API公開の利便性と安全性

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GMOが証券会社を立ち上げ、そのAPIを公開するそうだ(cnet記事)。
grooveさんがcnet読者ブログ「More Interactive E-Commerce ECサイト、ネットショップの標準規格を考える」で書かれているように、
APIを公開することで、証券サイトの売買画面にこだわらず、独自の売買画面や、売買ツールを制作することが可能となるそうです。
すでに公開されている Google、Yahoo!、Amazon、はてな などのAPIと組み合わせたマッシュアップツールも多く登場してくるに違いない。
という期待はある。

APIを真っ先に公開したAmazon.co.jpは、いまや、各所でAmazon Web Serviceを利用した書籍の注文ページを見られるようになった。goodpic.comを運営されているjkanekoさんが「Amazonアフィリエイトの5%は超優良書店? リアルとネット書店の収益構造の分析」として書かれているように、在庫リスクを全く持たずに仮想書店を開くことすら可能である。同様に、ネットの各所にGMO証券への入り口を増やす目的で、API経由で証券会社にトラフィックを引っ張っていったことによる手数料支払いを行うことも可能かもしれないし、そうすればアフィリエイターが激増するだろう。GMOも、APIを利用してツールを作る人も、それを使う人も、みんなハッピーになる構図を描くことは出来る。

だが、API公開によるシームレス化は、デメリットもある。フィッシングなどの詐欺が行われやすくなるのではないか、と危惧する。
APIが完全非公開であっても全く同じルック&フィールを持つサイトを作ることが出来るため、フィッシング詐欺が発生した。APIを公開し、証券会社との取引を行う画面が千差万別となれば、どれが本物かの見分けは非常に困難である。証券会社で扱う品物は、本やCDと比べて、大変高価である。利便性と安全性はある意味相反するかもしれないが、それを両立させる手段を講じて欲しい(もしくは、利便性と安全性とのバランスを理解している人のみ使って欲しい)と思う。

* * *

「GMO証券のお墨付きマーク」制度を導入して、このマークがあるサイトはAPIを正しく使用している、等というのは面白いかもしれません。マーク認定ビジネスも立ち上げられるし(Verisignあたりが狙っているかもしれませんが)。

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このページは、thikが2006年4月19日 01:37に書いたブログ記事です。

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