2007年6月アーカイブ

前半では、日本企業の低収益の原因が「戦略がない」ことに拠ることを各種データを使って説明している。例えば、米国企業と比べると以下の傾向がある。

  • 日本企業は、好況時は流れに任せて無策、不況時は課題を先送りして無策。そのため、全般的に低収益となる「慢性低収益症状」。
  • 米国企業は突飛な戦略により一時的に低収益に陥ることもある「急性低収益症状」。

後半では、日本企業のヒトの状況に触れつつ、「ではどうするか」を簡単に示している。

  • 事業の責任を負うがゆえに戦略を担うべき事業部長が、「管理職」になっていて「経営職」ではない。事業部長職の任期の短さ(平均2年弱)や、将来の検討ではなく過去の反省から来る運営を行う為だろう。
  • 日本は、現場からたたき上げた最強の職能部長(=管理職)を作るシステムには長けている。しかし、経営職を作るシステムは皆無だ。
  • (参考) 経営職は長期収益の上限を定め、管理職は収益の下限を管理する。経営職は明日に立ち向かい、管理職は今日を保証する。
  • 米国型のMBAスクールは経営職を育てるには最強だが、副作用(エリート意識、現場無視)も強い。


「考具」の著者が、企画を生み出す「アイデア会議」(企画会議ではない!)について書いた本。「考具」と同様、著者の実体験が豊富に入っています。表紙も、どこと無く「考具」に似ているし。

本から気づいたところを抜書き。

  • 企画会議(企画をプレゼンして選ぶ会議)の前に、アイデア会議(企画に盛り込むアイデアを決める会議)が絶対に必要!
  • いいアイデアを見つけるに必要なのは、膨大な選択肢。
  • アマチュアとプロとの差は選択肢の数。
  • アイデア会議は手ぶら厳禁。必ずアイデアを持ち寄る。
  • ディレクター(=決める人)は、自分のゴールイメージと今のアイデアのギャップの感覚をつかんでいたい。
  • ディレクターの直感はかなり正しい。逆に言うと、その直感がないとディレクターになれない(仮になったとしても企画が通らない)。
  • 「面白さ」と「筋が良い」のは背反かも知れない。でも両立したのが「コア・アイデア」。
  • 筋が良いコアアイデアは、
    1. クライアントの課題を解決し、
    2. クライアントの文化や風土とマッチし、
    3. 社会と調和していること

「Google のエンジニアはどうやって開発しているのか?」について、Google Developer Day Tokyoのプレゼンから書き起こしたブログ(へ?たのめも)がありました。Thanks!

そこから更に抜書き。

Google のソフトウェア・ライフ・サイクル
  • 基本的にボトムアップ。エンジニアが「こういうのがやりたい」と思ったら、人を募ってプロジェクトにしていく
  • 売れるかどうかは考えない。それがたくさんの人に使ってもらえそうかどうかが大事。社内のデモ・サイトで使われなかったり、Google Labs で人気が出ないヤツはまずダメ

ニーズを捉えて商品化せよ、と良く言うが、それはニーズが明白な追従商品だけ。今までに無い商品は、シーズベースで「できるモノ」を提供し、その効用のプロモートも一緒に提供する必要があるのでしょう。

GoogleトランジットのPC版を使ってみた。一般の経路選択ソフトと違って、

  • 駅名だけでなく、住所で検索可能
  • 経路をGoogle map上に描画する
と機能多彩だ。

主に大学の学部生に向けて書かれた「戦略」の解説本。荒川静香や、浜崎あゆみなど身近な例で戦略を解説する。また、「ブルーオーシャン戦略」などの最近のトレンドについても、ざっと要約しているのも便利。

ただ、「戦略」について身近に感じてもらおうとするあまり、例もしくはルビが語り口調であるのが読んでいて気になった。私がすっかり年を取った^^;というのもあるかもしれないが、本書の手法は、著者の意図とは逆に論点をぼかし、読みにくくしてしまっているような気がする。

学生または卒業して間もない人にとっては、企業の戦略を考えるための格好の入門書になるだろう。

Print 2.0

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「2.0」が流行っている。HPは、「Print 2.0」を発表した(英文のプレスリリースは、こちら)。
ITmediaの日本語記事によると、「Print 2.0」は以下が特徴だと言う。

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