マラソンやジョギングの数々の疑問に対して、主に医学的見地から回答している本です。
編著者の山際哲夫さんは、スポーツドクターです。他の執筆者にもお医者さんが多数います。
例えば、「食後、すぐ走っても大丈夫ですか?」という質問に対して、胃に対する機械的刺激や血液配分の乱れなどの理由により、「食後3-4時間経過後を薦め、少なくとも中程度の運動で2時間、軽い運動でも1時間は空けて欲しい」と書いてあります。あわせて各種食品の消化時間の表が載っており、これによると長いもので4時間15分(牛肉すき焼き)、短いものでも1時間半(半熟卵)が必要のようです。
他にも、「早朝や深夜のジョギングは危険ですか?」という質問には、自律神経やホルモン分泌、消化吸収などの体内リズムの見地から回答しています。ちなみに、早朝練習は本練習前の規則性確保の観点ではOKだが、一般の人が早朝練習のみに頼るのはよくなく、軽い練習にしておいた方がよいと述べています。
本書はランニングの各種トレーニング方法について、「なぜそうなのか?」をスポーツ医学の見地から考えたい時に読むと得るものがあるでしょう。