「スキーマ」という先入観により、判断を誤っている。メタ認知を行えば、「スキーマがある」ことを認識した上での判断になるので、より正しい判断が下せる。すなわち、「私はこう考えたが、私にはこのように考える傾向があるので、こっちのほうが良いのではないか」という思考になる。
また、「自動思考」は、「ある状態になると自動的に思考が限定される」ことである。
「部長に呼び出される」という現象から、自動的に「また怒られる」という思考をしてしまう場合だ。本書では自動思考の弊害について以下のように記されている。
スキーマの場合、思考が縛られていることに気がつけば大きな問題でないという性質ものだし、また思考のショートカットという意味では実生活や知的生活に役立っていることも珍しくないが、自動思考というのは、感情状態とかパーソナリティに付随して出てくる思考の「癖」のようなもの。ある状況になるととっさに浮かんできて、それを疑えなくなってしまうという性質のものだけに、ほとんど役に立つことが無い。
自動思考の対処方法として、認知療法と森田療法がある。認知療法は、自動思考が働いてしまう特定の状況になったとき、「その思考になる可能性は100%なのか」と一歩引いて考えることで、自動的に思考してしまうことを止める。森田療法は、間違ってもいいから行動してみることをを薦める(thik注:よく理解していません)。
モチベーションをあげる方法として、自己愛を満たす方法がある。自己愛を満たす方法として、「鏡(=相手の行動を誉めることのより、相手の行動を正当化する)」、「理想化(=理想の人を見習う/理想の人から認めてもらう)」、「双子(=双子になったつもりで共感する)」がある(byコフート)。
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その他、メランコ人間とシゾフレ人間に分類する著者独特の方法がある。本書ではかなり分量を割いているが、スキーマの極致だと思うので、ここではあまり触れない。
ちなみに、これは文春ネスコの本。「箱」も文春ネスコの出版だった。心理学っぽい本が強い出版社なのかな。
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