今週末は、茨城県つくば市で、つくばマラソンが開催されます。
フルマラソンは、補給が重要
フルマラソンでは、給水と給食の両方の補給が必要となります。
エリートランナーは、自分に最適なエネルギーの補給方法を、「スペシャルドリンク」としてコース上に置くことができる大会が多いですが、市民ランナーでスペシャルドリンクが置ける大会は少ないです。
つくばマラソンでも、スペシャルドリンクを置くことはできません。
エネルギー補給用のジェルや、スペシャルドリンクをポーチに入れて走るランナーもいるかもしれませんが、荷物はなるべく少なくしたいです。
そのため、大会主催者が提供している給水と給食を上手く使って、脱水やエネルギー切れにならないように走りきる必要があります。
「マラソンを科学する」つくばマラソン
つくばマラソンは、昨年から「マラソンを科学する」がテーマになっています。
今年は、「給水・給食」について、科学しています。
給水について
給水は、適切なポイントで適量を給水する必要があります。
水分を多く摂りすぎると、おなかがちゃぽちゃぽしますし、逆に少ないと脱水症になると思います。
私の場合、「脱水症になった」という自覚は無いのですが、水分を摂りすぎたというのはよくあります。
水分減による体重減少はは2%までに留める
つくばマラソンのサイトには、以下のように書いてあります。
マラソンでは、レース中の「給水」が欠かせません。ただし、水分の取り過ぎで逆に体調を崩すことも。正しい給水が出来ているかどうかは、レース前後の体重変化で検証することが出来ます。レース前の体重とレース後の体重を測定し、その差が2%程度であれば正しい給水が出来ている、と言えます。
今回、つくばマラソンでは、男女それぞれの更衣室に体重計を設置し、レース前後の体重変化を観て頂けるようにしました。
差が2%程度なら正しい給水が出来ている、ということなので、例えば体重が65kgの人なら、65×2%=1.3なので、レース後に63.7kgまでなら許容範囲、ということになります。
ウェアを一枚羽織ったり、またゴール直後に頂けるポカリスエット500mlを摂ったりすると、すぐに数百グラムが増えます。そう考えると、ほぼ体重減なしで走り切ればOK、という感じでしょうか。
私の場合は、食べ過ぎや飲み過ぎで体重が増えることがよくあるので(笑)、大会前後で体重イーブンを目指したいと思います。
給水の内容は、どうする?
つくばマラソンのサイトには、給水の内容については、特に記載はありませんでした。
でも、給水ポイントの一覧を見ると、水だけがあるポイントと、水とアミノバリューがあるポイントがあります。
アミノバリューは、BCAAを含むスポーツドリンクです。アミノバリューの大塚製薬のサイトには、以下のように書かれています。
運動前に持久系アミノ酸BCAAを摂取し、エネルギーとして利用することで乳酸の産生を遅らせ、持久性運動能力の維持に繋がるということが報告されている。
30分後に(BCAAの)血中濃度はピークを示しました。また、2000mg以上摂取すると摂取2時間後においても摂取前値に比べ高値を維持していましたが、1000mg以下の摂取では1時間後には摂取前のレベルに戻っていました。運動時はBCAAの要求量が高まるため、運動30分前~運動中にBCAAを2000mg以上摂取する必要があるのではないかと推測されます。
そのため、ランニングのスタート30分前と、ランニング中も30分毎に摂取すれば、BCAAを高いレベルに保つことが出来そうです。
1キロ6分のペースならば5kmごと、1km5分のペースなら6km毎に少しづつ摂れば良さそうですね。
その間の給水所では、水を取るのが良さそうです。
給食について
つくばマラソンの給食は、昨年から大きく変更するようです。
つくばマラソンのサイトには、以下のように書いてあります。
フルマラソンを走るために必要なエネルギー量は(体重×42.195)kcal、と考えられ、例えば体重が60㎏の場合は約2530kcalとなり、成人男性の一日の食事量に相当します。レース直前にこれだけのエネルギーを摂取することは難しいため、途中での補給が必要となります。特に30kmを過ぎると、体内に蓄積していたエネルギーが使い果たされ、補給することが必須な状態となります。今回、つくばマラソンでは、下記の3つのポイントを踏まえ、給食の内容を見直しました。
- 血糖値を急激に上げない糖質の摂取
