ご本人もランニングをされている、夜久 弘さんの本。2部構成で、1部は著者が丹後100kmウルトラマラソンを走ったときのドキュメンタリーで、2部はウルトラマラソンランナー8人の「想い」と練習法が記されている。最後に、2001年末でのウルトラマラソン大会の一覧もある。
まえがきにあった、
「競技としてランニングを続けてきたランナーは、競技生活の終わりにウルトラマラソンを走ることを義務付ける」という著者の「奇妙なアイデア」はとても面白い。それは、タイムという結果のみを追求する競技とは対極のものとしてウルトラマラソンを捉えているのだろう。
実際、2部に登場するランナーは、ウルトラマラソンをハーフやフルの延長として考えている人は少なく、全く別のスポーツとして考えているように見えた。
また、本書に登場するランナーは、練習方法もまちまちであり、全く練習しない代わりに大会に沢山出る人もいるし、月間4-500kmを走る人もいる。
ウルトラマラソンにはHow toが無いのかもしれない。そして、自分にあったスタイルを探すことから、ウルトラマラソンの醍醐味は始まっているのかもしれない。
リタイヤしてもいいから、ウルトラマラソンのスタートラインに立ってみたい、と本書を読んで思った。