発想する会社!
世界最高のデザイン・ファーム「IDEO」の発想方法の本。中身はたくさん、なので筆者がピンときたものを記す。
イノベーションのステップ
- 理解:市場、顧客、技術、課題などを理解する。
- 観察(ここは重要):現実の使い方、を観察する。顧客に聞いてもダメ、自分の目で見る。
- 視覚化:新しいコンセプトと使っている姿を目に見える形にする。
- 評価とブラッシュアップ:プロトタイプ作成(3.)と評価を繰り返し、よりよいものとする。
- 実現:4.で固めたものを作る。
ブレストのための7つの秘訣
- 焦点を明確にする。顧客のニーズ・サービスの強化に焦点を置く。あまり限定しない。
「自転車に乗る人が、やけどをせずにコーヒーを飲む方法は?」
「dial upモデムを解して検索する顧客が最初の結果を見つける時間を短くするには?」
- 遊び心のあるルール。ルールを明示しよう。
「目に見える表現にしよう」「数を出そう」
- アイデアを数える
「部屋を出るまでに100のアイデアを見つけ出そう」
1時間に100個のアイデアが出ればGood,150個はExcellent
- 力を蓄積し、ジャンプする。流れが衰えたら、別の方法を考えてみる。
「何か他の方法はあるだろうか?」
「まったく手を使わないアイデアを考えてみよう」
- 場所は記憶を呼び覚ます
壁と机は紙で全面を覆っておく。アイデアを書き留める。
- 精神の筋肉をストレッチする。
言葉遊びなどで、グループをブレストに集中させる。(アイスブレークみたいなものか)
- 体を使う
種種のものを持ち込む。
絵や図や表を書く。
顧客の行動パターンなどを体で表現する。
ブレスト Don't
上司が最初に発言する、全員に順番が回ってくる、エキスパート以外立ち入り禁止、社外で行う、ばかげたものを否定する、すべてを書き留める
メンバの活性化のために
- チームメンバを、いつも顔をつき合わせるようにする
- チームに好きなことをさせる
- 種種のプロジェクトを並行して進め、アイデアを融合させる。
アイデアの種をまく・刈り取るために
- 雑誌の購読とネットサーフィン
- 映画監督になったつもりで、じっくり観察してみる。
- 一般公開する。プロトタイプや説明を、他の分野の人に行う。
- さまざまな主張に耳を傾ける
- アウトサイダーを雇う
- 違う人間になってみる。キーボードを親指だけで打ってみる。
- 二職種以上の仕事ができるように訓練する。
・楽しい経験をしてみる。夢のシナリオを考えてみる。
・枠をはみ出して色を塗る。
・失敗は成功の近道である。まずはやってみる。前例がなければ、試してみる。
OutLogicさんのサイトで、「[?]アイデア創出からコンセプト化まで 」の参考文献として、No.1に上がっている本。イノベーションがもっとも必要と思われるデザインファームで実際に行われている内容を本にしてあります。IT系のハイテク企業もイノベーションが必要なことは論をまたないのですが、そのまま全てを適用するのは難しいかなと思います(でも「難しい」と言い切ること自体が、イノベーションを妨げているのかもしれませんね)。 その中から、私自身に参考となる項目をキーワードとして選びました。アイデア渇望症の方に、お勧めの本です。
発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
トム・ケリー Tom Kelley ジョナサン・リットマン Jonathan Littman 鈴木 主税 秀岡 尚子
早川書房
2002-07-25
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