副題は「走りながら考える新経営戦略」。べリングポイントのディレクターである著者が、アメリカの農場を舞台にして物語風にまとめている。
各章の後に解説があるが、日本の企業をコンサルしている著者ならではの気づきに納得した。
面白かった点は、以下。
- ビジョンとあるべき姿は違う。あるべき姿は都度変化する可能性がある。
- 大まかな(ハイレベルな、と著者は言う)計画を立てた後、詳細な計画は3か月分で十分。3ヵ月後のあるべき姿に向かって走り、それが達成できなければ計画を修正する。ドッグイヤーといわれたころは6週間で見直すことも行っていたが、3ヶ月程度が妥当だろう。
- 計画を修正する際には、3つの案(+「3案のいずれも行わない」案)を用意し、意思決定を行う。
- 計画通りに進まないのが当然。計画は変えるべきもの。それに対し、ビジョンや目標は、ある程度固定する。
- 計画に全力を投入しない。実行に余力を残す。
- マネジメントは計画全体を承認しない。3ヶ月ごとに承認をする。
なるほどなあ、確かに計画立案と、そのネゴシエーションに力を注ぎ、計画の遂行は二の次になっているなあ、と思った。実行時と計画時は状況が変わっているのが当然であり、綿密な計画を立てるよりも、判断点と修正可能な計画(とマンパワー)に重点を置くべきなのだろう。
明日生まれる卵はいくつ?―走りながら考える新経営戦略 | |
ベリングポイント 増川 稔浩 おすすめ平均 新時代のポートフォリオマネジメント 楽しめました どーも、計画通り、物事が進まないなぁ、と思っている方へ 新たな経営管理手法として注目される「ローリング・フォーキャスト」のコンセプトをわかり プロジェクト管理方法の基本的な考え方を収得する入門書 Amazonで詳しく見るby G-Tools |
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