広島県の安芸太田町で開催された「しわいマラソン」に参加しました。
しわいマラソンとは
あまり知られていない(?)しわいマラソン。でも、今回が第9回と、歴史ある大会です。
なぜ「しわい」?
「しわい」は、当地の方言で「きつい」とか、「しんどい」という意味らしいです。
その名の通り、ウルトラマラソンとは言うものの、かなりしんどいコースでした。
開催場所は?
広島県の安芸太田町で開催されます。安芸太田町は広島市の北側にあり、島根県にも近い町です。
広島県でも、過疎が進んでいる町だそうです。
どんなコース?
88kmと100kmの部があります。ともに、制限時間は13時間です。
100kmのウルトラマラソンは、だいたい13時間から14時間が制限時間です。
88kmで13時間は余裕、と思ったら、そんなことはありません。
ルートラボの地図は、このようになっています。
獲得標高は、なんと2,275mです。アップダウンが強烈ですね。
そのため、100kmの参加条件は、「以前に88kmのコースを10時間以内でゴールした人」です。
また、ゴール直前には、「しわい」に関連して、温井ダムの481段の階段を上るコースになっています。
これは、翌日に撮った写真。赤色の階段を上ります。
いやー、「しわい」!
しわいマラソン 参加記
そんなしわいマラソンに、参加しました。もちろん、88kmの部です。
これまでに標高差のある大会で2回連続で関門アウトなので、今回はなんとしても完走が目標です。
そのため、写真は少なめです。
前泊、のはずが、車中泊
当初は、お昼過ぎに到着して、前夜祭を楽しむ予定でした。ところが所要が入って、広島空港に着いたのは前日の夜10時。レンタカーを借りて、安芸太田町に向かいます。
夜なのに山陽道の交通量の多さに驚きながら、途中の久地PAに車を停めて仮眠。でも、慣れないレンタカーで、あまり寝られませんでした。
3時半過ぎに会場に到着。天気はギリギリ降っていないという感じ。夜は涼しかったです。
準備して、主催者が用意してくれた車で、会場に向かいました。
受付、そして出走確認
受付して、ゼッケンやTシャツなどの参加賞と引き換えます。
更に、大きな紙に書かれたゼッケン番号の隣にサインをします。これが最終の出走確認となります。
出走確認をしていないと、ゴールしても完走と認めてもらえません。
50km地点にある三段峡エイドに運んでもらう荷物と、ゴールに置いておく荷物を預けて、トイレに行っていると、間もなく整列です。
88kmの部の定員は、しわいマラソンにちなんで481名。また100kmの部の定員は200名と、こじんまりした大会です。
今回は、少しでも余裕を持たそうと思い、比較的前の方に整列しました。
スタート、いきなり急坂
予定通り、5:30にスタートです。まず温井ダムまで1㎞ほど下ったあとは、いきなりの登り!スタートして2,3㎞で、歩きが入ります。
その後も下ったり登ったり、トンネルをくぐったりして、第1エイドの猪山です。
まだ朝も早いのに、あちこちで応援してくれます。ありがとう!
