奥武蔵ウルトラマラソンを走ってきました。とても楽しい大会でした。3日経って、まだ筋肉痛のダメージは残っていますが、だんだんと楽しい思い出だけが膨らんでいきます。
今日は、エイドとコース、作戦、そして反省について書きます。
奥武蔵ウルトラマラソン エイド編
とにかく、「おもてなし」の心が素晴らしい。駆け寄って両手で握手して感謝したいくらいです。
エイドがなければ、また普通に水とスポドリが単に置いてあるエイドだったら、絶対に完走出来なかったでしょう。
エイドの方々
ランナーがたくさん来ても嫌な顔をせず、大声で応援してくれる。エイドの手前まで来て、「あと○○メートルでエイドです」と声を掛けてくれる。疲れた体にはとても嬉しかった。
エイドの中身
飲み物が冷たく、とても良かった。見ていると、大量の氷で冷やしていた。個人的にはスポドリ(アクエリアス)をあまり飲むことが出来ず、最初からコーラを飲んでいたが、炭酸が辛くなってきた(普段はほぼスポドリで通します)。その代わり良かったのが、オレンジジュースとアップルジュース、イチゴミルク、カフェオレ。特にジュース系が水分補給と糖分補給を兼ねて、とても良かった。各エイドはランニングクラブが担当しているので、ランナーが欲しい物を良く知っていて、助かった。
おにぎりがほぼ全てのエイドにあった。それも、小口に切り分けてあり、とても食べやすかった。更に、おにぎりの近くには、塩が置いてあり、エイドの方が「塩を付けて食べて」と言っているのが良かった。
そばとそうめんも美味しかった。とくにそばつゆは塩分と甘さがとれるので、全部飲んだ。どこかのエイドでそばつゆだけを出していたところもあった。
スイカとメロンがあちこちのエイドにあったのは驚き。他の大会なら、これらが名物としてどこか1箇所のエイドに置いてある程度だが、オクムのエイドでは普通に見かけた。
疲れてきた頃に、冷たいおかゆがあったのは嬉しかった。さらさらと食べられて、梅干しで塩分補給も出来た。
ノンアルコールビールもあった。帰りのユガテエイドでは、バドガールがランナー到着するごとに乾杯をしていた。しっかり頂きました。
かぶり水が、全エイドにあった。氷で冷やしてあり、とても気持ち良かった。ほぼすべてのエイドでかぶり水をした。
ランナー用に氷があった。そのため、スクイズボトルを携帯し、エイドで氷と水分を補給しながら走っているランナーを結構見かけた。エイドの間隔は短いのだが、猛暑だと20分も給水が無いと辛くなることもあり、良いアイデアだと思った。
その他、手作りのお漬物やもろきゅうなど、ランナーの立場に立って用意してくれているのがとても嬉しかった。
エイドの配置
最初の20kmは4,5kmの間隔と、長めになっている。ここは、コースは厳しいところもあるが序盤なのでエイドが少なくても問題なかった。ただ、林道の中にあった桂木ASの仮設トイレが1基しかなく、7,8人並んでいて15分くらい滞在した。
後半のエイドは、長くて4km弱の間隔で配置されていた。「しんどくなったらエイドに着く」という感じの配置になっていて、とても良かった。
ただ、往復コースで共通のエイドのため、折り返してくるトップランナーの対応と、往路でゆっくりエイドに滞在しているランナーをうまくさばくのが大変そうだった。
奥武蔵ウルトラマラソン コース編
最終案内や他の方のブログから、「前半は上り、後半は下り、でも平坦な場所はない」と言うコースだと漠然と思っていたが、どんなコースか今一歩わからなかった。走ってみると、その凄さ実感した。
序盤も鍵
鎌北湖から奥武蔵の林道に向かう前に、ぐるっと回る20キロあまりの部分がある。ここは、高低差のグラフでも2つの山があるが、その後の上りに比べると標高差が低く、大したことは無いと思って走り方をあまり考えていなかった。しかし、ここでメインディッシュの前の「ミニオクム」を体験した。車でも大変そうな急勾配の上りと、走りだすと止まらない下り。後半の上りは距離があるが、勾配のきつさという点からは序盤も鍵だと思う。
上りの途中にも下り、下りの途中にも上り
メインとなる、鎌北湖から丸山エイドに向かってのコースはほぼ上り。しかし、標高のグラフをよく見ると、細かいギザギザがある。これがかなりプレッシャーとなった。
丸山エイドに向かう時は、ずっと上りを覚悟していたが、たまにある下りに嬉しくなると同時に、「疲れた頃にここを登らないと」と思うと憂鬱になった。そして、その下りも、後半に向けて温存しようと思ってセーブしていたため、気持よく走れなかったのも辛かった。
特に、往路の清流エイドからユガテエイドの区間は、かなりの下りになっていた。そのため、「せっかく登ったのに」という考えと、「帰りは大丈夫か」という考えでネガティブになった。
