目的化した手段が、単なる手段に戻る:情報システム部門の見直し

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「2011年にはIT部門の約75%が役割を変更,10%が解散」という記事があった。米国ガートナーの調査結果である。

情報システムがSIS(戦略的情報システム)と呼ばれて、情報化投資をすることでリターンが得られるかのように考えられた時代があった。だが、ソフト及びハードのインフラが底上げされ、容易にほぼ一流のシステムが入手できるようになった。そのため、情報システムそのものでは差がつかなくなってきている。

それにもかかわらず、現在では、ややもすると情報化の投資自体が目的になっている面がある。例えば、情報化投資の年間予算が決まっており、旧システムのリプレースや、新規機能の付加に使われる。これによって継続的な改良は行われるが、もはや「戦略投資」ではない。

本記事の主題は、「もう一度、戦略投資を考え直そう」ということだと思う。事業の進め方や「肝」から導き出される事業戦略を元に、必要な投資を行う。その投資は情報化投資かもしれないし、PR投資かもしれないし、製造設備への投資かもしれない。当たり前のことだが、当たり前のことを当たり前に実施することができる企業だけが生き残るのだろう。

優れた情報システム持つ部門を囲い込むことが利益の核だったが、それらが一般化(コモディティ化)され、利益の源泉がより上位、即ち事業戦略そのものに移行したということだろう。

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このページは、thikが2005年10月24日 23:38に書いたブログ記事です。

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