伊南川100kmウルトラ遠足 旅行記の続きです。いよいよ当日です。
前日の移動の模様は、こちらに書きました。
スタートまで
2時半起床
大会当日は、予定通り2時半に起床。準備をして、3時過ぎに朝食です。
お餅が2個ついた、スペシャル朝食。ご飯もおかわりして、プチカーボローディングです。
部屋に戻ると、先程までランウェアだった同室のIさんがジーンズに着替えていました、「体調が悪くてキャンセルする」とのこと。ここまで来て止めるのは重い判断だと思いますし、それが出来るのは素晴らしいです。
会場に着いた
車で送ってもらって、会場に入ったのが4時ころ。中間点への荷物を預けて、支所の2階で暖を取ります。
周りでは、「今年は暖かいね」の声。雨具を着てスタートする予定でしたが、すぐに暑くなるだろうと、Skins長袖にTシャツのままとしました。但し、沼山峠の気温が読めないため、雨具はリュックに入れていきました。でも、手袋はすぐに脱ぐことができるので、はめて走り出すことにしました。
ギリギリまで建物に居て、5分前にスタートに向かいます。
スタートから、沼山峠まで
ゆるーいスタート
アナウンスは、「いつスタートになるのか、誰も判りません」と言っています。どうやら、ポン菓子が破裂する時がスタートとのこと。たしかに、これでは判りませんね。
定刻の5時の2分くらい前に「ポン」という音が。予定より早くスタートです。
せっかくなので、まだ味を付ける前のポン菓子をもらってきました。
スタートは、真っ暗です。ヘッドライトとハンドライトが役に立ちます。でも、30分も走ると明るくなってきました。
国道に合流すると、雪よけのシェードがあります。ここは歩道が一段高くなっています。また、一人分の幅しかありません。
「後半、この高さが負担になるのだろうなあ」と考えながら、前の人に付いて走りました。
第1エイド:内川(6.2km)
最初のエイドは6.2km地点の内川です。会津高原駅方面への国道との分岐点で、復路との合流点でもあります。
ポカリや水、飴などが置いてありました。
トイレに行きたくなり、並びます。並んでいるとさらに催してきて、個室の空きを待ちました。
もともとゆっくりペースだったのですが、気づくと周りに人がいません。まずい!と思い、そそくさとスタート。この時点で、予定より15分遅れです。
周りはすっかり明るくなり、6時の防災無線が聞こえます。気温は8度。手袋はしていましたが、寒くありません。
走って風景が変わるたびに、素晴らしい紅葉が広がります。その都度、立ち止まって写真を撮っていました。本当に素晴らしい紅葉でした。
朝日が西側の山に当たると、真っ赤に燃えた紅葉が本当に素晴らしい! 周りに人が少ないので立ち止まっても迷惑にならないので、写真を沢山撮っていました。
第2エイド:大桃(11.5km)
大桃エイドは、国道からそれたところにあります。「りんごもあるよ」とわざわざむいていただき、おいしく食べました。
スキー場の脇から再び国道に合流します。川を渡る橋も高さが有るため、眼下に紅葉が広がります。なんとも言えない景色です。
第3エイド:駒の茶屋(17.0km)
3番目のエイドは、駒の茶屋のドライブイン。トマト、バナナ、チョコなど豊富です。
この先、なが~いスノーシェードがあります。周りの景色が見えないので、飽きます。
第4エイド:アルザ尾瀬の郷(23.1km)
スノーシェードをぬけるとと4番目のエイド「アルザ尾瀬の郷」です。
ここは、往路も復路も通ります。そのため、エイドは右側に設置してありました。
ここまでは谷の間の道を進んできましたが、檜枝岐村の中心部に入ってきて、すこし開けました。
道端のお墓を見ると、平野さんと星さんが多いようです。後で調べてみると、「平野」「星」「橘」の3つの姓で90%を占めるそうです。
福島県観光交流局観光交流課のページより↓
星さん、平野さん、橘さんの村「檜枝岐村」
