川の道フットレース ハーフの部に参加しました

ゴールデンウイークに行われる「川の道フットレース」のハーフの部に参加しました。
いろいろな方のおかげで、ぎりぎりゴールはできました。個人的には課題と故障が残る大会となりました。

川の道ハーフの検討

川の道フットレースとは

「川の道」は、荒川と信濃川(千曲川)に沿って走る大会です。フルとハーフの部があります。フルは東京から新潟までの514km、ハーフは長野県小諸市から新潟までの251kmです。
今年が第17回と、大変歴史のある大会です。
途中、3か所(ハーフは1か所)のエイドステーションがあり、荷物の受け渡しや仮眠などができます。他のサポートは無く、必要なものを背負って、コンビニなどを利用しながら進みます。

ハーフの部は、正式には「千曲川~信濃川ステージ」と言います。5月3日11時に小諸をスタートして、ゴール閉鎖時刻は5月5日21時です。58時間が制限時間です。ルートは、基本は川沿いの国道(18号、117号、17号、8号)です。一部で旧道などを通るので、分岐に注意が必要です。
なお、フルの部は、「日本横断ステージ」です。4月30日9時に東京の新木場駅前をスタートして、132時間後に新潟の信濃川河口の「川の道岬」の先2.4kmのゴールに到着すれば完走です。

過去の経験から、川の道を予想する

250kmを越える大会は、今まで2回出たことがあります。一つは「萩往還」。そしてもう一つは、川の道と同じくスポーツエイドジャパンが主催する「みちのく津軽ジャーニーラン」です。

萩往還は、川の道と同じくゴールデンウィークに開催されます。山口県をぐるっとめぐる大会です。主な峠越えが1か所あります。超長距離の大会ですが、エイドが比較的沢山ありました。

みちのく津軽ジャーニーランは、263kmと川ハーフよりも長い距離です。ですが、ほぼ平坦な道であり、レストポイントも2か所あります。

川ハーフは、下り基調でアップダウンは少なそうです。ただし、レストポイントが1か所です。ギリギリのペースで進むと、レストポイントは夜ではなく昼間に到着します。そのため、2晩の夜をどのように過ごすかがポイントになるかと思っていました

いずれにしろ、萩往還(制限時間48時間)や津軽(制限時間51時間)のタイムと同等のタイムではゴールできるのでは、と考えていました。また、川ハーフの制限時間は57時間なので、余裕があるのでは、と思っていました。

これが、とても甘かったことは、初日から痛感します。

ここからは、記憶をたどりながらの走行記です。

川の道フットレース 走行記 

前日に小諸入り

いろいろ考えて、前日入りにしました。当日の新幹線でも間に合うのですが、5月3日なので混みあうこと、朝ギリギリまで寝ていたいことなどが理由です。

車中から、浅間山がきれいに見えていました。

小諸の会場となる「小諸グランドキャッスルホテル」は、コロナ影響のため日帰り温泉は中止していました。電車で2駅乗った、「ゆうふるtanaka」に行ってきました。

晩御飯は、ゆうふるtanakaで季節の定食。さわらのフライと、たけのこご飯です。


美味しかったですよ。

近くのスーパーで朝食を買って、9時過ぎに就寝です。

説明会から始まる

翌日は7時に起きて、朝食と身支度をしてから会場入り。9時から受付、9時半から説明会でした。

説明会では、大会の主旨は、安全を最優先にすることなどの説明がありました。
ゼッケンには、「瀬田晃さんの想いを日本海に」とあります。過去の大会で夜間走行中に事故があり、その方の遺志をゴールに届けるのです。

スタートは順調

11時にスタートです。向こうには雪が残る山々が見えます。

信号が…

いい感じで走り出しましたが、信号で止められることが予想外でした。
よく考えれば当たり前で、重要な幹線道路の国道18号線を走行しているので、当然です。
一方、「萩往還」や「みちのく津軽」は、ちょっと田舎(失礼!)を走るので、信号ストップが少ないです。
その分、同じペースで走っていても、時間がかかります。

