キャズム 2章「ハイテクマーケティング - 悟り」 その4 アーリーマジョリティ(現実主義者)
いよいよ、「キャズム」の向こう側のプレーヤが出てきます。まずは、アーリーマジョリティ(EM,現実主義者)の分析です。なお、
がハイテクマーケットの全貌です。図中、「Pragmatists」が、アーリーマジョリティです。>本図は、「なんでも百科事典」でおなじみの、Wikipediaの、「Crossing the Chasm」の項目から引用しています。
尚、Wikipediaに掲載されていることは、OutLogicのCrossing the Chasm - ホールプロダクト・マーケティングから教えていただきました。ありがとうございました。
メインストリーム市場のプレーヤは、アーリーマジョリティ(EM,実利主義者)と、レイトマジョリティ(LM,保守派)の2種。正規分布の法則により、各々市場の1/3を占める。
EMはEA(ビジョナリー)のように、冒険をしない。先行者利得より、確実性を取る。そのため、目立たない存在である。
購入までのハードルは高いが、一旦食い込めば長い付き合いが可能である。また、自社ではリスクをとって購買検討をすることはせずに、実績あるトップベンダが採用される。また、従来の仕組みを変えることなく(=冒険することなく)、採用できるものを選ぶ。
(備考 このため、リーダー製品には3rd party製品が数多く生まれ、リーダーの自社投資が少なくて済む。このため、リーダーは更に強くなる)
冒険をしないEMへの普及作戦としては、「実績がある」ことを示すのが一番である。同業他社での採用、展示会の掲載などが有効である。
「その商品は、たぶん私の業務を改善するのに役に立つと思うのだけど、購入してかなあ?使えるのかなあ?」そんなことを考えているのがアーリーマジョリティです。 他社の動向を気にしている。先陣を切らない人は徹底的に乗らない。そんなお客様の顔が浮かぶのではないでしょうか。それは、EMです。
「ディスカウントしてもいいから、ビッグユーザを押さえる。そこを広告塔にして広める。」等は、経験則としてご存知の方も多いと思います。このような広め方は、通常のプロモよりも数倍効果がある。それは、EMが、「業界の動向には敏感」であり、「顕在しているニーズはあるが、製品の効果が保証されているわけではないので、二の足を踏む」特徴があるからです。「右へ習え」の顧客ですね。
そんなEMを攻める方法としては、導入リスクを下げる方法もあると思います。本書で述べているように、「No.1ベンダーになる」「No.1ユーザに採用される」というのも有りますが、出来高払いにする、無償試行期間を設ける、等もアリですね。
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