2005年4月アーカイブ

3の法則

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THE RULE OF THREE -Surviving and TGhriving in Competitive Markets の和訳。

  • 業界はゼネラリスト3社とスペシャリスト数社が占める事が多い。
  • ゼネラリスト3社は、シェアが増えるとROAも増える。但し40%で飽和する。
  • スペシャリストは、シェアを増やそうとするとROAは急激に減少する。
  • 「3」である必然性は、互いに牽制できる最小単位だから。
  • スペシャリストがとるべき戦略は8つ。
    • 独占販売状態を確保する
       
    • 専門分野を確保し、第2の専門分野を作る
       
    • ターゲットマーケティングを行い、囲い込む
       
    • 各顧客の満足度を上げる。one to oneサービスを提供する。
       
    • 固定費を増やさない
    • 参入障壁を作る
       
    • 地域的なスペシャリストにはならない
       
    • 成長をコントロールする

40歳からの仕事術で、和田秀樹さんは、「コンサルタントは『3』という数字が好きだ」と書いていたが、その好例かも。

本書の中身は現状分析で終わってしまい、対策の突っ込みが不十分との印象を受けた。スペシャリストが取るべき戦略も一般論であり、著者ならではのひねりがほしかった。例えば、スペシャリストの地位を確保した後、ゼネラリストを狙う時の攻め方等のヒントがあると良かった。「狙うと、おかしくなる」では、話が始まらない。

システム・シンキング バージニアアンダーソン ローレンジョンソン 伊藤武志訳

時系列グラフと連関図から、システムの状況を概観し、現在の課題への対処方法を発見する。いずれも課題解決のための要因分析をするためのツールであり、時系列グラフと連関図から、表面的な事実を構成する要素(根源)を見つける。例えば、売上が落ちている、もしくはアンケートはがきの回収率が落ちてきた、などという「事実」から、その真の要因を探る。
QC手法の「魚の骨」が「なぜ」をを複数回追求しながら原因を細分化していくのに対して、連関図はフィードバックがかかっている。「因果応報」という考え方である。

例題が多数あり、要因分析の練習には良い本だろう。

「『顧客のことを考えてサービスを提供する』というのは大変重要である」。当然である。だが、「顧客」が本当に望んでいるものは何か?というのは非常に難しい。

ISPのサポートに電話しながら、そんなことを考えた。悪評が高い某社だったが、数分でつながる。「ただいま込み合っています。約3分ほどお待ちください」とのメッセージが流れる。「3分」と、待つ時間の目処が提示されたのは初めてのの経験だったが、非常に好印象だった。さすがIT企業だけあって、Queの長さを推測するシステムを導入しているのだろう。実際、待っている間に流れる曲が同じシステムを持つ某航空会社は、延々と30分以上待って、昼休みを潰してしまうことがよくある。目処があれば、こちらも対処が立てやすい。

ほんの些細なことだが、それで顧客の印象を大幅に変えてしまうことが良くわかった。

PCがネットワークにつながらなくなりました。復帰まで、しばらくお待ちください。

マイニング用データを着々と仕入れるGoogle」というエントリで、Googleアラートでのデータ収集の将来性を述べた。cnetによると、Googleヒストリーが始まったそうだ。Googleにログイン(GmailのアカウントでOK)すると、過去に検索に使用したキーワードが出てくる。今は、単にキーワードのみだが、当然そこには留まらないだろう。

著者(日比野省三氏)らが提唱する「ブレイクスルー思考」を極めて実践的に、かつわかりやすく記述した本。具体例もたくさんあり、判りやすい。

ボトムアップ的な「デカルト思考」とは異なり、「ブレイクスルー思考は」理想論からトップダウンさせる。そのため、発想の広がりやジャンプアップが必要な際に最適である。具体シーンではブレスト。「信用ゲーム」と著者は名付けている。
一方、「デカルト思考」は現実の確実に改善させる場合に用いるとよい。設計レビューなどが向いている。「疑惑ゲーム」である。


ブレイクスルー思考を解説している本書のキーワードは、「パパ」と「ママ」と「赤ちゃん」である。

SkypeOutに引き続き、SkypeInとSkypeVoicemailを有償で提供する

Skypeは、イノベーションへの解(クレイトン・クリステンセン)のローエンド破壊の典型だろう。

  1. 先ずは、P2Pで交換機をなくし、無料でソフトを配布してコストをゼロにする。既に電話機能を提供している他社は、「イノベーションのジレンマ」に陥り、対抗策を打つことができない。
  2. 次に、Skype外との関門は自社で握り、課金する。 このフェーズ迄で、最低限の機能を提供できた。
  3. 次に、付加価値を有償で提供し、すでに逃げられないユーザに対して課金をする。

コンテンツクリエイトツールを独占するAdobeは、どこへ向かうのだろうか?

