「イノベーションへの解」のお手本となる、Skypeのビジネスモデル

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SkypeOutに引き続き、SkypeInとSkypeVoicemailを有償で提供する

Skypeは、イノベーションへの解(クレイトン・クリステンセン)のローエンド破壊の典型だろう。

  1. 先ずは、P2Pで交換機をなくし、無料でソフトを配布してコストをゼロにする。既に電話機能を提供している他社は、「イノベーションのジレンマ」に陥り、対抗策を打つことができない。
  2. 次に、Skype外との関門は自社で握り、課金する。 このフェーズ迄で、最低限の機能を提供できた。
  3. 次に、付加価値を有償で提供し、すでに逃げられないユーザに対して課金をする。

ユーザは、固定網より若干品質を落としても、劇的に安いほうがよい、という人は多数いるのだろう。現に、IP電話のストーリがそうであった。
但し、IP電話はISPが主力プレーヤであり、現状ではIP電話を使おうとするとISPに加入せざるを得なかった。ISPが、自社の交換機(ルーター)の投資回収をする必要がある、という理由もあったのだろう。

一方、母国語であれば、多少雑音が乗ったり途切れたりしても会話は成り立つ。そのため、IP電話の品質レベルでのローエンド破壊が成立し、そのプレーヤが資産を持たない(=投資回収が少ない)Skypeだった。

顧客に食い込んだあとは、様様な価値を提供し、ハイエンドに「上がって」いく。それがSkypeIn/Outであり、SkypeVoicemailなのだろう。

ただ、記事でも触れているように、Voicemailについては、3rd partyとの差別化点に関しては明確ではないようだ。

今後は、Skypeが独占しているモノを利用した有償サービスが始まるのだろう。端末ソフト、ユーザデータベースなどが鍵かもしれない。

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このページは、thikが2005年4月19日 21:55に書いたブログ記事です。

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