変革の陥穽
イノベーションを進めるための組織(体勢、人事マネジメント)論。イノベーション実行に組織・人が「疲労」してしまい、変革の速度が減じる。すると、更なるイノベーションが要求され、疲労度が高まり、変革速度は落ちる、という「ジレンマ」の打破を目指す。そのため、「安定的な」イノベーションが必要、と説く。
イノベーションの頻度(数週間?数年)と、イノベーションのレベルから、イノベーションを4つに分類している。
- イノベーションレベル:低、イノベーション頻度:低→漸進的イノベーションが必要。組織はピラミッド構造(滅多に動かない)。
- イノベーションレベル:低、イノベーション頻度:高→断続的イノベーションが必要。組織はサイコロ構造(時間をかけて集中すれば。大きく変わる)。
- イノベーションレベル:高、イノベーション頻度:低→反復的イノベーションが必要。組織は車輪構造(すぐにころころするが、方向は1次元)。
- イノベーションレベル:高、イノベーション頻度:高→連続的イノベーションが必要。組織はピラミッド構造(どこへでも転がる)。
車輪構造は、変化を業務プロセスに組み込んで安定的なイノベーションを目指す。効率性と学習がキーとなる。メンバは、専門性の向上と新たな挑戦に焦点を置いて行動すると良い。
図書館返却日なので大急ぎで目を通した本。著者がArthur D. Little(訳者もArthur D. Little日本法人)なので、組織コンサルネタを抜き出した、という感じか。
主に、大企業(最低でも数百人)が「改革」を起こそうとするときに、どのような組織構造を設計し、そのメンバにどのようにモチベートするか、という事に主眼を置いています。
図が多く、読みやすい本です。大分類毎に「まとめ」が数ページついており、そこだけ読んでもエッセンスがわかる。というのはよろしい。
変革の陥穽(オトシアナ)
ピーター スコット・モーガン ヘンク シュミット エリック ホービング アーノウド ファン・デル・スロット
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