顧客の「困っている」「こうしたい」を叶えるとお金をいただける、というのがビジネスの鉄則。

水平型のモデルでIntel,Microsoftは戦ってきた。これは、「こうしたい」をかなえるための必須となるCPUやOSの有力な提供者だったからだ。そして、他者の提供する機能が顧客の要望を満たすことができず、(3rd party含めての)Intel,MSが提供する機能が唯一要望に一番近かったときには、顧客はそれを使わざるを得なかった。

だが、技術全体の底上げと、AMDの追い上げやMac,Linuxにより、彼らでも顧客が要望するレベルの機能を提供できるようになってしまった。このため、Intel,MSは、唯一の事業提供者であることができなくなってきた。
ハードウェアやOSは、手段であって、解決方法を提供していない。そのため、他に同等の機能を提供するプレーヤが現れると、IntelやMS(のOS部門)は苦戦する。

リーダーの資質 稲盛和夫責任編集

大前研一、中坊公平、境屋太一、中曽根康弘など各界のリーダーが論じている。が、「責任編集」という割にはまとまりが無い。各氏の主張を手軽に知ることはできるが、突っ込んで考えようとなると、ちょっと不足する。時間のある時に、さらりと読むには良い本だろう。

UMLモデリング・ツールに「マインドマップ」機能を追加 : IT Pro ニュース。マインドマップが、単なるメモではなく、最上流工程のツールになった。なるほど。

どの程度の記述自由度にするか、が使えるかどうかの鍵だろう。マインドマップは、思ったことをその場で図に書き出すことが肝である。UML化を目指す余り、「書き方」を制限する方向に向かわなければいいが。

ライブドア、自社の検索エンジンに見切りをつけてGoogleを採用 - CNET Japanによると、GoogleのOEM供給がまた一つ増えた。Googleの検索能力の的確さは今は定評があるが、「なぜよいか=どのようなルールでランキングしているか」の本質はブラックボックスである(ランキングの根幹であるPagerankの原理説明はGoogleのページにあるが、ランキングを決めるパラメータについては記載が無い)。そのため、SEOなどのビジネスが生まれ、本当に欲しいものに対してのずれが発生する。Googleは「ない」と断言しているが、Googleの株を握った者が、恣意的に情報を操作することは原理的に可能であるし、公権力は今でも可能かもしれない。「Google八分」なんて言葉もあるし。

Nutchはオープンソースの検索エンジンである。ソースが公開されているということは、SEOなどの「たくらみ」も実現しやすいが、「たくらみ」を打ち消すことも可能である。OSやオフィスアプリケーションなど、様様な分野でオープンソースが実現されている。意図的なバイアスをかけにくい、オープンソースの検索の賛同者が増えてくることを期待したい。

携帯からGoogle

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ブラウザからのwebアクセスでは、様様な情報をサーバに送っている。どこからアクセスしたのかなどの情報だ。携帯からのアクセスだと、更に情報を増やすことができる。電話ごとに振られているユニークなIDや、位置情報等も、サーバに教えることができる。

Microsoft OfficeとOpenOffice.org、どちらを選ぶべきか (MYCOM PC WEB)に掲載された記事から。
記事内容が、マイクロソフトに偏っているのは置いておいて、「日本では90%の互換性では許されず、100%が求められる」のくだりには納得。Powerpointの「一字欠け」でも目くじらを立てる人もいるのは勘弁して欲しい。
また、「OpenOffice.orgは、ソフトは無料でもサポートやメンテなどにコストがかかるので、結局マイクロソフトがベター」のロジックは、オープンソフトウェアのサポートが新規ビジネスとして成り立つことを示唆していると思う。マイクロソフト製品では、マイクロソフトが自らwhole productを提供していた。オープンソフトウェアでは機能を分担してwhole productを提供すればマイクロソフトに十分対抗できるだろう。そのため、サポートや教育というビジネスが成立するはずだ。

