PCの「当たり前」を携帯に輸入する:ソフトバンクとApple

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前のエントリでは、「ソフトバンクとAppleを始め、今回の一連の携帯会社の発表は、弱点補強の『守り』の提携である」と書いた。が、そうでもないような気がした。

ソフトバンク(Vodafone)とAppleの連携で、FujiSankei Business iの記事では、

アップルはこの布石として昨年九月、モトローラと共同でiPod機能の付いた携帯電話「ROKR(ロッカー)」を販売した。もっとも、音楽取り込みは携帯電話回線でなくパソコンで購入してから転送するという面倒なもので、携帯電話機能とiPod機能は融合できていない。
 従って、ソフトバンクがアップルと提携しても、すでに携帯電話から直接音楽を購入できる日本では、ROKRのようなものではインパクトがない。そこで、ソフトバンクの持つ無線LAN公衆網「ヤフーBBモバイル」ネットワークの安価な回線で、他の携帯電話よりも安い携帯電話用音楽配信サービスを実現するとみられる。

とある。

ソフトバンクの携帯に無線LANにアクセスできる機能があれば、無線LANでアクセス中のソフトバンク携帯電話同士の通話は無料(定額)になるかもしれない。PCの世界では「当たり前」な「同一ISP間の無料電話」機能を、携帯の世界に「輸入」する可能性はある。
マクドナルド(Yahoo! BB)や駅(日本テレコム)に設置しているアクセスポイントと、Yahoo!のISP加入者が自宅に設置しているアクセスポイントを利用すれば、
「Yahoo!加入者同士なら、自宅での携帯通話は無料!更に、外出先でもYahoo!の無線アクセスポイントに居れば無料!」
というサービスが実現する可能性がある。
Vodafoneも、特定の端末のみではあるが定額制のオプションがある(家族割、Love割)。これより遥かに強力なサービスとなる。

なお、DoCoMo(N900iL)やau(E02SA)は、共に無線LANにアクセス可能な携帯を品揃えしているが、いずれも企業向きとしか考えていない。これは、彼らが消費者向けの無線LANのアクセスポイントを持っていないためだろう。そのため、仮にソフトバンクの戦略が成功したとしても、無線LANアクセスポイント設置の投資が大きくなる為、DoCoMoやauは追従しない(追従できない)だろう。

そして、自社PHS間の通話を定額制にする料金プランを持つWillcomが契約者を増やすことができた、という事実は、ソフトバンクの戦略が成功することを意味しているように思える。

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このページは、thikが2006年5月14日 10:49に書いたブログ記事です。

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