明日は誰のものか - Seeing What's Next -  第1章

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クレイトン・クリステンセンの、「イノベーションのジレンマ」「イノベーションへの解」に続く著書。次に何が起きるかを見通す為に、著者が提案する各種イノベーションの理論を適用可能であることを示す本。

第一部は、著者が提唱する理論の復習と、その適用の仕方について述べる。第二部では、理論の適用先について、教育、航空(運輸)、半導体、通信、ヘルスケア、および国家について述べる(いずれも、著者がコンサルテーションを行った業界だろうと推察する)。

まず、第一部の第1章「変化のシグナル- ビジネスチャンスはどこにあるのか」を読んでの感想は、「大変難解だな」。第1章は、過去の2冊の著書の復習のはずだが、それにしても難しい。訳者が変わったせいか。時間があれば、積んだままとなっている原著に目を通してみたいと思う。

1章の重要な点は、以下(前著を読んでいるthikの主観および理解不足が混ざっていることに注意)。

  • 顧客には、非消費者(non-consumer)、満足度不足の顧客、満足度過剰の顧客、の3つに分けられる。
  • 非消費者は、(新市場型)破壊のイノベーションの適用があり得る。そのためには、
    • 資金やスキルが無い人に、適用可能か
    • 楽に、効果的に適用可能か
    の2つの判断項目にパスする必要がある(「イノベーションへの解」 2章の復習)
  • 満足度不足の顧客に対しては、漸進的イノベーションおよび急速的イノベーションが適用可能である(注:前著での「持続的」イノベーションが、漸進的・急速的の両方を指すのか、それとも漸進的のみを指すのか、理解不足)。(垂直)統合型企業は、いずれのイノベーションも得意とする。
  • 満足度過剰の顧客については、
    • ローエンド形破壊
    • (モジュール化による、水平分業型)スペシャリティの参入
    • 標準とルールの制定による、新規プレーヤの参入
    のパターンがあり得る。(注:2番目と3番目の違いが不明確。2番目は単なる水平分業型で、3番目はサブモジュールに利益が移動することを言っているのか?)

また、非マーケット環境として、政策・規制の変化など、およびその変化を起こそうとしているプレーヤ(政府自身を含めて)の動向などがある。

最後に、クリステンセンは、変化のシグナルをとらえるための設問を5つにまとめている。以下の通り。

  • 業界が抱えている顧客はどんなことをなし遂げようとして苦労しているのか。顧客は、現在の製品やサービスの恩恵を受けていないのか、満足度不足なのか、それとも満足度過剰なのか。 顧客獲得のために、企業はどのような側面を重視して競争をしているのか。
  • 過去、どんな進歩のおかけでプレミアム価格がつけられたのか。
  • 統合的なあるいは専門的なビジネスモデルが今でも幅を利かせているのか。インターフェースは具体的か、検証可能か、そして予測可能か。もしそうなら、どこでモジュール化か進行しているのか。
  • 新たなビジネスモデルが出現しているのはどこか。周辺のマーケットでは成長が認められるか。
  • 政府あるいはその規制当局は、イノベーションを奨励したり、あるいは抑制したりするために、どんな役割を演じるのか。
明日は誰のものか イノベーションの最終解
4270000716クレイトン・M・クリステンセン スコット・D・アンソニー エリック・A・ロス

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このページは、thikが2006年1月11日 00:45に書いたブログ記事です。

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