箱―Getting Out Of The Box

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自分の素直な心を裏切ると、「箱」の中に入ってしまう。すると、「裏切り」を正当化するために、周囲に(あるいは自分に)対して、余計な圧力をかけてしまい、本来の「したいこと」ができなくなる。
箱から出るには、

  • 自分の本当にしたいことに素直になる
  • 自分が箱から出たいと思う
  • 「自分は正しい」と考えていたことを疑う
  • 周囲を「モノ」ではなく、「ヒト」として見る
が必要だ。
そして、他人を有るがままに受け入れる、できる限り他人のために役に立とうと思うことで、箱の外に居続けることができる。


原題は、LEADERSHIP and SELF-DECEPTION:Getting out of the Box。日本版の「箱」というタイトルは、インパクトはあるけど、内容がイマイチ判らない。サブタイトルを工夫すれば、もっと読んでもらえるのではないかな。ちなみに、原著は、Audio CDも出るようです。朗読かな?

紹介していただいた佐野さんからは、「自己欺瞞の本です。イタいですよ」といわれていました。

自己欺瞞を辞書で引くと、「自分で自分の心を欺くこと。自分の良心に反する言行をすること。自欺。」と書いてある。「あざむいてなんかいないよ」と思って軽く読み始めたのですが、実は、「素直な思い」の通りには行動していなかったのが良くわかりました。本来の結果をストイックに追求せずに、余計な気苦労をして、集中できなかった事がよくありました。その場では気付いていないのですが、本を読み終えた後に「ああ、あの場面では、確かに余計なことに気がいってしまい、課題解決に100%のパワーを注いでいない/最高の解を選んでいないなあ」ということがまざまざと判りました。
「仕事で成果をあげる」「妻や息子と幸せになる」など、例示がとてもわかりやすくて、思い当たるフシがありすぎ、「イタい」でした。でも、イタみがわかっただけ、ましです。

多分、本を読んだからといって、直ぐには実践するのは難しいと思います。でも、「自分の素直な心に、逆らっているよね」と判るだけでも、よりよくするの糸口が見えてくるのかなと思いました。
私が箱から出続ける為の、私なりの方法は、

  • 他人の目(他人から自分がどう見えているか)を気にせずに、自分が他人をどう見ているかを気にする
  • そのためには、自分に自信をもつ。自分に対して後ろめたいことはしない
  • でも、「そういう風に行動してしまうときもある」ということを良く認識しておく
でしょうね。八方美人の私としては少々キツいですが、目標を達成する嬉しさと比べたら大したキツさじゃないかもしれませんね。
やっぱり、「太陽はいつもお見通し」なのでしょう。


なお、この本はamazon.co.jpでも、bk1でも、在庫がありません。手元において、たまに思い出すにはいい本なのに。


箱―Getting Out Of The Box
ジアービンガーインスティチュート The Arbinger Institute 冨永 星



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このブログ記事について

このページは、thikが2004年11月28日 22:00に書いたブログ記事です。

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