気を取り直して、幹線道路なりの楽しみを考えます。
途中にあった「ナノブロック」の工場。今日はお休みですね

CP14 上田城址入口 18.7km地点 5/3 13:36

最初のチェックポイント、上田城址です。午後1時過ぎ、気温は15度くらい。走っていると暑かったです。
CP番号は、フルの部と共通です。そのため、ハーフのCP番号はスタートが13となっています。


予定ではキロ10分で組んでいましたが、若干早く到着しました。信号ストップがありましたが、下り基調だったこともあるでしょう。
チェックポイントと言っても、係員がいるわけではありません。自分で到着時刻を用紙に記入します。

CP15 篠ノ井橋北詰 42.4地点 5/3 17:34

次のチェックポイントは篠ノ井橋です。ここは国道から旧道に分岐する場所です。
ロストしないように、分岐点などにチェックポイントを置いている、とのことでした。

時刻は午後5時半。スタートから6時間半が過ぎました。

ランナーと会話しながら進む

この前後で、フルのランナーと一緒に進みました。ハーフは、フルの約半分の距離ですが、下り基調です。一方で、フルの前半は峠越えが2回あり、かなり大変とのこと。まずはハーフを完走してフルへの参加資格を得ないと始まりませんね。

途中で夕食

エイドステーションは、132km先にしかありません。そのため、途中で補給しながら進みます。
この日は、19時過ぎにコンビニに立ち寄り、スパゲティを食べました。

この後も、この調子でコンビニ頼りで進みます。24時間開いているコンビニは、とても助かります。

CP16 善光寺本殿 55.5km地点 5/3 20:07

善光寺に着きました。今年は御開帳ということで、夜の8時過ぎでしたが沢山の参拝客が居ました。

CP17 浅野交差点 71.0km地点 5/3 23:05。私設エイドに救われるその1

午後10時を過ぎて、冷えてきました。次のチェックポイントとなる浅野交差点(国道18号から117号への分岐点)には、ラッキーなことに私設エイドを開いている方がいらして、あたたかい味噌汁を頂きました。ありがとうございました。

飯山へは夜間も旧道がベター

この先は、バイパスと旧道に分かれます。夜間はバイパスが推奨ですが、私設エイドの方に、「旧道がいいよ」と教えていただき、旧道を進むことにしました。バイパスはアップダウンがあり、大変とのことでした。

道端で座っているランナーも…

旧道は、まったく車が通りません。そんな中、道の端に座り込んでいるフルの方が居ました。時間は真夜中の1時頃でしょうか。少しの間一緒に歩かせていただきました。やはり、フルは大変のようです。

気温は3度。持っていったもの(雨具、フリース、Tシャツ、ベースレイヤー)をすべて着込んでも寒いです。特に手袋は1つしか持っておらず、フリースのポケットに手を入れながら歩いていました。

CP18 飯山駅前 87.6km地点 5/4 2:11

飯山駅のチェックポイントに到着したのは夜中の2時過ぎ。予定ではどこかで2時間程度仮眠を取ろうと思っていましたが、構内には入れず、また寒くて屋外での仮眠は厳しそうでした。

