AmazonのWebサービス(AWS)が有名である。AWSを使って、「ネット書店」がたくさん出てきた。各サイトとも、分類や書評などを工夫して独自色を出して集客を図っている。消費者も、Amazonという「何でも揃う百貨店」で購入してもいいし、AWS利用サイトという、「スペシャリティショップ」で品探しをするときもある。Amazonは出荷量が増え、AWS利用サイトは紹介料が入る。全てがWinのモデルになっている。
Webサービスの特長は何だろうか? 「セミ・オープン戦略」ともいうべき考えがベースとなっていると思う。完全なオープン戦略(GPLなど)は、広がりは早いが、その中で差別化してビジネスにするのは難しい。一方、専用アプリを組んでクローズドにすると、局所最適解はできるだろうが、汎用ではなく、投資も多い。その中間、即ち「広く価値を認めてもらえるコア部はクローズドにするが、それを外部から使うことは自由とする」という「セミ・オープン」がWebサービスの特長であると思う。コア部が、Amazonであれば品揃えやレコメンデーションであり、Yahoo!であればサーチ能力である。これにより、自社のサービスの主導権を握りながら、急速に普及させることができる。
そう考えると、「Webサービス」は、何も「Web」である必要はない。RSSフィードでもいいし、プラグインをオフラインで配布して各サイトで組み込んでもらってもいいはずだ。要は、Webサービスは、「消費者からもサイト構築者からも信頼される価値を、win-winの関係を保ちながら広く普及させる手法」の一つだと思う。
Webサービスなどの手法で自社のコアを広く浸透させた後には、その上での新しい事業が可能となる。マイクロソフトは、オフラインでOSを押さえて独占的地位を築いたが、Webサービスを押さえた上で独占事業を行うのは、誰だろうか?また、その事業とはなんだろうか?「エージェント」「パーソナライズ」等という定番キーワードが関係してくるのではと思う。
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