檜枝岐には星、平野、橘の姓が多く、その三姓で90%以上を占めています。平家の落人説が残る村には独特の郷土料理や方言が残り、魅力が溢れており、日本一人口密度が低い村でもあります。檜枝岐の歴史を知るには歴史民俗資料館がおすすめ。
「裁ち蕎麦」という看板もあります。布を裁つように切るので裁ち蕎麦、というそうです。
第5エイド:ミニ尾瀬(26.1km)
ミニ尾瀬のエイドへの到着は、8:30過ぎです。普通の観光客が犬の散歩をしていたりして、のんびりした雰囲気です。
有名な山岳写真家の白簱史朗さんの美術館もあります。
ここから、ほんの少し傾斜がきつくなります。ですが、走っている時は、それほど感じませんでした。
第6エイド:七入(30.1km)
七入のエイドでは、ハムがありました。これが美味しい!ほかにも、トマトやレモン、バナナもありました。
ここで、ゼッケンに丸印を書いて、通過確認をしていました。
七入からは、山道の登りが続きます。エネルギー補充のため、ショッツを1つ補給。気のせいか、少しは元気が出ます。
橋を渡って左折すると、砂利道になります。しばらくは並走出来る道ですが、そのうちに山道になります。
走れそうな道ですが、国立公園なのでラン禁止。あるくだけです。
何回か沢を橋で越えます。見事な景色が広がります。
35km地点を越えると、抱返しの滝の分岐点です。ここから急になるということですが、ここまでも結構急でした。
ここまでの山道は、歩幅は狭くてもピッチを確保することで登ってきましたが、最後の登りはかなり急なのでピッチが落ちてきます。登り切って、勾配がゆるくなって、再度の階段をのぼると、最高地点の沼山峠です。
沼山峠からゴールまで
第7エイド:沼山峠(36.5km)
登り切ったところで、ゼッケンチェックがあります。登り口の七入と頂上の沼山峠の両方でチェックすることで、山道でロストした人を見つけるのでしょう。
登りの途中から小雨が降ってきましたが、沼山峠でも小雨。体が冷えます。
トイレに寄って、コーラを頂きます。 この先10kmの間エイドがないとのことで、500mlの水のペットボトルを受け取ります。
この先は下りなのでラク、と思って走り出しましたが、思うように走れません。緩い登りは歩く様になってしまいました。
もう少し走れるはず、とちょっともどかしく感じながら、でも無理をすると先が思いやられる、と考えて歩きました。
眼下に素晴らしい紅葉が広がり、また、周囲の紅葉もすごい。雨も上がり、あちこちで写真を撮ります。
頭上は、ヘリコプターが何度も往復しています。尾瀬への物資輸送でしょう。
手元のGPSで距離を把握し、「まだかなあ」と走っていると、ゲートが見えてきました。沼山峠へはシャトルバスしか走れません。そのためゲートがあります。ということは、御池エイドに到着です。
第8エイド:御池(46.5km)
御池エイドでは、保温ケースに入った、暖かいおにぎりがありました。これは予想外! パクパクと頂きました。
この辺りからスポドリが受け付けなくなってきたので、水を飲みます。また、バターたっぷりのクッキーも頂きました。
トイレに寄って、ちょっと復活。次の七入エイドまでは6.5kmと長く、なかなか出発出来ませんが、後ろ髪を引かれるようにスタートしました
御池エイドから先は、2車線の舗装された国道で、車も通ります。でも、沼山峠からの道よりも下りの勾配が急です。
小雨も止み、晴れてきました。
相変わらず紅葉が見事なので、立ち止まりながら写真撮影。何も考えずに下ります。
この辺りでは、ランナーもまばらです。抜かしたり抜かされたり、というのがほとんどなくなりました。
第9エイド:七入(53.0km)
七入エイドに戻ってきました。ここでは豚汁とおにぎりを頂きます。また、預けていた荷物を受け取ります。
日陰に椅子を移動させて、座って休憩しました。
