2006年3月アーカイブ

「The Leadership Pipeline」が原題。「リーダーシップと一言で言うけれど、それぞれの階層に要求されるリーダーシップの特徴は異なる。それを踏まえて、スキルを伸ばしていく必要がある」というのが本書の主張。

本書では、企業の階層を以下の6つに分類している。

  1. 係長 Managing others/ first-line manager
  2. 課長 Managing manager
  3. 部長 functional manager
  4. 事業部長 business manager
  5. 事業統括役員 group manager
  6. 経営責任者 enterprise manager

上位に移行するためには、下位のリーダーシップスキルを習得した後に行うべきと説いている。

ソフトバンクがジャパンネット銀行への資本参加を行う方向で三井住友銀行と交渉に入ったそうだ(cnetの記事)。あおぞら銀行の提携話が破談になったのは2月だった(プレスリリース参照)。なんとしても銀行(というか、決済機能だろう)を手に入れたいのだろう。

三菱電機が、自治体向けのシステムを無償提供するそうだ(ITmediaの記事より。三菱電機のニュースリリースには、以下のように書いてある。

Googleが無線LAN関連の3つの特許を出願しているとcnetに掲載されている。審査中で、特許として成立するかどうかはまだわからない。。

申請番号20060058019の特許は、無線アクセスポイントへの接続時にブラウザ画面の外観をクライアント端末上でダイナミックに変更するためのシステムの開発に関するもので、この特許を利用すれば、ブラウザの外観を変更し、無線アクセスポイントのプロバイダーに関連するブランドを反映させることが可能になる。

プロバイダーに関するブランドもそうですが、Google Adsenseお得意の「文脈に適した広告を掲載する」時にも使えそうですね。
 また、20060059044と20060059043の2件の特許は、それぞれ無線アクセスポイントの位置を元にした広告とディスカウント無線アクセスに関するものとなっている。

日本だと、GPSを使って行っていますね。PHSの基地局でも位置検出が出来ますが、ちょっと精度が悪い。無線アクセスポイントだと、かなり正確に位置を割り出せるのでしょうか。

特許の内容をよく読んでいないのですが、本当に成立するのかな?成立すると、日本で無線LANの展開をしているヤフーなどに影響があるのではないか、と思っています。

相手に理解して欲しい文章を書くときには、主題(いいたいこと)だけではなく、それを支える根拠を数レベルで提示することにより論拠を強化すべき、というのが著者の主張。そして、書くべき内容を、
パワー0:読み手、書く目的、条件を記載
パワー1:アイデアの提示
パワー2:アイデアをサポート
パワー3:さらにパワー2のアイデアをサポート
パワー4:さらにパワー3のアイデアをサポート
に分類し、それぞれがわかりやすい順番で記載することを勧める。そのため、「インスピレーション」などのソフトウェアで構造を練ることを勧めている。

PCで行っている「Intel Inside」キャンペーンを、携帯電話(スマートフォンやPDAも含むのだろう)で行うとの記事がcnetにあった。

サイボウズ、ウィルコムと提携して携帯電話事業に参入というCNETのヘッドライン。「ソフトバンクと同様の買収か?」「バンダイのキッズケータイに対抗して、Officeケータイか?」などと妄想したが、どうやらそうではないらしい。

CNETの記事によると、SunがGPLベースでSPARCのCPUデータを公開するそうだ。
Sunのサイトによると、

This download area is for hardware design and verification engineers, it includes
* Verilog RTL for OpenSPARC T1 design
* Verification environment for OpenSPARC T1
* Diagnostics tests for OpenSPARC T1
* Scripts and Sun internal tools needed to simulate the design and to do synthesis of the design
* Open source tools needed to simulate the design
Commercial EDA tools Requirements:
* Verilog Simulator : Synopsys VCS (R) or Cadence NC-Verilog (R)
* Synthesis : Synopsys Design Compiler (R)

とのことなので、論理レベルでの開発とデバッグもできる。更に、論理合成してネットリストを生成できる。あとは製造のパラメータがあれば誰でもCPUが作れてしまうかもしれない。

なぜ、Sunは自社のCPUという財産を公開したのだろう?

