「型はまり経営」のすすめ 時代に左右されないビジネス原則12

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原題はThink inside the box.
「資本主義下での経営の原則は、従来から変わらないはずである。ドットコムバブル等があったが、それらは原則をはずれていたために生じた物である。再度、基本に立ち返ろう」と言う主旨の本。序盤で、ゲイリーハメルの「リーディング・ザ・レボリューション」をこき下ろしたり(この本、また読みたいです)など、著者は「現代の」経営(ニューエコノミーとも言う)に懐疑的である。

だが、規模の効果が大きく効く「ネットワーク外部性」の事業が増えて、「今年は赤字だけど来年は大きく黒字になり、以降は市場を独占する」という可能性が増えてきているのは間違いない。そして、そのリスクを知りながらあえて冒す出資者が存在する。原則は普遍だが、原則に基づく戦術は変化しているはず。本書で原則を再確認したら、それをふまえて行動すればよいと思う。
誰もしないことに、最大のビジネスチャンスがあるはずだから。


(参考)12の原則は章立てに表れている。以下のとおり。

  1. 「基本」の型・経済の原則は永遠に変わらない―「ビジネスが変わった」という文句に踊らされるな。
  2. 「利益」の型・稼げなければ話にならない―「いずれ利益が出ればいい」では甘すぎる。
  3. 「資金」の型・金が尽きたら事業はもたない―資金繰り難が起きてからでは遅すぎる。
  4. 「コスト」の型・売上はコントロールできない―売上増加を祈るより、コストを削減せよ。
  5. 「顧客重視」の型・お客さまは神さまだ―売りたいものではなく、顧客が望むものを提供せよ。
  6. 「マーケティング」の型・生産・販売活動を方向づけよ―広告代理店を雇って済ませてはならない。
  7. 「買収」の型・設立するより買収せよ―買えるものなら一から作る必要はない。
  8. 「人事」の型・会社の力は従業員次第―職歴・技能ではなく、個性を見て採用せよ。
  9. 「資産」の型・利益の源泉を見極めよ―会社を支える利益の源は、有形資産とは限らない。
  10. 「成果重視」の型・結果こそがすべて―プロセス崇拝の罠にはまらず、出した結果に目を向けよ。
  11. 「変革」の型・永遠に続くビジネスはない―イノベーションは絶対に必要だが、最小限にとどめよ。
  12. 「撤退」の型・つねに出口を用意せよ―うまく撤退できなければ、それまでの成功はすべて水の泡。

「型はまり経営」のすすめ―時代に左右されないビジネス原則12
4484041022カーク チェイフィッツ Kirk Cheyfitz 嶋田 水子


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このページは、thikが2005年12月26日 00:40に書いたブログ記事です。

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