ランニング学会 指導者研修会から~ランニングフォーム指導法とHIIT

先週末に大阪学院大学で行われたランニング学会の指導者研修会に参加しました。

午後の部は、ランニングフォーム指導法と、HIITの可能性の講義、そしてHIITの実技でした。

講師は大阪学院大学の山内先生と、大阪体育大学の足立先生です。
山内先生が主に講義を、足立先生が主に実技を担当しました。

忘れないように、気に留まった点を書き出しておきます。

ランニングフォーム指導法

まずは、ランニングフォームの指導法として、最近の研究成果からお話がありました。

ランニングの導入として、ウォーキングから始めるのは、ちょっとちがうかも

まず、ウォーキングの延長にランニングが有るか、というテーマで説明がありました。
山内先生からは、ウォーキングは骨盤と方が逆に回旋するが、ねじってしまうと素早い動作ができなくなるので、ランニングでは捻らないほうが効率的だろう、反対に体幹を安定させる方が良いのでは、とのお話がありました。

体の真下に着地するフォームは、短距離では効果的では無いかも、長距離は有効かも

最高疾走速度で体の真下近くに設置してブレーキを減らそうとすると、体の全体が前方に回転を始めるため、バランスが崩れる傾向にある。
但し、世界の一流女子選手(5,000m)は、重心近くに設置して、ブレーキを小さくしているので、長距離走には有効かもしれない。

一般ランナーには、「自然な走り」を指導

色々な理論はあるが、一般のランナーには、「自然な接地、自然なストライド、自然なピッチ」で良い。ただし、一般的には、ピッチ主体の方が安全かつ長い距離が走れる。

アスリートには、個別に指導

  • 着地はミッドフットかフォアフットが良い
  • 飛び跳ねる動きは非効率
  • 最後までキックをしない。キックすると脚の引き付けが遅れてピッチが低下する。最後の地面から離れる時は、膝がやや曲がっているくらいが良い。
  • 接地時の脚の前の振り出しは自然に行う。振り出し過ぎるとオーバーストライドでブレーキになる。
  • 接地は重心の少し前で、股関節の真下付近
  • 体幹は、なるべく固定する

1度で指導するポイントは1項目に絞るべき

沢山のことを指摘されても、走って疲れている頭では消化できない。
一度に指摘するポイントは、1つに絞るべき。

HIIT(High Intensity Interval Training)の長距離への有用性について

HIITは、High Intensity Interval Trainingの略で、高強度インターバルトレーニングと訳されます。
HIITは、以前から中距離ランナーのスピート強化(無酸素能力強化)のために行われていたショートインターバルに似ています。
ですが、最近に研究では、HIITは無酸素能力だけでなく有酸素能力も改善することがわかってきました。

HIITの代表例:タバタプロトコル

HIITの代表例として、タバタプロトコルがあります。これは、20秒の高強度運動(VO2maxの170%)と、10秒の休息を7~8回繰り返します。これにより、VO2maxが7ml/kg・min改善し、有酸素能力は28%向上しました。
(Medicine & Science in Sports & Exercise October 1996 – Volume 28 – Issue 10 – pp 1327-1330 より)

HIITの具体的な実施方法:アスリート向け

アスリート向けのHIITの方法は、

  1. 200mを、800mのレースペース以上で走行(27~34秒程度)
  2. 15秒のレスト、または100mジョグ

を6セット~8セット繰り返すのが良い

HIITの具体的な実施方法:一般市民向け

一般市民向けのHIITの方法は、アスリートよりも軽くなっていますが、市民向けとしては高強度です。
具体的な実施方法案は、以下の通り。

  1. 最初に、ウォーミングアップとしてジョギングや軽いストレッチを行って筋温を上げる。
  2. ウインドスプリントを3本程度実施して、スピードに慣れる
  3. 本番のHIITとして、
    1. ウインドスプリントを20~30秒走行
    2. 20~30秒のレスト

    を6セット~10セット繰り返す

アスリート用に比べて休息時間を眺めにとって走行速度も低めなので、マイルド的なショートインターバルでは有るが、運動強度は非常に高い。そのため、異変を感じたら即座に中止するように指示してから始める。
ウインドスプリントとは、流しとも言われます。風になったような気分で、50~70mをスプリント的に気持ちよく走れるペースです

HIITの実技:河川敷にて

講義の後は、実技です。
雨が降る中、大阪学院大学の近くの河川敷までジョグで向かってウォームアップし、まずは流しを3本。
その後、HIITになります。
足立先生の指示で、スタート地点から20秒走って、その場で20秒のレスト。次に20秒走ってスタート地点に戻ってきます。20秒の休憩後に、再度走ります。
これを4回繰り返して、8本行いました。

雨のために体が余り温まらず、1,2本目はウインドブレーカーを着たままでしたが、すぐに汗をかいたので、3本目からは半袖+アームウォーマーで。
だんだんきつくなります。7本目は明らかにスピードが落ちているのがわかりました。8本目は何とか復活して帳尻を合わせた格好です。

HIITのその後:4日過ぎても筋肉痛

終わった後に、山内先生からは、「高強度トレーニングなので、いつもより念入りにクールダウンをして下さい。ストレッチも30秒程度、じっくり時間を掛けてやったほうが良いでしょう」とアドバイスがありました。
クールダウンをサボったためかもしれませんが、4日過ぎても、太ももの前側に違和感があります。

HIITは短時間で終了するトレーニングです。今回の実技は、(20秒+20秒)×8セット=約5分でした。
でも、とても負荷がかかるトレーニングです。

たまに負荷を掛けるのも良いかもしれませんね。

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