「『オペレーション』戦略」という言葉は聞いたことが無かったのだが、実際は「会社の業務で他者優位性を発揮させるための戦略」ということ。以前書いた、「ナンバーワン企業の法則」に出てくる「オペレーショナルエクセレンス」を実現するための戦略のことである。
本書は、そのための戦略を5種類に分類している。CRM、SCM、調達、研究開発、管理スタッフ業務である。
CRMでは、フロント業務の切り出しや営業技術的職種の設置などが戦術例として挙げている。具体的なKPI値として、「営業マンの外訪工数が70%以上」を合格としている。
SCMでは、プッシュ型モデル(工場主導の生産)の限界を述べた後、プル型モデル(顧客主導の販売)での在庫圧縮や需給予測の必要性などを説く。
最後に、これらの戦略を実際に実行した仮想ケースを2社記載している。いずれも、トップの強力なコミットメントに基づき、1.5から2年でオペレーションの改革を実現している。
オペレーションで優位性を保てれば、他社は真似しにくい。各章の冒頭にミニケースがあるが、いずれも自社に当てはまるように思えてくる。企業全体のオペレーション改革はトップダウンが必要だが、自分のできる範囲での「カイゼン」はすぐにでも行うし、またそのような考え方を普及させる必要があると感じた。
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