2006年12月アーカイブ

2006年もあとわずか。夏ごろはブログを放置しかけましたが、なんとか続けてきました。皆さん、ありがとうございました。
独断と偏見で選ぶ、2006年のまとめ;

  • 組み合わせが身近に
       Web2.0とかマッシュアップとか言っていますが、要は複数のサービスを簡単に組み合わせて使えるようになったということ。このサイトでも、goodpic.comのAWSを使わせて頂いています。「したいことを自分で組み合わせて使う」という、バイキング形式のサービスが、今後増えるんじゃないかな。
  • ケータイは、どこまで行ってしまうの?
      Vodafoneからソフトバンクに変わりましたね。そして、3社がひたすら高機能に走っている。でも、使っている側からすると、今の機能を減らしてもいいから安くして欲しい、という感じ。ゲームの搭載とか、300万画素とかは、私は要りません。
  • ビジネス書は、あまり読まなかったな。
      今年は、とても感動した(五つ星)本に、残念ながらめぐり合えませんでした(量をこなしていないのが主要因かもしれませんが)。来年はどんな本に出会えるのでしょう? どんな人にお会いできるのでしょう?

では、来年もよい年になりますように。

マイクロソフトの次期OS,Vistaに、セブンイレブンに設置されているゼロックスのプリンタに直接し写真を印刷させる機能を標準搭載するそうだ(cnetの記事から)。マイクロソフトのOSに、特定企業のサービスが標準搭載されることは珍しい。この提携で、一番メリットを得たのは、誰だろう?

クリントン大統領の側近だったジョージ・ステファノポロス氏のアシスタント(秘書ではない)だった著者が、仕事をうまくこなすためのノウハウを満載にした本。アシスタントという職は日本では聞きなれないが、「補佐」という言葉が適当か。アシスタントは、身の回りをお世話する秘書とは違い、ボスの仕事のノンコア部分を担当し、コア部分に集中できるようにするのが職務である。
本書は、アシスタント職に限定したtipsではなく、どんな仕事にも通じるノウハウが種種述べられている。以下、気づいたものから抜粋する。

Is It Always Right To Be Right?が原題。「自分が(仮に間違っている、とうすうす感じていたとしても)正しいと主張し、相手を論破するのがよいのだろうか?自分の主張と相手の主張を認め合い、新たな発見とより良い主張に昇華させていくほうがよいのではないか?」と主張する。
Part1,2に分かれており、Part1は1ページに2,3行+挿絵、という構成で、「自分至上主義者」ばかりの企業が崩壊し、そして「自分の誤りや相手の意義も認める」ことにより、従来以上のものを手にいれられると説く。


P2Mはプロジェクト&プログラムマネジメントの意。ソフトウェア開発などのプロジェクトマネジメントにとどまらず、より広い範囲のプログラムのマネジメントまで含む手法についての入門書である(ここでは、複数のプロジェクトが有機的に関連した「事業」を、プログラムと定義している)。


慶応ビジネススクールと、早稲田ビジネススクールの教授の共著。ビジネススクール等では、経営戦略と財務戦略が切り離されてしまっていることに問題を持った著者らが、6つのトピックに対して経営と財務の両面から分析した本。内容は平易であるが、企業分析の考え方を理解するのに役立つ。

原題は"Translating strategy into action"。ただ、「実行」のためのtipsはあまり無く、「戦略」をビジョンに変え、戦術に落とし込むまでの方法に大部分のページを割いている。

色々なフレームワーク(枠組み)が出てくるのは、参考になった。

ニューヨークで携帯電話を使った支払いサービスが試験運用するそうだ(cnetの記事から)。
日本では携帯電話の通信事業者(NTTドコモ)が中心となって決済サービスが進んでいるが、米国ではサービスの主体はMastercardのようだ。携帯電話のメーカ(Nokia)とキャリア(Cingular)は、決済サービス自体では収入が無いが、機材やネットワークの顧客増で儲けるのだろう。

プロジェクトなどの失敗からどのように学ぶかという点について、ロジカルシンキングや、クリティカルシンキングの考えを取り入れながら述べている。
原因と責任を明確に分け、原因を徹底して追求して再発しないための具体策に落とすことが著者の主張の中心のようだ。最後には、著者が研修での指導の模様を書き下ろしている。

優れた写真をネットで募集し、知れを紙媒体に掲載するJPG Magazineが、事業的に成功を収めている。TechCrunchによると、$4(約500円)の隔月刊雑誌が、毎号3万冊の割合で売れているそうだ。
成功の鍵は、2つあると思われる。

  1. 「紙の媒体への掲載は、栄誉である」という社会通念がある。
  2. その栄誉ある媒体への掲載場所を、自分で決められることが誇らしい

従来は敵対関係と考えられていた紙媒体と電子媒体が、双方が持つブランド性(箔ですね)とコミュニティ形成の容易さという特徴を生かして、うまく融合した実例だと思う。

cnetの記事によると、日本主導で「ucode」というタグのナンバリングシステムが動き出したそうだ。今回、「μ-Chip Hibiki」が「ucodeタグ」として認定された。同記事には、

ucodeとEPCglobalそれぞれ異なるタグの基準が必要なのかとの問いに対し、坂村氏は「EPCglobalは欧米中心の規格だ。アジア諸国では ucodeが普及し始めている。また、EPCglobalは管理が米国中心だが、ucodeは分散管理しているため、こうした意味でもucodeを使いたいというニーズが高い。(以下略)
とある。技術的な違いはあるにしろ、デファクトスタンダードに向けた標準化の争いである。

古くはビデオのVHSとβの争いに始まり、最近ではDVDの争いまで、主導権を握る戦いは後を絶たない。利用者がアンハッピーにならなければよいが、と心配している。

昨日のエントリで、「ノートPCは価格競争になったのか?」と書いた。アメリカの感謝祭後に、低価格のノートPCでHPなどがシェアを伸ばした記事があったからだ。

cnetの記事によると、HPとソニーが米国の年末商戦でシェアを上昇させたそうである。だが、その理由は価格が安いこととプロモーションの成果だという。同記事によると、HPはノートPCを379ドルにしたそうだ。
既に、ノートPCは搭載機能や形状や重量などでの違いを出すことが難しくなり、顧客(特にコンシューマ)は価格と広告しか見ていないのだろうか?

メーカーや広告代理店、研究者などの任意の集まりである「コトバ最適化」研究会が50個の「禁句」を選び、それを適切な(毒の無い)言葉に変換した本。とてもユーモアが効いていて、なかなか良い。
全部を挙げてしまうと本書を読む意味が無いので、いくつかピックアップする。

cnetの記事によると、NTT西日本が自社光ファイバー会員に対し、PLCのサポート(適切な配置の検討、アフターサービス)を行うそうである。

NTT西日本などの目的は自社光ファイバの普及である。光ファイバを提供するだけでは差がつかない(差が見えにくい)ため、他社との違いを出す上で「PLCのサポート」に着目したようだ。
単に抱き合わ販売では効果が少ないし、抱き合わせる対象である光ファイバとPLCのいずれも競争相手で持つことは可能であるため、結局価格や販売力競争になってしまうと思われる。そこで他者に先駆けてサポートを提供することにしたようだ。

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