P2Mはプロジェクト&プログラムマネジメントの意。ソフトウェア開発などのプロジェクトマネジメントにとどまらず、より広い範囲のプログラムのマネジメントまで含む手法についての入門書である(ここでは、複数のプロジェクトが有機的に関連した「事業」を、プログラムと定義している)。
プロジェクトマネジメントについては、さまざまな本が出ているので、ここでは省略。一言だけ触れるとすれば、「分解」と「リスクマネジメント」が鍵であり、「作業項目がきちんとリストアップできれば、仕事は8割方片付いたも同然」という言葉を思い出した。
プログラムマネジメントは、全体最適化のために、以下の4つの原則を前提とする。
- ゼロベースの原則
- 現状を先入観なしにありのままで捉える。「イシューは何か?」
- 変化柔軟性の原則
- 状況変化を捉えて、複数案を適切に選択する
- コンピタンスの原則
- 知識と情報を一体化し、レバレッジを効かす。
- 価値評価の原則
- 定量的な目標設定と、その達成を常に計測する。
それぞれには、KJ法やロジックツリー、リアルオプションなどの既存手法を活用し、各項目での目標を達成させる。
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「プログラム」という概念を使って、事業を体系的に、かつ理論的に捉えようとしている点は面白い。が、既存の問題解決手法や企業評価手法などの組み合わせとの違いが、いまひとつはっきりしない。本書には沢山の、定評のある参考文献が掲載されており(例えば、「問題解決プロフェッショナル」など)、それらをじっくり読む方が先決かもしれない。
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