ただ、ずっと上りが続くのも辛い。適度にアップダウンがあった方が、メリハリがついてよかった。
奥武蔵ウルトラマラソン 作戦編
完走(完歩)を目指す
奥武蔵ウルトラマラソンの前日に、美ヶ原トレイルランアンドウォークの講習会で、15km(獲得標高1000m)を走っていた。更に、前日夜に友人と飲んで食べて睡眠時間は4時間だった。ただでさえ厳しい「オクム」なので、とにかく完走だけを目指すこととした。
完走を目指すための作戦は、「上りは歩き、下りはゆっくり走る」を徹底した。歩きは股関節を使って早歩でキロ9分を目指した。下りは、キロ6分を超えないように、またヒザに負担がかからないように走った。
その結果、ヒザは問題なく、下り区間はキロ6分から5分のペースで気持ち良く走れた。初夏の風も快適で、走っていてとても気持ちよく感じた。
コースは日陰も多く、それほど暑くはなかったが、熱中症になってしまうと元も子もないので、ほぼ全てのエイドでかぶり水をして首を冷やした。
持ち物は最小限に。でも水分は携帯したかった
ハイドレを持っていくかどうかは、最後まで迷った。スタート前に回りのランナーを見ると、ザック+ハイドレを背負っている人が1割程度、でも4割位はウエストポーチにスクイズボトルさして持っていた。
私はザック+ハイドレか、小さいウエストポーチのどちらかしか準備していなかった。
それほど暑くなく、またエイドもたくさんあるということで、結局ウエストポーチにジェル2個と携帯電話を持って行き、水分補給はエイドにまかせることにした。これが良かったかどうかは、わかりません。。
過去の経験から、食べないとダウンしてしまうことがわかっているので、エイドではなるべく食べた。おにぎりは、ほとんどのエイドで食べたと思う。さらに、念のためジェル(ショッツとパワージェル)を持って走り、どこかで使おうと思った。結局、下りの高山エイドで使った。これでだいぶ復活したような気がした。
奥武蔵ウルトラマラソン 反省編
完走はしたが、上りは完走とは言えず完歩。奥武蔵ウルトラマラソンに参加したのか、ウォーキング大会に参加したのかわからないような感じ。しっかり練習して、上りもある程度走れるようになってまた参加したい。
途中でトイレに5,6回寄った。熱中症を心配して水分を摂り過ぎたのかもしれない。
上りの途中から、左足の甲が痛くなった。靴の締めすぎかも知れないが、下りがあるのでそのまま走った。結果として、爪への負担は少なかった。但し、東尋坊愛のマラニックで「死んだ」左足第2,3,4指は、状態はそのままだった。
走っていて暑くなるし、飽きてくる。途中のエイドで給水もできるので、小さなフラスク(またはスクイズボトル)に水分を入れて、持って走った方が良い。
ふくらはぎと大腿四頭筋が疲れた。2日経っても歩くと違和感を感じる。比較的平坦なコースを103km走った「東尋坊愛のマラニック」よりもずっと疲れた。アップダウンの練習をほとんどしていなかったためだろう。
いつも思うことだが、「ウルトラマラソンでオールアウトするのは難しい」。今回は、「上りは歩く」という超セーブな計画をしたお陰で、比較的余裕を持ってゴール出来た。その代わり、タイムはそれほど良くない。
ただ、勢いで走りきれてしまうハーフマラソンと違い、ウルトラで走れなくなると、その後がとても辛いしリタイアもちらつく。どこまで突っ込んで行くのかは、練習を重ねて仕上がり状態を自分で把握するしか無いだろう。
奥武蔵ウルトラマラソン まとめ
素晴らしい大会です
アップダウンの多いコースだが、木陰もあり、そして何よりエイドステーションが素晴らしい大会です。
初夏の開催になったことで、完走者が増えると思うし、沢山の人に楽しさを知ってほしいと思います。
鯖街道とオクム
大会の雰囲気は、以前参加した「鯖街道ウルトラマラソン」に似ていると感じました。こじつけると、「東のオクム、西の鯖街道」というところでしょうか。
以前書いたように、どちらも80km弱のコースで獲得標高が2000m近くある過酷なコースです。エイドはランニングクラブが運営している場合が多く、各エイドの特色が発揮されて、ランナーの立場で「かゆいところに手が届く」エイドになっています。
どちらも、山間部を走るトレイルランニングや、平地を長く走るウルトラマラソンとは違うユニークな大会です。鯖街道が以前称していた「マウンテンマラソン」というのが近いような気がします。
来年も「初夏のオクム」になるのなら、6月第1週が奥武蔵ウルトラマラソンでしょう。5月第3週が鯖街道ウルトラマラソンと両方出場するのも楽しそうです。