「無料」ビジネスモデル

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携帯のフルブラウザの無料版が登場した。cnetには、

同社ではjigブラウザFREEを「jigブラウザのお試し版」と位置付けており、広告を掲載する予定はないという。「まずはjigブラウザFREEを使ってもらい、他社のサービスと比べてもらいたい」(jig.jp)

とある。一口に無料といっても、それを実現するビジネスモデルは、2つに大別される。
  1. 顧客にとって無料だが、別の収入源があって、それ自体でビジネスが成立するモデル

  2. 別製品を販売するための販売促進の位置付けとして、それ自体ではビジネスが成立しないモデル

前者に代表されるのは広告モデルだが、他にもある。AdobeのAcrobatとReaderの関係がそうだ。PDF生成側に課金し、PDF閲覧側は無料である。
後者は、jigブラウザなど、期間限定の試供品の位置付けソフトが該当するだろう。

今回のjigブラウザFREEは後者だが、前者のモデルを実現すればより面白くなるだろう。考える口としては、Acrobatモデルがよいだろう。即ち、webを閲覧する消費者には無料でフルブラウザを提供し、消費者にwebを閲覧して欲しいサイト提供企業からは有償で「何か」を頂く。この「何か」で儲ける。例えば、携帯の画面の狭さをサイト提供企業側で解決する「何か」を提供することや、キーボードではなくテンキーであることの使いにくさを、サイト提供企業側で解決する「何か」を提供するなどが考えられるだろう。

消費者から「薄く広く」お金を頂くモデルも面白いが、特定企業から「深く」お金を頂いたほうが、スイッチングの障壁が高く、ロイヤリティを築くのは容易だろう。

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このページは、thikが2005年6月13日 23:05に書いたブログ記事です。

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