトを見ると、今読んでいる「ブルー・オーシャン戦略」と趣旨がかなり近いように思えた。

ブルー・オーシャン戦略 その1

各所で話題の「ブルー・オーシャン戦略」。まだ半分程度しか読んでいないが、簡単にまとめる。尚、筆者のバイアスがかかっているため、一般的な要約ではない点に留意いただきたい。

【本書が言いたいこと(4章まで)】

  1. ブルー・オーシャン戦略の醍醐味とは、「よいセグメンテーション(分類)の軸を見つければ一人勝ちできる」ということ。 従来の軸での製品を分類したり顧客の要望を分類すると、他社との競争とならざるを得ない。「誰も発見していない」かつ「顧客の潜在的*1)欲求」に合致する軸で顧客及び製品を分類して、分類結果に空白の土地があれば、それが「ブルー・オーシャン」である。 旧来の顧客セグメンテーションや製品ポジショニングマップは2軸でプロットするのが多かったが、多軸でプロットしたのが「戦略キャンバス」とも言える。 *1)顕在欲求であれば、既に価値提供者がいるはず。

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