この先は、CPもコンビニも少ない区間になります。
寒くて眠くて、ふらふら歩いていると、だんだんと夜が開けてきます。

私設エイドに救われる その2

道の駅野沢温泉では、私設エイドの方に暖かい麦茶を頂きました。助かりました。

向こうには雪が残る山。そして千曲川の対岸には集落が見えます。朝の5時頃、きれいな空でした。

新潟県に入った

長野県を抜けて、新潟県に入ります。千曲川は、ここから信濃川に名前が変わります。

朝8時半、暑く感じます。日中はどこまで気温が上がるのでしょうか。

スノーシェルターが嬉しい

幸いなことに、豪雪地帯のため、国道117号線はスノーシェルターがいくつかあります。直射日光が遮られ、暑さが少し和らぎます。

CP19 旧三箇小学校 132.4地点 5/4 11:27

やっと、中間地点の旧三箇小学校に着きました。小学校の裏には雪が残っていますね。ここでは荷物の受け渡しと、食事、シャワーや仮眠ができます。

予定よりペースダウン

予定より2時間早い到着ですが、飯山での仮眠を2時間見積もっていたので、実際の時間は予定通りです。
でも、飯山までは1時間程度の余裕があったので、飯山からここまでは計画より遅くなっています。
序盤と違って信号もなく、本来であれば序盤のペースより上回るはずですが、右足が痛く、走れていないのが原因です。

シャワーでアイシング

右足のアイシングを兼ねてシャワーを浴びます。シャワー待ちの間に、カレーを食べました。
ここまでは3/4丈のタイツとゲイターでしたが、暑くなることを見込んで短パンとゲイターにします。
ふくらはぎの裏にもテーピングを追加しました。

仮眠はパス、予定より3時間早く再スタート

仮眠しようと思いましたが、時間はちょうどお昼の12時頃で目が覚めています。足の不安もあるので、予定の17時過ぎの出発を繰り上げて、14時前に出ることにしました。

外は暑く、また足の調子も良くないので走れません。歩きながら進みます。

16時頃、ローソンで冷やし中華を食べました。氷も買って、足を冷やしながら進みます。少しの間でしたが、楽になりました。

CP20 魚沼橋南詰 162.0km地点 5/4 19:33

CP20の魚沼橋過ぎて空腹を感じたため、持っていたジェルを食べていたら、前後でご一緒させていただいたフルの方に、この先にコンビニ(デイリーヤマザキ)があることを教えてもらいました。
そこで晩御飯としてスパゲティを食べました。時間は夜の8時。ご飯ものの在庫が少なかったのは、先行するランナーが食べたのかもしれません。
ここで、夜支度としてロングタイツを履き、防寒用の雨具を着ます。コンビニまでは登りでしたが、ここからは下り。足に負担が来ないよう、ゆっくり下ります。

小千谷の街に入ってきました。国道117号は郊外を通っているようで、お店はありますが人通りはありません。時間も夜の10時頃なので、空いているお店も少ないです。車に気を付けて進みます。

CP21 越の大橋西詰 178.6km地点 5/4 23:59

越の大橋がチェックポイントです。ここからは、広い道が続きます。ハーフ参加者と少しの間一緒に歩かせていただきましたが、眠くてコンビニでコーヒー休憩となりました。

長岡市内へは、いくつかの曲がるところがあります。間違えないように、立ち止まりながら進みました。

CP22 大手通交差点 191.0地点 5/5 2:59

深夜3時の長岡市の繁華街の大手町交差点がチェックポイントです。それまでと違い、歩いている人もちらほら。気持ちよく飲んでいたのかもしれません。

今日は昨日ほど寒くありませんが、それでも歩いていると暖まりません。コンビニでカップラーメンを食べて、進みます。

バス停で仮眠

眠くてふらふらしているのがわかり、これは危ない、と、見つけたバス停のベンチに座り込んで少し休憩です。10分程度座っていたでしょうか、少しすっきりしました。

朝5時、明るくなりました。コンビニでサンドイッチを食べて、タイツと防寒着を脱ぎます。たぶん、今日も暑くなるでしょう。

8時頃に、再びコンビニへ。水分と食料を補給しました。

ここからは、歩くのも大変になってきました。気温も上がって、20度くらいでしょうか。暑いです。

CP23 三条大橋南詰 214.0km地点 5/5 9:12

三条大橋を越えると、いきなり街中になります。日差しが強くなり、コンビニで冷凍ペットボトルを買いました。

ここからカーブを切ったあとは、長い直線道路になります。

腰が痛みだす

12時過ぎにコンビニへ。冷やし中華を食べて再出発しましたが、右腰の痛みが残ります。右足をかばって歩いていたためでしょうか。

だんだんと、屈伸しても腰の痛みが取れなくなってきました。時間の余裕がありそうですが、足が持つか不安です。

道は、単調な直線道路。日影もなく、ただ進むだけです。

ポールを借用(ありがとうございました)

