キャズム 3章「Dデー」のまとめ。
キャズム2章の4 レイトマジョリティ-の続きです。
キャズムを越えようとする時は、販売を重視してはならない。逆に、特定の市場(ニッチマーケット)に特化し、その顧客の「困り」を完璧に解決し、その市場を独占する必要がある。
そのためには、以下が必要。
- whole products。「ソリューション」と言い換えてもいいだろう。自社製品で解決できない「困り」は、他社との提携やサービス提供で補完し、顧客には完結した形で解を提供する。
- 口コミ。ニッチ市場では、口コミが有効である(また、キャズムを超えた先のearly majorityも、「他社の導入状況」を大変気にする)。そのためには、ニッチ市場で数社の販売実績をを獲得する必要がある。
- マーケットリーダになる。ニッチマーケットでトップシェアを獲得する。これにより、周辺プロダクトを3rd partyが提供してもらえる環境ができるし、「トップシェアの製品を購入する」のであれば購買稟議を行いやすい。
ニッチマーケットの決定は、マクロ分析や統計データでは不可能。顧客の「困り度」が高い順に標的市場とすべきだ。
また、プラットフォームよりアプリケーションの方が、顧客の「困り」を明確に解決できる(=whole product)のため、キャズムを越えやすい。但し、プラットフォームは一旦キャズムを越えたら広がりは有る。
1つのニッチ市場でリーダとなったら、その周辺のニッチ市場に展開すべきだ。
具体的な市場の決め方「ターゲットカスタマシナリオベース」は、次章にて。
ここは、すごく悩ましいところ。そもそも、数社(実はearly adoptor)に売れて、喜んでいる人は、売れた要因を分析してその共通項目を無理やり見つけ、拡販に走る。なぜなら、「売れる要因」が見つかった(と思っている)からだ。でも、実はキャズムに陥っており、拡販、即キャッシュアウトになるのだろう。
あとから眺めれば「そういえば、あの時はキャズムだったかも」と判るけど、事業の真っ只中に居ると、ついつい目先の数字の追求をしてしまう。
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