ビジネスブログブック2の体裁をそのままに、社内ブログ・SNSについての本。
「社内SNSの可能性」という副題に違和感を覚えた。SNSは開放的で匿名性があるインターネットの世界で、「知人だけが入れる」という「顔の見える空間」を実現するものだ、と思っていたからだ。社内では実名が当然であり、また(社外からは切り離されているため)社内秘に関わる内容もOKである。「なぜ、今更 社内SNS?」と思った。
著者らは、社内SNSの適用例として、「Know Whoシステム」と「社内ナレッジコミュニティ」を挙げている。ということは、グループウェア(+RSS配信による即時性)を、社内SNSとして考えているということか。そのような使い方も「あり」だと思うが、SNS(やグループウェア)の導入以前に、それが必要となる文化を作り上げることに重きを置くべきだと思う。
社内向けのツールの導入については、そのツールの導入の意味や、導入後の活用方法と啓蒙方法をじっくり詰めておかないと難しい。社内のブログやSNSの導入理由は、社内コミュニケーションを取るということだ。元々、コミュニケーションが必要ならばツールがなくても実現していたはずである。ツールを導入したからといって、コミュニケーションが取れることはない。SNSやブログの導入以前に、グループウェアやポータルサイトなどを導入したことがたぶんあるだろう。それらがなぜ成功していないのかを考えてみてから、新しいツールを導入した方がよいだろう。
本書は、他にもイントラブログの導入例を記しているが、日立のiBに特化しているために省略。
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