先日走った房総半島横断70Kは、2つのGPSデバイスで測定しました。また、解析アプリもいろいろ使いました。それらを比較します。
その1:使ったGPSデバイスは、Epson SF-810と、LG L-05E
房総半島横断70Kで使ったGPSデバイスは、2つです。
一つは、エプソンのSF-810という腕時計型のGPS付脈拍計です。心拍ベルトなしに脈拍が測れ、電池も20時間持つという優れものです。
もう一つはドコモのL-05Eというスマホです。
L-05Eは、4.7インチのスマホです。Android OSは4.2.2と少し古めです。「SportsTracker」というアプリで計測しました。
その2:比較したソフトウェアは、それぞれのオリジナルのツールと、フリーソフト「轍(wadachi)」
それぞれのデバイスのGPSデータは、まずはオリジナルのツールで見ます。
EpsonのSF-810では、「NeoRun」というツールです。L-05Eは、「SportsTracker」です。
そして、それらのデバイスからGPXファイルをエクスポートして、フリーのGPS解析ツールとして定評のある「轍(wadachi)」で見ました。
更に、「動かせる地図」のさきがけだった「ルートラボ」で見ました。ただし、ルートラボに載せるために、間引いています。そのため、間引いた後のGPSデータを「轍(wadachi)」と「ルートラボ」で見ました。
結果は、こうなった
それぞれの結果は、以下の表のようになりました。気になったところを黄色で塗りました。
なお、公式発表では、距離は69.00km、累積標高は1770mです。
また、スマホはスタート時刻より2分早く計測を開始し、またゴールしてから8分後に停止させました。
項目 | SF-810で測定したGPSデータ | 左記を間引いたGPSデータ | スマホL-05Eで測定したGPSデータ | |||
---|---|---|---|---|---|---|
NeoRun | 轍V3.91 | 轍V3.91 | ルートラボ | 轍V3.91 | SportsTracker | |
開始時刻 | 6:00:02 | 6:00:02 | 6:00:02 | 6:00:02 | 5:58:43 | |
終了時刻 | 16:42:58 | 16:34:28 | 16:34:28 | 16:34:28 | 16:42:19 | |
水平距離(km) | 69.05 | 68.96 | 70.85 | 70.82 | ||
沿面距離(km) | 68.233 | 69.75 | 69.51 | 69 | 73.9 | |
総上昇量(m) | 2,411 | 1628 | 1653 | 1991 | 1667 | 3208 |
総下降量(m) | 2,408 | 1625 | 1651 | 1991 | 1662 | 3203 |
最高高度(m) | 348 | 347 | 384 | |||
最低高度(m) | 0 | 0 | 28 |
気になったところ
それぞれで気になったところを書き出しました
気になったところ その1 Epson/NeoRunの終了時刻
Epsonで測定したGPSデータを、NeoRunで見たところ、終了時刻がゴール時刻よりも8分位遅いです。
この時刻は、ゴールした後に荷物を受け取りのために200mくらい歩いたのちに、スマホのL-05EのGPSを止めるのを忘れていてストップさせたタイミングと同じです。
EpsonのSF-810は、ゴールした時に停止させたのですが、その状態では「ストップ」させただけで、その計測を停止する「リセット」にはなっていませんでした。
「リセット」の操作をしたのは、スマホを止めたタイミングと同じです。そのため、終了時刻としては、リセットした時刻になったのでしょう。
気になったところ その2 Epson/NeoRunの獲得標高
Epson/NeoRunの獲得標高は、2400mあまりと、公式発表の1770mよりも1.4倍くらい多いです。
一方、同じGPSデータを使いながらも、轍のソフトでの解析結果では、獲得標高は1628mと、公式発表とそれ程変わりません。
このあたりは、データ取得の誤差をどの程度丸めるか、という違いでしょうか。
気になったところ その3 L-05E/SportsTrackerの獲得標高
スマホL-05EのオリジナルツールであるSportsTrackerの獲得標高は、なんと3200mと、公式発表の2倍近い値になっています。
スマホL-05EのGPSを轍で見ると、獲得標高が1667mと、公式発表とあまり変わりません。
これは、SportsTrackerのアプリの計算方法がいまいち、なのでしょうかね。
気になったところ その4 L-05E/(轍)の最低・最高標高
L-05Eで計測したGPSデータの最低・最高標高が、28mくらいずれています。スタートも、ゴールも海岸ですので最低標高が0mのはずですが、28mとなっています。
SportsTrackerでは標高の表示がないので、アプリの問題か、それともそもそも取得したGPSデータがおかしいのか、はよくわかりません。
まとめ
獲得標高については、GPSデータを解析するアプリによってかなりばらつくことがわかりました。
今回使った中では、フリーのGPSデータ解析ソフトである「轍(wadachi)が一番公式発表に近い値を出しました。
また、Epsonのwebアプリ「NeoRun」で、実際と同じ終了時刻を表示させるためには、ラン後すぐに「ストップ」させるだけでなく「リセット」する必要があることがわかりました。でも、正しくデータは記録されているので、こちらはあまり気にする必要はないかもしれません。