「東大先端研での実験的経営教育の記録!」という副題のとおり、12回に及ぶ講義の要約である。内容はわかりやすいし、受講者とのQ&Aなど臨場感もある。後半にはベンチャーで活躍している方を講師に招いてのログもある。200ページ少しの薄い本ながら、キーエンスを例とした組織論や「リスク」にかなりの分量を割いているなどが特徴的だ。

RFIDタグがウイルスの伝播媒体になるかも、と言う記事がinternet.comにあった。数も多く、書き換えできかつ無線であるというのがその根拠らしい。

RFIDに実行可能コードが格納されていて、それに署名等の確認手段が無い場合(もしくはシステム側で確認を行っていない場合)、RFIDをかざすだけで予期しない動作が行われることがあるだろう。但し、RFIDには、通常はデータのみが格納されていると思われる。そのため、フィッシングサイトのURLなどの悪意のあるデータがRFIDに入っていても、それを実行しない限りは(もしくは、システムの脆弱性により勝手に実行されない限りは)問題は無いのでは、と思う。
RFIDはかざすだけで何かができるため、非常に便利なデバイスであることは間違いない。それは、利用者とシステム側の双方が注意していないと、かざすだけで意図しない挙動も起こすことができるということだ。但し、これはRFIDだから、と言うわけではない。どんな入力デバイスであっても同様だ。不用意にクリックしない、自動で何かをする(例えばパスワードなしの自動ログインなど)は避ける、等の基本的な姿勢を保っていればある程度防げるではないかと思う。

「事業立ち上げに必要なもの、それは戦略」。あたりまえなのですが、具体論を見せられるととっても納得します。以下、先週エントリした「新規事業の哲学(棚橋康郎著)」から。この本、気に入りました。

ケータイWatchや、Vodafone Group Plcのプレスリリース(英文、PDF)(以下Plcリリース)を読みました。さっきのエントリは、ちょっと違うところがありますね。

ソフトバンクがVodafoneKK(日本法人)を買収することが決定した。以下、cnetから。

買収の具体的な内容は、今後1?2カ月でソフトバンクの全額出資子会社によりボーダフォンの発行済み普通株式の約97.7%(株式価値は約1兆 7500億円)を取得する。
買収する資金は、
  • ソフトバンクが2000億円
  • ヤフーが1200億円出資し、
  • LBO(レバレッジドバイアウト)によるノンリコースローン(買収先企業のキャッシュフローを担保に資金を借り入れて買収)で、1兆1000億円?1兆2000億円を調達する予定だ。(略)
  • また、Vodafone International Holdingsは、ソフトバンク全額出資子会社に対し、3000億円相当の優先株式新株予約権(発行価額は無償)、1000億円相当の劣後債を投資する予定で、この投資総額4000億円は買収資金に充当される。

ということで、ソフトバンクが100%コントロールできる子会社が1兆7500億円でVodafoneKKを買ったことになる。

でも、これだと優先株を取得したら(取得できる条件が不明)、VodafoneKKの持ち株会社の持ち株比率は32:30となって、ソフトバンクグループとVodafone本社がかなり近くなる。
今は確かに「買収」という言葉は正しいし、そちらのほうがインパクトがあって、ソフトバンクもボーダフォンも歓迎だったのだろう。でも、日本のVodafoneについても、実質的にはVodafonePLCがしっかり関与している、ということか。または、ソフトバンクが日本のVodafoneからスムーズに海外進出できるように、VodafonePLCの関与を残したのか。

など、いろいろ考えていても、
やっぱり、どんな魅力的なサービスが出てくるか、それによってお客さんが戻ってくるか、またVodafoneにたくさんお金を払うようになるか、にかかっているんですけどね。

ボーダフォンの買収に、投資会社からも手が挙がったらしい(cnetの記事)。
ソフトバンクの当初の見積もりが1億円から2億円と言われていた。今回の投資会社の提案が1兆8000億円である。投資額の1兆8000億円を加入者数(1500万人)で割ると、12万円。一人当たり12万円のコストを払って顧客を囲い込んだ計算になる。さて、この資金をどのくらいで回収できるのだろうか?