ここからはしばらく下りです。そして、国道と交差した後は、奥滝山峡に入ります。
奥滝山峡を進む
やや上りの、砂利道が続きます。奥滝山峡は、沢との距離が近く、マイナスイオンと感じる道です。
朝は、とても気持ちいいです。
車が通れる道ですが、幅は狭く、ガードレールもありません。ふらふら走っていると川に落ちてしまいます。
途中のエイドで補給して、舗装道に出ます。
交差点で曲がって、国道191号を進みながら、ふらふら走行。眠さがMAXでした。
深入山エイドまでの登りおわると、エイドで補給してちょっと復活。
だらだらと下った後は、再び登り。餅の木峠に向かいます。
餅の木峠のピークにはエイドステーションがあります。へばってきたところなので、とてもうれしかったです。
下って少し登りだすと、恐羅漢のエイドです。
恐羅漢のエイドで、ほっとする
ここで初めて時間を確認し、予定よりも早く進んでいることが確認できました。
今までのエイドは、最小の滞在時間で通過してきましたが、ちょっとほっとして、おにぎりやチョコパンを頂きました。
で、ちょっと休憩
ここからは、最高標高地点の内黒峠に向かいます。それほど急坂ではないので、ギリギリ走れるくらい。歩きも交えながら、登っていきます。
峠の後は、ひたすら下り。柴木分かれエイドから、少しの登りがありましたが、やはり下り。そして、下り切ると荷物を預けていた三段峡エイドステーションです。ここで50km。
三段峡エイドで、気分転換
まずは、かぶり水。この日はとにかく暑かったので、各エイドでのかぶり水が嬉しかったです。
そして、コーラ。普段は飲まないのですが、大会だと炭酸の刺激と糖分が嬉しいです。
荷物を受け取り、階段に腰を下ろして、荷物に入れていたジェルを食べます。
補給食をポケットに入れます。ちょっと休んで再出発。三段峡エイドを後にします。
しばらくは舗装道
ここから先は、アップダウンの少ない道路を進みます。交通量も多く、暑くて走れないので、歩きを入れながら進みます。
いつもは排気ガスと騒音で好きでないトンネルも、外より涼しいので歓迎です。
道の駅エイドでも水をかぶって、進みます。
応援に感謝!
この大会は、沿道の応援がすごいです。あちこちで、双眼鏡を片手に、遠くからゼッケン番号を確認して名前を呼んでくれます。
また、千葉県からの参加と気づいた方からは「遠くからありがとう」などと声をかけて頂けました。
ちいさな峠を越えると、龍頭峡エイドまでは、この大会唯一のすれ違い区間。声をかけながら進みます。
そして、筒賀エイドからは、いよいよ最後の、そしてかなり急な登りです。もう走れません。歩いて進みました。
棚田が見事な井仁地区
トンネルをくぐると、井仁のエイドです。ここは棚田が有名です。
エイドでは、今年の新米で作ったおにぎりをふるまってくれました。
急な坂を下って舗装道に戻ると、田の尻のエイド。ここから先は2車線の舗装道で、だいぶフラットになります。
次のエイドは、「ぷらっとホーム津浪」。以前走っていた鉄道の駅舎を、ドライブイン風に改造したエイドです。ここでは、素麺とおはぎを頂きました。
加計かけはしエイドは、100kmの部との分岐
国道沿いを進み、第4関門となる加計かけはしエイドです。88kmの部の制限時間は17時15分ですが、100kmの部は、ここを16時までに通過しないといけません。そして、ここのエイドも、以前の加計駅の跡に作られていました。
「今日は休みだけど、明日は名物の鯛焼きを食べて行ってね」という言葉に背中を押されて、進みます。
残りの関門は1つ、滝山エイドです。ここでは梨を美味しくいただきました。
温井ダムの481段を登ってゴール!
