冒頭、著者は、
『君主論』の「君主」を「社長」に、「国家」を「社会」に置き換えて読めば、そのまま超実践的なビジネス書になるのであるという。
社長は企業を成長させるのが目的である。このためには、非情さや明快さが必要だと説く。他にも、権限委譲の必要性など、企業成長の肝をしっかり指摘している。
たとえば、軍隊だとか自国民の武装といったその時代特有の要素を、会社における資金調達や権限委譲といった要素に置き換えることが要求されるというように、著者が「『君主論』から『社長論』への読み替えコード」について若干の工夫を行ってはいるが、組織運営についての勘所については古今東西変わっていないのだなと感じた。
中央公論への1年にわたる連載をまとめただけあって、各章ごとに独立している。少し空いた時間に、気分転換として読むのも面白い。
目次
会社の存亡がかかっているとき、リストラの手段は目的によって正当化される
大リストラは、一回だけ、一瞬にしてやり遂げよ
合併は社風の相違を第一に
合併するならワンマン経営の会社を狙え
傭兵軍(間接金融)について
外国支援軍(第三者割当増資あるいは株式譲渡)について
自国軍(ストック・オプション)について
みずからの力量によって君主(社長)となったケース
他人の武力や運によって君主となったケース
悪辣な行為によって君主となったケース〔ほか〕
社長のためのマキアヴェリズム | |
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