本書は著者の意見が記してあり、読者に汎用的な解決策を提示しているわけではない。そのため、読者は「何が問題なのか」と、「それをどうすべきか」の両面とも考えなければならない。一方、ある程度の考え方の筋道を示している本もある。例えば、私がお勧め本にしている「イノベーションへの解」や「キャズム」などだ。
たまには、まったく違う分野に思いを馳せながら、いろんなことを考えるのも良い。著者も述べているように、日ごろから手入れをしておけば、自然と筍畠に生えてくるものだ。自分が持つ原風景は変わらない。自分の生きてきた年輪を大切にし、仕事、生活に生かしていけば日々楽しく過ごせるだろう。
本書を読んで、そんなことを感じた。
本書の前半を凝縮した文章が、ユニシスの広報誌にありました。
以下、本書から気づいた点を列挙。
日本人は、昔から持っていた自然に対する鋭い感覚を持っていた。また、その感覚も他とは違っていた。例えば、色に対しては、青色に対する感覚が鋭い。
西洋では、自然は人間との対峙として考えられるが、東洋では、自然は人間をも含む。
陰陽五行説など、東洋的な組み合わせで新たな価値が創造できる。
柳田国男、東山魁夷など、日本人の感覚から引用する場面も多く、オフタイムに読むには面白い本です。
「知の経営」を深める―大自然の摂理に学ぶ仕事と人生
常盤 文克
PHP研究所 2001-07
売り上げランキング : 175,703
Amazonで詳しく見る by G-Tools
コメントする