エネルギー補給に欠かせない「糖質」。同じ糖質でも「砂糖」や「ブドウ糖」は血糖値を急激に上げるため、それを下げようと「低血糖」の状態になる危険性がありますが、「果糖」は血糖値を急激には上げないため、レース中の摂取に安心です。そこで、前回大会で提供していた「プチシュー」から「ブルーベリー」に変更、また「あんぱん」も、血糖値を急激に上げない「雑穀系パン」に変えます。
- 疲労を防ぐ抗酸化物質の摂取
疲労の原因は「活性酸素」。この「活性酸素」の発生を抑える働きを持っているのが「抗酸化物質」です。そこで、抗酸化物質を多く含む食品「トマト」を追加することにしました。トマトには「リコピン」、前述の「ブルーベリー」にも「アントシアニン」などの抗酸化物質が多く含まれています。
- 効率を考えたエネルギー補給
食物に含まれている糖質は、体内への吸収に時間がかかります。残り10km以降では、効率の良いエネルギー補給として、エネルギーゼリーを活用することも効果的です。そこで、32kmと36.5km地点にウィダーinゼリーを用意することにしました。
最近は、「トマト」や「きゅうり」、「ブルーベリー」などがエイドに置かれる大会も多くあります。
先月参加したちばアクアラインマラソン」でも、地元の名産品として置いてありました。
でも、「マラソンを科学する」と、それぞれに根拠が有るのですね。
雑穀系パンは、まだお目にかかったことは無いのですが、どんなものか食べてみたいと思います。
パサパサで、水分が欲しくなるかもしれません。
つくばマラソンの補給ポイントと内容
以上の「給水」と「給食」の理論を踏まえて、「マラソンを科学する」つくばマラソンの補給ポイントと内容は、以下のようになっています。
No | 距離 | 間隔 | 場所 | 水 | アミノバリュー | パン | バナナ | みかん | きゅうり | トマト | ゼリー | お汁粉 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4.0 | 4.0 | ケアーズ保育園前 | ○ | ||||||||
2 | 9.0 | 5.0 | 牛角筑波学園北店前 | ○ | ○ | |||||||
3 | 11.0 | 2.0 | つくば北消防署前 | ○ | ||||||||
4 | 15.0 | 4.0 | 旧ロームつくば前 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
5 | 17.5 | 2.5 | ENEOSつくば今鹿島店 | ○ | ○ | ○ | ||||||
6 | 21.0 | 3.5 | らーめんいやどうも前 | ○ | ○ | ○ | ||||||
7 | 23.0 | 2.0 | 日立物流前 | ○ | ○ | ○ | ||||||
8 | 26.0 | 3.0 | セブンイレブンつくば島名店前 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
9 | 28.5 | 2.5 | HONDAつくば研究学園店前 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
10 | 32.0 | 3.5 | 宇津木農園前 | ○ | ○ | ○ | ||||||
11 | 34.0 | 2.0 | カスミ学園の森店前 | ○ | ○ | |||||||
12 | 36.5 | 2.5 | 科学技術出版前 | ○ | ○ | |||||||
13 | 40.0 | 3.5 | 遺伝子実験センター前 | ○ | ○ |
つくばマラソンの補給の特徴
つくばマラソンの補給の内容を見ると、以下の特徴があります。
- 前半は給水間隔が長く、後半は短い。
最初は、水分とエネルギーを蓄積して走り出します。そのため、前半は給水間隔が長くても大丈夫そうですね。 - 15km以降から、給食がある。
これも、最初はエネルギーが蓄積されているので、後半からでも問題無さそうです。 - つくばマラソンの特長のひとつの「お汁粉ポイント」は健在
つくばマラソンは、コース変更前から30km付近に「お汁粉ポイント」がありました。
コースが変更になり、以前のポイントは30km地点ではなくなったのですが、34km地点にお汁粉がありました!
「給食を科学」すると、お汁粉がどうなるか心配でしたが、無事にありました。
売り切れになる前に通過したいと思います。
まとめ
つくばマラソンは、「マラソンを科学する」ということで、給水と給食が科学に裏付けられたものになっています。
ランナーも、これらのポイントを上手く利用して、走りきりたいですね。