キャリアの教科書佐々木 直彦著
「雇われる能力」と訳される「エンプロイアビリティ」。もちろん、他人に雇われるだけではなく、自分で自分を雇う場合の能力のものさしにもなる。
本書では、自分の「軸」を見つけるために、5つの質問に答えを出すべきだと述べている。
- 自分は何ができるのか(現在)
- 自分は何をしてきたか(過去)
- 自分は何をやりたいのか(未来へのプロセス)
- 自分はなぜそれをやりたいのか(過去から未来へ)
- 自分の人生をどのようなものにしていきたいか(未来。ビジョン)
また、このためには、3つのワークが必要だとしている。
- フィールドワーク(現場で実践する)
- コンセプトワーク(考える)
- ネットワーク(人と繋がる)
フィールドワークで事実を確認し、コンセプトワークでビジョンと戦略を立てて計画をつくり、ネットワークでそれらを膨らます。
5つの質問と3つのワークは、全て仮説であり、完璧にはならない。だからこそ、これらを緊密に連携させ、都度修正をかけながら、らせん状に理想を目指す、ということになるのだ。
文中には、ケーススタディと称して数人の生き様(悩みざま?)を挙げている。喫茶店でのバイトから人に教えることの喜びと楽しみを得、教育部門で活躍するも、更に会社やお客様が良くなって欲しいとの願いから事業の改革を一歩づつ進める原田さん。小学校の頃の大工さんとのふれあいから建築物に興味をもち、素材メーカの技術者として活躍しながらも、自分の使命を認識しながら更に社会に貢献しようとする山内さん。いずれも非常に具体的で、本書を読みやすくしている。著者は、多分10代後半から30台前半の読者を想定していると思うが、それに留まらず、「自分は、今、何をすべきか。それはなぜか」と考えたい人に手掛かりを与える本だと思う。
キャリアの教科書 佐々木 直彦
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