著者は、新日鉄に入社し、経営企画畑を歩き、新日鉄ソリューションを立ち上げ、そして日鉄セミコンダクターを事業整理した。本書は、2つの事業についてのドキュメンタリー(第2章)と、そこからの教訓ー「新規事業に取り組む心構え(第3章)」、「事業企画段階における「成功法則」(第4章)」、事業立ち上げ段階における「成功法則」(第5章)」?を記している。

著者の背景

ファイナンシャルアナリスト。ソニーやコスモ証券などの経歴がある。

著者の主張

基礎編と応用編に分かれており、中学生程度の数学知識の復習から始まり、財務分析ができるまでをコンパクトにまとめている。 基礎編では因数分解や微積分、確率と統計、行列などを100ページあまりで解説する。Excelでの関数もつど紹介している。 応用編では正味現在価値はポートフォリオの考え方、βの考え方やオプション価格の決定方法などに触れる。
記事の内容
CRMなど、業務用の顧客管理プラットフォームとしては絶大な人気を誇るSalesforceが、その裾野を広げる。個人がCRMを使うシーンとして、オークション出品を想定し、Yahoo!オークションと提携するそうだ(cnetの記事より)。
 Yahoo! JAPANとセールスフォース・ドットコムは、(中略)本格サービスとして開始するもので、価格は月額210円となっている。

原題はGuts! Companies that blow the door off business-as-usual。

優れたリーダーに必要なもの、それはGuts!。モチベーションとかリーダーシップという言葉よりも、より直接的な言葉として響く。本書では、サウスウエスト航空やソフトウェア企業のSASのリーダーの言動を具体的に述べており、とてもわかりやすい。各章末に、「ガッツの点検」と称して要約をチェックリスト形式で記しているのも、読後に振り返る際に役立つ。

著者は、エクゼクティブのヘッドハンティングファームであるコーンフェリーの日本代表。本書では、エクゼクティブのヘッドハンティングの実態がわかりやすく述べてある。「誰かに見られる可能性があるので、ホテルは自室にFAXある部屋を選ぶ」等、業界ならではのエピソードも盛りだくさんで、読み物としても面白い。

コンサルタントの重要なスキルのひとつ「プレゼンテーション」に欠かせない図解(チャート化する)について、80の具体例を挙げて説明している。他にも、デザイナーが作成したビジュアルの紹介がある。

同じデータを表現する場合でも、伝えたいメッセージによって使用するチャートが変わってくるという。割合の多寡を強調したいのであれば円グラフであり、絶対値比較であれば棒グラフとなるだろう。このようなテクニックを実践的に紹介している。

後半にPCを使ったプレゼンテーションにも触れてはいるが、基本は(手書きの)チャートをベースにしている。もう少しPowerpointなどでのテクニックを記載してもよかったかと思う。

商品に付いている2次元コード(QRコード)を携帯カメラで撮影することによって、

  • 消費者は、価格やバーゲン情報を集めて比較閲覧ができる
  • 起業は、顧客の検討履歴をマーケティングに活かすことができる

というメリットを提供するシステムを大日本印刷が開発した(cnetの記事から)。

工業化社会の後の情報化社会は、コミュニケーション社会であり、ITがコミュニケーションを補佐する社会である。そのような社会ではコミュニケーションを提供する従業員が、楽しみながらお客様に「ハピネス」を提供する必要がある --

cnetによると、Javaベース携帯へのトロイの木馬があるそうだ。

 Kasperskyによれば、このトロイの木馬は、1メッセージ当たり5?6ドルが課金される、特定の高額料金電話番号にメッセージを送信するという。こうした仕組みにより、ロシアのBeeline、MTS、Megafonネットワークを利用している携帯電話ユーザーは、高額なテキストメッセージ使用料を支払わされるおそれがある。

cnetの記事によると、ビッダーズがネットショッピングのセキュリティ強化のためにPKIを導入するとのことだ。具体的には、以下のように、セコムトラストネットのPKIを利用するらしい。

このアーカイブについて

このページには、2006年3月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2006年2月です。

次のアーカイブは2006年4月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。