携帯電話はどこに向かうのか:契約数9000万件を突破

| コメント(0) | トラックバック(0)

携帯の契約数が9017万件に達したとの報道があった。日本の人口(1.3億人弱)の70%程度である。一人で複数の契約をしている場合もあるので一概には言えないが、物心がついている年齢の半数以上は携帯を契約している勘定だ。契約件数の上では成熟してしまったように見える携帯電話は、どのような成長を遂げるのだろうか。

一見ほとんどの顧客の要求を満足してしまったように見えるが、実は「いつでも(=長時間電池の実現)」「どこでも(=圏外をなくす)」という基本機能についても、満足していない顧客は存在する。もちろん、カメラや音楽などの付属機能(付属と言えないかもしれない)についても、「よりクリアに」という要望があるだろう。既存の電話会社は、このような「もう少しお金を払ってもいいから、改善して欲しい点がある顧客」を「ARPUを増やすため」と称して狙うのだろう。クリステンセンの理論通りだ。事実、NTTドコモの06/3月期中間の説明会の資料(pdf)では、ARPUやMOUの増加を事業好転の証拠として捉えている。

一方、新規参入企業は、ARPUが低くても良いから、経費を安くする手法を採るかもしれない。また、ドコモやauとは違った収益モデルを探すこともあり得る(VodafoneとYahooがMVNOに回線を貸し出すという記事が日経に載っていた)。

このように、数字の上では飽和しているようにみえて魅力のなさそうな国内携帯電話市場だが、展開方法を検討することによって、まだまだ面白そうだと思う。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://thik.jp/MT-5.2.8/mt-tb.cgi/694

コメントする

このブログ記事について

このページは、thikが2006年1月12日 00:28に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「明日は誰のものか - Seeing What's Next -  第1章」です。

次のブログ記事は「携帯カメラで英和辞書」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。