いよいよ、残り5km。そして、「しわいマラソン」名物の温井ダムの階段です。
ゴール1km手前の温井ダムのふもとから、ダムの頂上まで、「しわい」にちなんで481段の階段があります。普段は閉鎖されているのですが、「しわいマラソン」では通ることができます。
途中の200段目には、エイドもあり、また、ダムの頂上からの応援もあり、大会のハイライトの場所です。
階段をゆっくり歩いて登ったあとは、残り1㎞の緩やかな登り。無事にゴールできました。
高校生が、すぐに完走証と荷物を持ってきてくれます。少し休んだあとは、駐車場まで送ってもらいました。
近くの宿で一泊
本日の宿は、川・森・文化・交流センター「ごりんの宿 星の里」。
後泊する人は滅多にいないようで、今日は一人で8畳を独占でした。
でも、研修用の建物なので、部屋にTVはありません。高校の寮も兼ねているようでした。
素泊まりなので、晩御飯と朝ごはんは近くのセブンイレブンです。
お風呂に入って、すぐに寝てしまいました。
翌日は、安芸太田町の観光
レンタカーで安芸太田町の観光です。
加計を歩く
まずは、加計の町を探索です。
最初は、昨日の大会の時に教えてもらった鯛焼きやさん。
しっぽまで餡が入っていて、美味しいです。朝9時の開店直後でも、お客さんが2組もいたのにびっくり!お昼は待ち必須でしょうね。
加計駅跡の近くには、昔の列車がありました。wikipediaによれば、15年前の、2003年に廃線になったようです。
深山峡を独占
次に向かったのは深山峡。ここは昨日のしわいマラソンでは走っていません。でも、紅葉の時期は、きれいでしょう。
今は時季外れなのか、誰もいませんでした。
お昼ご飯は、漬物焼きそば
道の駅で、焼きそばで腹ごしらえをしました。
お漬物を具にした焼きそば、というのが名物!?ということで注文。
「セット」にすると、ご飯が付きます。
焼きそばをおかずにしてご飯を頂く、というのは、ちょっとびっくり。でも昨日走っているので、炭水化物の補給ということでオッケーとしました。
時間がかかるときもある、ということでしたが、意外とすぐに来ました。白菜の漬物ですが、炒めると全然違和感がありません。
美味しくいただきました。
やはり、温泉!
あとは、温泉三昧。
最初の温泉は、筒賀高齢者生活福祉センター ひまわり。休日ですが、誰もいませんでした。
次の温泉は、折り返し地点近くの龍頭ハウスの予定でしたが、営業しておらず、断念。
近くの「グリーンスパつつが」に向かいました。ここも、昨日のコースの近くです。
高台にあり、眺めが良いのですが、残念ながら小雨が降っていて、周りの山は雲の中でした。
最後に向かった温泉は、しわいマラソンのスタート地点に近い「温井スプリングス」。
露天風呂もあり、のんびりと過ごせました。
ぷらっとホームつなみで、焼き鳥とアユ
最後に、昨日のエイドステーションだった「ぷらっとホームつなみ」に寄りました。
ここは、廃線になった「津浪」駅の場所を利用したドライブインです。
ぷらっとホームつなみでは、アユの塩焼きと焼き鳥を焼いていました。おいしそうなので、両方とも頂きました。
焼き鳥は、串に鶏肉を刺したものではなく、鳥のモモ肉を焼いたものでした。大きくて、食べごたえがありました。
アユは、このあたりで撮れたものだそうです。子持ちでおいしかったです。
ぷらっとホーム津浪に近い、加計スマートICから中国自動車道に乗って、広島空港まで1時間半のドライブののち、2時間のフライトで羽田に戻りました。
まとめ
2日で、安芸太田町をぐるっと一周しました。
一日目は自分の足で、二日目は車で。
楽しい旅でした。
しわいマラソンの歴史を読むと、
- 町内の観光名所を巡る
- 旧3町村をつなぐ全町イベント
がコンセプトです。一つの町で、ウルトラマラソンが開催しているのは珍しいと思います。
コースはキツイ(しわい!)ですが、温かい大会でした。機会があれば、また参加したいと思います。
コメント
こんにちは~!しわいマラソンをググっているとこちらにたどり着きました! 私自身はアメリカに住んでいるのですが、年老いた母や親戚が安芸太田に住んでおりましてこのマラソンについても聞いておりました。千葉から参加していただいて本当にありがとうございます!ブログのおかげで様子がよくわかりました!これからも頑張ってくださいね。
遠くアメリカからご覧いただき、ありがとうございます! しわいマラソンは、今年は参加できませんでしたが、地元の方のサポートが手厚く、応援も多く楽しませていただきました。翌日も、温泉好きな私にとって、くつろげる一日になりました。また、機会が合えば参加したい大会です。