七入エイドにはウェアやシューズの替えを預けていましたが、とくに問題ないのでこのまま行くことに。
食べたり飲んだり、そしてまた食べたりで、エイド滞在時間や25分になりました。晴れていてきもちよく、このままここで昼寝でもいいかなあ、と思ったくらいでした。
荷物の中から追加のジェルを補給し、ウェアやシューズは未使用のまま再び預けます。気合を入れて再スタートです。
七入エイドの出口は、川沿いの砂利道ですが、すぐに国道に合流します。
ここから第二の峠までは往路と同じ道を戻ります。
朝よりも太陽が高くあがっているので、周囲の景色が違います。
ゆるやかに下ります。でも、歩いたり走ったり。余りペースは上がりません。
第10エイド:ミニ尾瀬(57.0km)
ミニ尾瀬のエイドで、再びトイレへ。お腹の調子が悪いのかなあ。
既にだいぶ遅れているので、余り滞在せずに、先に進みます。
次のエイドまでは3km。檜枝岐の町中を通過します。登りは歩き、下りは走ります(走れます)。
第11エイド:アルザ尾瀬の里(60.0km)
アルザ尾瀬の里のエイドに到着。「この先は峠なので、チョコを持って行って」とアドバイスを頂きます。
この時点でかなりギリギリでした。エイドの閉鎖時刻が15時ですが、到着したのが14時半です。
大会は関門がありませんが、ギリギリでゴールするための目安が、各エイドの閉鎖時刻です。
このままずるずると遅れると制限時間に間に合いません。まずは、目の前の登りを早足で進むことにします。
エイドを出て少し進んで右折すると、いきなり登りになります。舗装道路ですが、車は滅多に通りません。
ピッチを保って、早足で進みます。 次のエイドまでは6.5kmありますが、両側に紅葉の山が迫っていて、きょろきょろしながら走っていると余り飽きません。
いくつかのカーブを過ぎたら、次のエイドが突然ありました。
第12エイド:岩筍橋の上(66.5km)
ここの滞在時間もなるべく少なくして、再スタート。ここで登りが終わりかと思いましたが、まだ続きます。
眼下に素晴らしい紅葉を眺めながら、早足で登ります。しばらくすると、トンネルがありました。やっと、登りが終わりです。
トンネルの中は真っ暗。ハンドライトが必要でした。
あとは下りです。御池からの下りと同じくらいに、かなり急です。ゆっくり走りながら下ります。たまに歩きます。
第13エイド:道路脇(72.3km)
急なヘアピンカーブの下りを何回か通過するとエイドがありました。
なんと、焼き肉が!食欲はだいぶ落ちていましたが、しっかりいただきました。
第14エイド:木賊温泉(77.3km)
次は、木賊温泉のエイドです。ここが、77kmです。全体の3/4が終了し、残りは1/4、たった(?)25kmしかありません。
エイドは道の右側にあります。反対側にはお店が有ります。好きな飲料を買っているランナーもいました。
木賊温泉エイドで、予定より10分遅れまで回復しました。登りがキロ10分で計画したのに対し、キロ9だったのが大きいかもしれません。
木賊温泉は、歴史ある温泉です。右側の坂を下って行くと、川べりに露天風呂があります。残念ながら入浴する時間はありませんでした。
次のエイドまでも6.2kmと、長めの区間です。
この先は、ゆるい下りです。だらだらと下りますが、歩いたり走ったり。走る時はキロ6分近く、歩くときはキロ9分。
歩きと走りを半分ずつにすると、予定のキロ7分半になります。これを目安に進みます。
だんだんと暗くなってきました。トンネルで使ったハンドライトを再び使います。ライトを手に持つので、腕振りをするたびに光軸が揺れます。
第15エイド:河村邸ログハウス(83.5km)
河村邸ログハウスのエイドでは、ほぼ予定どおりの時間まで戻せました。すでに、「キロ10分」で進めばゴールできます。トラブルがなければ、ゴールできる安全圏です。そうとわかると、気持ちが楽になりました。
