原題は「What Really Works : The 4+2 formula for sustained business success」。
著者らは、「エバーグリーンプロジェクト」として、各種企業を比較し、成功のための必須要件を見つけようとした。
「エクセレントカンパニー」が成功者から学ぶべき成功の秘訣を、「ビジョナリーカンパニー」が成功者と失敗者を比較して成功の秘訣を、それぞれ見出そうとしている。が、本書の著者は、勝ち型企業と負け型企業の比較に加えて、上昇型企業と下降型企業にも注目している。
勝ち型の企業だけを(分析に)使うのでは、限られた分析しかできない。負け型企業だ同じ方式を採用していてもわからないのだ
(「ビジョナリーカンパニーのように」)平均的な業績を上げている企業や負け型の企業を対照群として、勝ち型の企業を比較する研究もある。このアプローチは業績の良い企業だけを対象としたものよりはましだが、原因と結果の区別が付かない。勝ち型企業が採用している方式が、本当に優れた業績を生む要因なのかわからないのだ。例えば優秀な従業員をひきるける組織の力が、優れた業績を生む大きな要因なのだろうか。そろておも、優れた業績に優秀な従業員がひきつけられるのだろうか。
そして、著者らの分析結果では、優れた企業には4つの必須要件と4つの補助要件(うち2つは必要)が存在することがわかった。
4つの必須要件は、
- 明確で、目的を絞り込んだ戦略を立てる
- 顧客を失望させない業務遂行
- 実績主義の文化を築く
- すぐに動けて、下位層の少ない組織構造を作る
であり、
4つの補助要件は、
- 優秀な人材をつなぎとめ、さらに育てる
- リーダーと取締役を業務に積極的に関わらせる(リーダーシップ)
- 業界を一変させるイノベーション
- 合併と提携による成長
である。
本書は、以上の要件を満たす(もしくは満たさない)典型的な企業(例えばK-mart)について、説明をしている。
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他の新規事業本に比べて、「人」(リーダーシップ、人材)の役割が若干下がって、オペレーションの重要さ(組織、業務遂行)が高いのが特徴。対照とした企業群が、株式時価総額が1億ドルから60億ドルなので、かなり成長した後の企業(少なくともスタートアップではない)ためだろう。だが、「戦略」はどんな企業にとっても重要であることは改めて感じた。
ビジネスを成功に導く「4+2」の公式 | |
ウィリアム ジョイス ブルース ロバーソン ニティン ノーリア おすすめ平均 日本人には理解しづらいかもしれません それができれば・・・ 面白い bad title, ok book Amazonで詳しく見るby G-Tools |
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