カメラメーカ2社の撤退と破壊のイノベーション

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ニコンのフィルムカメラ撤退(一部機種除く)に続き、コニカミノルタがカメラとフィルム事業から撤退する。ニコンは「デジタルカメラに資源を集中するためにフィルムカメラを撤退」だが、コニカミノルタは、すべてのカメラ事業から撤退する。クレイトン・クリステンセン氏の破壊の考え方に照らすと、彼らの事業判断は何を意味するのか。

フィルムカメラに対して、デジタルカメラは破壊だ(クリステンセンの「イノベーションへの解」「イノベーションのジレンマ」など参照)。当初のデジカメは画質が悪く、「すぐに見られる」「PCに取り込める」というメリットしかなかったが、画質などのユーザが欲しい機能を急速に改善した。そして、一眼レフのフィルムカメラユーザでも使えるレベルのデジカメが出てくるなど、ハイエンドに駆け上がっていった。

ニコンも、(コニカ)ミノルタも、フィルムカメラの老舗である。「破壊のイノベーション」の原則だと、ニコンやミノルタは、ハイエンドに「逃げ込む」。幸いなことに、ニコンはフィルムカメラ時代からハイエンドを得意としてきた。そのため、デジカメがローエンドから攻めてきても、ハイエンドで一定の地位を保つことができている。一方、ミノルタはフィルムカメラではややローエンド側を得意としてきた。そのため、デジカメの侵攻によるハイエンドへ「逃げ込んだ」とき、ミノルタの顧客は存在しなかった。そのため、カメラ事業の撤退となったのだろう。
そして、下から上がってきたデジカメメーカの代表とも言えるSonyは、ハイエンドデジカメを手に入れてフルラインナップを組むことができた。

今後は、ソニーと同じ道をたどってきた松下がどのような戦略を採るのか。興味深い。

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このページは、thikが2006年1月20日 00:14に書いたブログ記事です。

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