少し前に流行語になった「パラサイト」。本書では、20代ではなく、「ミドル」、即ち40代後半の「パラサイト」の課題を提起している。副題は、「サラリーマン45歳の憂鬱」。
著者は、日本のサラリーマンは45歳を超えると会社に寄生していると指摘する。終身雇用や過去の功労としての退職金や役員のポジションがそれを支えているという。
そして、従来の成長の減速と共に、パラサイトミドルを支えることが出来なくなってきている点を指摘し、社会の多様化の中でパラサイトミドルは道を見出すべきだと言う。
タイトルが新鮮だったので読んでみたが、特に「ミドル」と限定する内容でもないのではないか。パラサイトな人は年代を問わず存在すると思うし、それらの人が持つ「あきらめ」に近い感覚も共通に思われる。強いて言えば、「ミドル」はある程度の権限(と、義務)があるように「見える」のにもかかわらず、パラサイトしているのが課題なのだろうか。
著者はいろいろとパラサイトの解消方法を書いているようだが、いまいち腑に落ちない。自分が周囲によって生かされていることに感謝し、何を社会(地域社会、企業社会、Web社会など)に貢献できるかを考れば、自然とパラサイトではなくなると思う。
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