ここからは、ヘッドライトを装着します。ハンドライトと違い、走行中の光軸のブレがほとんどありません。そのため、疲れ方が全然違います。
エイドを出ると、すぐに国道のT字路にぶつかります。交通量が多いかと思いましたが、それほどではありません。
また、周りに民家もありません。
車が通ると明るくなりますが、それ以外は自分のライトだけが頼りです。そして、先行しているランナーのライトが、ぽつんと光っています。
暗いので、距離感がありません。そのため、意外と早く走れる感じです。
途中で、宿泊している「ももたろう」さんの脇を通過します。このあたりが85km地点です。
第16エイド:内川(88.6km)
檜枝岐村方面への合流点が、88km地点の内川エイドです。既に真っ暗で、ヘッドライトが頼りです。
到着したのが18時半。この時点で、ほぼ予定通りになりました。あと12kmを2時間半で進めばよいので、止まらなければゴールできます。
トイレには、もう誰もいません。往路のトイレ混雑が嘘のようです。
ちょっとのんびりして、再び出発。真っ暗な道の右側を進みます。
途中、前後に誰もいなくなりました。ヘッドライトの明かりを消すと、頭の上には星空が! それも、見たこともないような満天の星です。
しばらくぼーっとしていました。 残念ながら、写真はありませんが、すごくきれいだった!
「ゴール会場を脇に見て進むよ」と言われていましたが、確かにその通りでした。まだ、ゴールまで5,6kmあります。今ゴールしているのは、1時間近く早く走っていたランナーでしょう。
「食べてください」と、飴をもらいました。暗くて寒いい中、またランナーがまばらで応援も大変でしょう。感謝しています。
第17エイド:道城公民館(95.8km)
最後のエイドは、道の左側にありました。コーラを頂きます。
残り4km少しで、19:30過ぎでした。キロ7分で走れば8時にゴールできそうです。
タイムはどうでも良いと思っていましたが、キリの良い数字は欲しくなりました。
後ろ髪をひかれる思いでスタート。前に進みます。
この先は橋を渡って戻るルートですが、なかなか橋が出てきません。やっと、正面に赤いシグナルが見えてきました。
ここを越えて対岸に渡ると、再び市街地です。ここでも、暗い中応援している方が居ました。ありがとう!
少し走って、右に曲がると砂利道の上りです。転ばないように、慎重に歩き走りします。こんなところにも応援が居て、本当にうれしくなります。
ゴール!
砂利道を下って橋を渡ると、もうすぐゴールです。係員にゼッケン番号をコールしてもらい、写真撮影のためにヘッドライトを外して無事にゴール! 楽しかった! たっぷり15時間楽しめました。
計測用のチップを外して、最初に聞かれたのは「お茶にしますか?ビールですか?」
うーん、と考えて、お茶をもらいました。その後、受付でもらった500円お買物券で生ビールをゲット!
うまかったです。
すぐに記録証とゴール写真を頂きます。15時間2分。。あれ?20時に間に合わなかったか、と思ったのですが、ポン菓子の破裂がスタートの合図だったため、スタートが5時より早かったのを思い出しました。
まあ、いいでしょう。
走り終わって、汗が流れだします。日中より気温は下がっているはずですが、それでも暑い。走るのにはベストコンディションでした。
ずっとGPSを測っていたスマホも、なんとか電池が持ちました(途中で万歩計機能と通信機能は止めました)。宿に電話して、迎えに来てもらいました。
宿に戻る車中から、まだ走っている人の応援をします。まだまだ、粘ってください!
宿に戻ると、同室のIさんがいました。「午後から体調が戻ったので、車で御池まで行って、沼山峠から走って下ってきた」とのこと。さすがです。
広い湯船につかって、夕食を食べて、就寝。たっぷり楽しめた一日でした。
つづく
伊南川の楽しい旅は、続きます。「翌日編」をお楽しみください。