CNETの記事から。
場所を移動しない(ハンドオーバーしない)ならば、今のPC+Skypeを単に小型化しただけのWi-Fi携帯電話機で実現できるだろう。実際、携帯電話を使うのは、「立ち止まってもいいから、どこでも使いたい」という要望の方が、「移動しながら使いたい」よりも多いと思う。言い換えれば、「どこでも電話」が欲しい人は、今の携帯は過剰機能だった(でも、それしか選択肢がないから、仕方なく使っていた)。
これは、ローエンド型破壊なのだろうか?クリステンセンの「イノベーションへの解」にでてくる「リトマス紙」で調べてみよう。
- Q1.市場のローエンドには、価格が低ければ、性能面で劣る(が十分良い)製品でも喜んで購入する顧客がいるか?
A1.残念ながら、顧客は少ないと思う。BCNランキングによると、ハイエンドに限定したVodafoneが純減になっている一方、超ローエンドのTukaが純増に転じている。単純な通信ができれば良いという顧客は存在するし、更にTukaより低価格が可能なSkype+Wi-Fi携帯には更に大きいシェアが取れると考える。但し、これはアクセスポイントのカバー率が現在の携帯(最低限PHS)と同程度という前提である。現状の無線LANのアクセスポイントでは少ないだろう。また、キャリア主導のインセンティブモデルは不可能なので、ユーザが端末価格を全額負担することになるだろう。4?5万円というところか。欧米では当たり前のモデルですが、日本では疑問が残る。
- Q2.こうしたローエンドの「過保護にされた」顧客を勝ち取る為に必要な低価格でも、魅力的な利益を得られるようなビジネスモデルを構築することができるか?
A2.Skype+WiFiモデルでは、Skype、携帯メーカ、アクセスポイント提供ベンダ(プロバイダ)がプレーヤである。ビジネスモデルの構築は可能だと思う。- Skypeは、SkypeOutで儲けるだろう。
- 機器メーカは、従来のモデル(機器売り切り)のまま、利益を出せるだろう。
- アクセスポイント提供ベンダは、従来モデル(概ね定額制)のままでよいだろう。
- Q3.このイノベーションは、業界の大手企業すべてにとって破壊的だろうか?
A3.キャリアにとっては破壊的だが、今のアクセスポイントの数では脅威ではない。
というわけで、Skype+WiFiは余り面白くありません。但し、SkypeをBREWに乗せて、ネットワークは3Gを使うと、俄然面白くなるかも。
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