かく言う私は、既にOffice2000を購入してしまったので、気が向けばOpenOffice.orgで遊んでみる、という感じかな。少なくとも、マイクロソフトのOffice新製品にアップグレードする動機は、ありません。今のままで十分です。

MBA保有者100人(お名前は巻末に載っています)にアンケートを取った結果を100位まで順位付けした。2001年の本。
 1位がポーターの競争の戦略、2位がビジョナリーカンパニーと、伝統の本と旬の本がトップを占めたのは面白かった。MBAが推薦する本なので、戦略系や財務系が多い。合間に著名人(大前研一、齋藤嘉則、高木晴夫など)のインタビューがあり、彼らが薦める本の記載もある(一部、自著しか宣伝しない人もいるが)。

「次は、何を読もうかなあ」と迷ったときには良い本だ。

Wikipediaが、Yahooからの寄付を受ける。参加者のボランティア精神に期待する、というインターネット黎明期の考えを踏襲したWikipediaが、サイトの分類を地道に行うことから事業を開始したYahooと関係を深めるというのは興味深い。

グリッドストレージが実現できれば、コンテンツの投稿だけではなくコンテンツの保有もボランティアの有志でまかなうことができるだろう。そうなれば、Wikipediaも寄付を受けることはなかったと思う。

http://www.webarchive.org/も、Wikipedia同様にネットの共有財産だと思う。彼らが今後も興味深い。

Wired News - 個人の詳細な行動まで追跡? 検索サイト巨大化への懸念(上) - : Hotwired から。

個人の問題として取り上げられているが、個人でない(=法人)の場合は、更に深刻かもしれない。

アドビ システムズ、PDFファイル作成ソフトの低価格パッケージ『Adobe Acrobat 7.0 Elements日本語版』を22日に店頭販売開始
PDF作成ツールは、ソースネクストのいきなりPDFをきっかけに値下げ競争となり、無償のクセロPDFも出現した。アドビはコンシューマビジネスのローエンド型破壊については静観していた(というよりは、イノベーションのジレンマで動けなかったというのが正しいかも)が、ついに、参入してきた。
従来、アドビはアクロバットのプラグインをサードパーティに開発させ、その後に流行るのであればバージョンアップ版に組み込むという手法で成長してきた。このような戦略は、機能面の拡充であれば、自社既存製品と食い合うことも無いために有効だ。今回は、価格面のラインナップ強化に他社の市場開拓結果を利用する。自社の既存製品の既存顧客(もしくは買い替え顧客)が、どのように動くかが興味有る。それでなくても、Acrobat 6, 7と、更新する意味合いが薄れてきているため、Element 7に流れる顧客がかなり居るのではないかと思う。アドビの収益にどう影響するか興味深い。

プロトン、情報漏えい対策ソフト『Steganos Security Suite』の販売を開始

「画像や音声などのデータをダミーとして、その中に隠したいデータを埋め込む“Steganos Safe(ステガノフ セーフ)”」とある。画像に情報を埋め込む電子透かし(ステガノグラフィ-)という考え方は新しい物ではないし、種々の研究や特定用途での実例もある。ただし、それをシュリンクパックに仕立て、流通ルートに乗せて流す、というところに新しさを感じた。提供価値は他方式とそれほど変わらない為、「新市場型破壊」ではないが、「ローエンド型破壊」になるかどうかが成否を握っていると思う。

Gmail 2GBへ

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無制限に拡大? Google が『Gmail』保存容量を倍増によると、Gmailのメールボックスが2GBとなったらしい。http://www.gmail.comでは、2GBを超えてカウントアップしていく。まだまだ容量は増やす、とのことだろう。すでにYahooは2GBのスペースを提供しており、容量自体は目新しくない。ただし、他社は有料で展開している。Googleが、Gmailでadwords以外の新しいモデルを見つけられるかが気になる。

読み終わっていないが、軽く紹介。
指揮者はいないが、高い音楽性を誇るオルフェウス室内管弦楽団(例えば、こちらに解説あり)のリーダーシップを解説する本。特定のリーダーが不在でも、リーダーシップを持って成果を発揮するhow toがかかれているのかも。もう少し読んで、面白そうだったら、再度紹介します。

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