論理的には価値があるが、直感に響かなかった

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ソフトバンクの移動体事業会社であるBBモバイルが、SyncLockというPCの認証サービスを始めた(cnetより)。ファイルを暗号化し、復号を携帯電話によって行うものだ。

暗号化されたファイルを開く時に、あらかじめ登録された携帯電話から指紋や声紋、暗証番号や合言葉を入力することにより復号できる。鍵情報はBBモバイルのサーバで管理される為、ネットワークで接続できている限りどこのPCでも復号できるというのがウリ。また、誰でも持っている携帯電話で認証させるというのも、追加ハードウェアが不要の為に経済的とのこと。

クライアント課金ではなく、暗号化するファイル(またはフォルダ)毎に、月額の料金(1ファイル(フォルダ)当たり月額39円)が必要となる。セキュリティレベル及び公開先の異なる種別のファイルは数十ファイルでは収まらない為、かなりの金額になるのではないかと思う。

多分、エンジニアが熟考したシステム構成であり、セキュリティホールは非常に少ないのだろう。但し、記事を読んで先ず思ったのは、「判りにくい」。システム概要を理解して感じたのは「そこまで必要なのか」。ビジネスモデルを紐解くと「高いね」。
「御説ごもっとも」なのだが、すぐにぴんと来なかった。
(同社のページでは、Flashで丁寧なデモが載っている。これを読むと理解できたが、そうでないと判りにくかった)

事業企画者は、「顧客にとっては、追加ハードを必要とせず、自社でのセキュアサーバ管理も不要とする素晴らしいシステムであり、BBモバイルからすると、顧客のセキュリティの重要情報を押さえることができ、今後の移動体事業の要になり得る素晴らしい事業だ」と考えたのだろう。だが、顧客がセキュリティ製品を購入するキーは何か? 完璧に近い先端的なセキュリティシステムよりも、ストレートに価値・使い方が判り、かつ投資価値があるとすぐにわかるものを求めているのではないか。


売上向上や経費削減に直結せず、「何かあったときのために保険的に投資する」というネガティブな面が強いセキュリティ商品は、商品戦略・販売戦略が難しいと感じた。

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このページは、thikが2005年10月18日 01:29に書いたブログ記事です。

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