米国のISPに対し、顧客の行動の記録データ保持が義務付けられようとしている(cnetの記事から)。
ISPに対するデータの保持が義務付けられれば、警察は、ユーザーが送受信した電子メールの内容、閲覧したウェブサイトの履歴、チャットルームでの会話内容といった、通常は数カ月後には廃棄される記録の入手が可能になる。
「通常は数ヵ月後には廃棄される」ということは、現状では「電子メールの内容、閲覧したウェブサイトの履歴、チャットルームでの会話内容」が数ヶ月間にわたって保持されているこということか。なんと! せいぜい、接続日時と接続場所程度かと思った。既にこれらのデータ合法的に、かつ合意を得て取得されているのであれば、保管期間が無制限になってもたいした問題にならないだろう。
だが、
しかし、データ保持の義務付けに対する関心が米国内で高まるきっかけとなったのは、同年12月に欧州議会でISPにデータ保持を義務付ける法案が可決されたことだったようだ。
とあり、EUでは、
事業者は今後、通話日、通話先、通話時間などの情報を6?24カ月間保存し、必要に応じて捜査当局に公開することを義務付けられる。ただし、通話や通信の具体的な内容は保存されない。情報の保持にかかる費用は各サービスプロバイダが負担する。とのことなので(cnetの記事)、EUと米国は取得するデータが全く異なる。EUデータは、通話内容は保持されていない。「EUはISPに対して無制限期間のデータ保持を義務付けた。では米国も同調する」という論調は当てはまらない。
これらデータをマイニングし、犯罪履歴データベースなどと掛け合わせることにより、「××というサイトを見る人は犯罪を犯す確率が高いから事前に予防しよう」などは技術的に可能だろう。だが、データの加工には恣意性が入りやすい。データの扱いには衆目の監視が必要だろう。
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