著者は、エクゼクティブのヘッドハンティングファームであるコーンフェリーの日本代表。本書では、エクゼクティブのヘッドハンティングの実態がわかりやすく述べてある。「誰かに見られる可能性があるので、ホテルは自室にFAXある部屋を選ぶ」等、業界ならではのエピソードも盛りだくさんで、読み物としても面白い。
著者のクライアントは、以下のような人材を求めている。
- グローバルに活躍できる人
- 組織に従属することなく、企業家精神の旺盛な人
- 汎用性の高いプロフェッショナル・スキルを持っている人
- 変革のために問題解決能力を持っている人
- 多様性に対応でき、かつ活用できる人
- 国際性に飛んだ人
それら人材に必要な要件は、専門的技能と個人的資質の大別される。各々のキーワードは以下のとおり。
専門的技能
- 職務能力
- ビジネスセンス
- 企業家・起業家精神
- コミュニケーション能力
- 危機管理能力
- 創造的、柔軟な問題解決能力
- 職務経験
- 業界のスペシャリスト
- 5?10年のゼネラルマネジメント経験
- セールスとマーケティング経験
- 海外経験
- 多様性
個人的資質
- 基礎的能力
- 戦略的思考
- 論理的(分析的)思考
- 頭脳明晰・理路整然
- 人間中心
- 語学力・異文化性
- 性格
- ダイナミック
- エネルギッシュ
- 創造的
- 柔軟性
- 前向き
- リスクをとる
著者は、海外支社でヘッドを務めた人などのリストを、ロングリストとして持っているそうである。彼らは若くしてゼネラルマネジメントの経験を積み、異文化にも明るい。また、彼らが日本に帰国した後は、往々にして日本企業はつまらないライン部長クラスのポジションしか与えず、せっかくのスキルと経験が活かされない場合が多いそうである。
なるほど、と思う。日本は、「あうんの呼吸」で、「とりあえず上司には賛成」というムードが多かった。が、日本企業も変わりつつある(と信じたい)。いろんな人と交わり、いろんな意見を元に自分の意見を組み立て、それをgive&tgakeすることによって価値を作っていく、そんな人が重用されるようになるだろう。
まだまだ、自己研鑽が必要だと思った。
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