先日読んだ「ビジネス・ロードテスト」は、「業界と市場は違う」と強調している。趣旨は、「類似の売り手の集まりが業界、類似の買い手の集まりが市場」ということだ。
各々の概念を「業界」または「市場」と呼ぶのが最適かどうかは別にして、売り手群と買い手群を区別する必要はあるだろう。
この考えは、アンゾフのマトリクスで用いられる二軸と同じだ。
アンゾフのマトリクスは、それぞれの軸に対して新規か既存かで分割した4象限で考える。しかし、新規だろうが既存だろうが、製品としての魅力を検討する場合には、自社製品の優位性を考える必要がある。すなわち、「他社を押しのけて採用される」為には、他社に比べて優位性を持つ必要がある。USP(Unique Sales Proposition)というbuzzwordが、これに該当するものだろう。
もうひとつの軸である顧客の面では、顧客の購買決定要因が何かを考える必要がある。すなわち、顧客が購買を決める理由は何か、である。この理由を外した商品は、売れない。「KBF(Key Buying Factor)を考える」のは、顧客軸で事業を見たときの鍵を探るためである。
業界軸をUSPを考え、市場軸ではKBFを考え、それらの総合として該当事業のKSFが導かれるのだろう。