「指導計画と安全管理」に引き続いて、法政大学の鈴木先生の講義でした。
箇条書きで、重要そうなところを抜き出します。
発育発達期の身体的特徴
- 身長の発育 PHV年齢(身長の伸びが最大になる年齢)は女子の方が早い→平均身長が逆転する年齢あり
- 骨格の発育 運動で骨密度は増えるが、過度の負荷で成長軟骨に障害を生じやすい
- 体重の発育 身長と同様。思春期は男女とも男性ホルモンの分泌が増える。
- スキャモンの発育曲線 4つのパターンがある。
- 神経系の発達
- 神経・筋コントロール能力の発達 五感等は10歳までに発達、刺激への版の時間は6~12歳で急激に短縮。
- 筋と筋力の発達 速筋繊維はPHV年齢以降に発達
- エネルギー代謝量は、基礎代謝量の1.65~1.7倍
- 最大酸素摂取量の発達 PHV年齢付近で増える。
発育発達期の心理的特徴
- 運動有能感(達成経験)と運動無力感
- 成績志向的雰囲気(勝つこと重視→運動無力感)ではなく、課題志向的雰囲気(努力を評価)を作る
- 基礎的運動パターン(姿勢制御、移動、操作)は7歳頃までに全て修得する
- 内発的動機(遊び)で楽しみを感じる ⇔外発的動機(褒められる、仲良くする等)
発育発達期に多いケガや病気
- 成長軟骨が伸びると筋が硬くなる。柔軟運動をしっかりする。
- 年代別のケガと部位
- 15歳以下は転倒や受けそこない、16歳以上は衝突が多い。
- 10歳までは骨折、創傷、捻挫、打撲が多い。
- 15歳までは骨折、創傷、捻挫
- 20歳までは捻挫打撲、骨折が多い。
- 中学生以下は手・指、足関節が多い
- 高校生以上は足関節、手・指が多い
- 内科的障害:スポーツ喘息は比較的多い。加湿と保温が必要。
- 燃え尽き症候群:回復は難しい。普段から心理的な余裕を持ち、過度の競技性を求めない。
- 子供は自分で身体症状を正確に表現できない場合あり。バイタルサイン(呼吸、脈拍など)に問題がなければ緊急でない。
発育発達期のプログラム
- 一貫指導は重要
- 試合の勝ち負けに固執しない
- プレ・ゴールデンエイジ(5,6~8歳)は神経系の発達が著しい、運動浪費と、それによる随伴運動が発生する。集中できないため、多様なトレーニングが必要。
- ゴールデンエイジ(9~12歳)幅広い種目の経験。持久力。速筋繊維の向上、より早く、より強く。考えながら練習
- ゴールデン・エイジ以降 専門的技術のトレーニング
- 性差に応じたトレーニング 女子への配慮が必要
まとめ
自分の力で成功できることがスポーツが好きになること、そして生涯スポーツ好きであること