途中で、私の体があまりに傾いているのを見るに見かねて、フルの方からポールを貸していただきました。ご自身もすでに500km近く走ってきて疲労の極致のところ申し訳なく、大変感謝しています。ゴールしたのが遅く、お返しできず申し訳ございません。

CP24 大野大橋南詰 241.0km地点 5/5 16:38

ですが、腰の痛みは変わらず。直線を抜けた「大野大橋南詰」のチェックポイントに着いたのは夕方4時半過ぎ。残り10km程度ですが腰の痛みと進み具合から、縁石に腰かけて休んでいると、リタイアする気が80%に。
ですが、通り過ぎる後続のランナーからは「もうすぐ終わりですね」「あと10キロ」などと声をかけてもらえます。制限時間は21時なので、4時間半で10kmを進めばよいことになります。時速3kmでも間に合う計算なので、どこまでいけるかわかりませんが進むことにしました。

信濃川の堤防まで来た

国道をゆっくり進み、信濃川の堤防に上がったところで日が沈みました。

この先3kmで川の道岬ですが、暗くなるでしょう。使わないと思っていた夜間走に必要なライトなどを取り出します。

CP25 川の道岬 248.9km地点 5/5 19:26

川の道岬にたどり着いた時には、わずかに明かりが残っていました。はるか向こうが佐渡のはずです。

そして、ゴールはこの先2.4km。閉鎖時刻まで1時間半ありますが、余裕はありません。屈伸しながら、暗い道を進みます。

CP26 海の家静浜亭(ゴール) 251.3km地点 5/5 20:28

少し道に迷いながら、ぎりぎりでゴールできました。体は右側にくの字に曲がり、ボロボロのゴールです。

シャワーを浴びていると、既に最終新幹線の時間に間に合わないことに気づきました。そのままゴールで仮眠します。寝袋にくるまって、熟睡しました。

まとめ

翌日の日本海は快晴でした。
ハーフを完走できたので、フルの部に応募する権利ができましたが、今のままでは走り切れる自信がありません。を反省し、しっかり練習したうえで応募するかどうかを考えたいと思います。

おわり。

追記

結局、翌年に荒川から千曲川を経て信濃川に至る「フル」に参加し、無事にたどり着くことができました。
「フル」の走行記は、その1からその4まで書きました。

制限時間2時間前にゴールできた川の道。あれから1か月近くになります。ですが、記憶はあまり薄れていない、ということは、濃い大会だったということでしょう。 ほぼ歩き旅でしたが、いろいろあったことを書き残そうと思います。

また、活躍したグッズなども書きました。

川の道を旅してから、3週間が経ちました。とても濃い日々でした。 昨年、川の道ハーフを走った時には、「このままではフルは完走できない!」と思っていました。 そのため、川の道フルを完走するために、いろいろと考えました。走力は無いので(これを鍛えればベストなのですが)、様々な工夫をして乗り切りました。 その中から、役に立ったものを書き出します。
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

●他の方のブログもどうぞ!↓
にほんブログ村 地域生活(街) 関東ブログ 市川情報へ にほんブログ村 その他スポーツブログ 超ウルトラ・ウルトラマラソンへ  

コメント

  1. しぶまま より:

    凄すぎです! 2週連続のウルトラでも凄いと思っていたのに、よもや「川の道」に参加されていたとは・・・ ゆっくり休んでください。3連続完走おめでとうございます。

    • ひっきー より:

      しぶままさん、ありがとうございます。かなり無謀な挑戦でしたが、無事にゴールに到着できて一安心です。ですが、ダメージがひどく、しばらくは走れそうにありません。ゆっくりリハビリしたいと思います。