2004年10月アーカイブ

キャズム 1章の続き。

マーケットの定義には種々あるが、ハイテクマーケットの特徴は、購買時に先行事例を知りたがると言う点だ。ここで、(先行)事例とならない顧客同士は、別のマーケットと考える。

ハイテクのユーザには、

  1. 初期市場
    1. イノベーター(テクノロジーマニア)
    2. アーリーアドプター(ビジョナリー)
  2. メインストリーム市場
    1. アーリーマジョリティー(実利主義者)
    2. レイトマジョリティ(保守派)
  3. ラガード(懐疑派)
と言う順番で連なっている。

イノベーターは、テクノロジーの啓蒙家であり、機能改善の実験台である。「自分の役に立つか」は考えず、新技術の探索・発見自体に興味がある。そのため、通常は金を持っていない。このため、事業としては見合わないが、後続のビッグビジネスを捕まえる為には、イノベーターに技術的優位性を証明してもらう必要がある。そして、アーリーアドプターにつなげる必要がある。


1章で、顧客の分類を行った。著者は、新技術(イノベーション)は、顧客を順番に攻めあがるべき、と説いている。その一番最初の、「イノベーター」について。
著者は、イノベーターはビジョナリーにつなげる役目、と述べている。同感である。更に加えれば、現代では、ビジョナリーにつなげるには市場に居るイノベーターだけでは無く、口コミや、ブログ、専門誌/サイトの記事、学術サイドの権威者なども重要だろう。
事業立ち上げ期は、如何にして「お金を持っている人(=アーリーアドプター)」を見つけられるか、が重要である。イノベーターからは儲からない。但し、技術の広告塔であり、用途開拓の尖兵である。これを間違えると、イノベーターに突っ込みすぎて、投資が回収できず、キャッシュアウトとなる。いかに早くイノベーターを越えていくか、が鍵だと思う。
* * *
書いていて、耳が痛くなります。ああ、あの人はイノベーターだよね、「お試し」と「宣伝マン」だよね。私の頭の中に浮かぶイノベーター、○人。うち、ビジョナリーに繋がるのが想像できない人、△人。うーん。

同一技術を数種の異用途(マーケット)に適用できる場合(大概の破壊的イノベーションは、そうであろう)、各用途に対してイノベーターを見つける必要があるのか、または顔が広い一人のイノベーターから、各々のビジョナリーにバトンを渡せるのか。前者は想像できますが、後者は想像できません。そんな人に、お会いしたいですね。

また、マインドマップも用意しました(↓)。こちらのほうが、判りやすいかも。

このペースだと、2章だけでも5?6回必要。全然終わらないぞ。もう、読み終わっているのに。復習がてらまとめているから、いいけど

041029.gif

人生に奇跡を起こすノート術

マインドマップの創始者の本を斜め読み。
マインドマップは、「ビジュアルに、一目で」表現されているのが肝である。そのため、カラフル、ふんだんな図などが特徴となる。そのような著者の意見を踏まえると、まだコンピュータのツールで「マインドマップ」呼べるものは無いのではないか、と思う。

私は、マインドマップの主旨からは少々外れるが、「木構造を手軽に表現する」とい
うことに価値を見出してFreeMind使っていきたいと思う。思考の拡大のために、どんどん枝を広げるのも便利だし、思考の集約のために枝を入れ替える、階層を変える等にも便利。

本は、後半になるに従い、宣伝色が強くなってきたのは残念だ。

追伸
bk1が重いので、G-Toolsさんが提供しているAmazonのweb作成ツールを利用させて頂いています。bk1,チャレンジャーだったら何とかしてください。



人生に奇跡を起こすノート術―マインド・マップ放射思考
トニー ブザン Tony Buzan 田中 孝顕



きこ書房
2000-04
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by G-Tools

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「ファシリテーションとは、リーダーシップの一形態である。メンバを鼓舞し、誘導し、参加を促して、創造性や当事者意識、生産性を引き出す。」(本書より)

「ファシリテーション」という面白そうな言葉に引かれて、借りてきました。「オレはファシリテーター型のリーダーだ」とか言うと格好よさそうだし。
ハードカバーのビジネス書なのですが、体裁に似合わず、how to本ですね。平たく言えば、「会議の生産性を上げる方法」かな。使用するツールや準備、すすめ方などが判りやすく、かつ実践的に記載してあります。

数年の会社勤めをした人ならば暗黙的に身についている(はずの)内容を述べています(実践できているかどうか、は別にして)。私(会社員15年目)にとって半ば常識となっているスキルを、改めて体系的に認識するのには良い本でした。初めて会議を主催する人にとっても、会議の進め方のスキルを迅速に身に付けるのには良いでしょう。

できれば、「どうすれば、ファシリテーターを実践できるか?」に触れてもらえると、即座に行動に移せて、かつ継続ができて、とても嬉しいのですが。「場数を踏むことだよ」という答えは、無しでお願いします。



とても共感したことは、フリップチャートを使う点。

ホワイトボードではなく、フリップチャート(模造紙を束にして、イーゼルに立てかけたもの)を推薦しているのは、長年ホワイトボードを使ってきた身からすると、とても賛同できる。やはり、ホワイトボードは、その場で「消して」しまうことにより、記憶からも「消えて」しまうのだ。
最近はコピー機能付きのホワイトボードや、普通のホワイトボードをリアルタイムにPCに取り込めるもの(こんなのとかこんなの)があるけど、白板一杯に議論した内容をA4サイズに留め切れる者ではないし、それを参加者に配布してしまうと情報共有ができない。
「後日の保管・検索の容易性」と言う意味では若干難点があるが、「議論の生々しいの記録」は、大きな紙に勝るものは無いと思う。 「ブレストにはホワイトボードは向かない」派の私としては、とても納得ができた本でした(本の主題ではないところに賛同しているかも)。



ファシリテーター型リーダーの時代
フラン・リース著・黒田由貴子訳・P.Y.インターナショナル訳

出版社 プレジデント社
発売日 2002.12
価格  ¥ 1,680(¥ 1,600)
ISBN  4833417413
いま注目を浴びる「ファシリテーター」について解説する。新しいリーダーシップ・スタイルを身につけようとする人々のスキルアップと、多様な人材を活かそうとする企業が成果をあげるための、リーダーシップ実践マニュアル。 [bk1の内容紹介]

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キャズム 第1章「錯覚」

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マインドマップを使ってみました。gifですので、クリックすると拡大するブラウザもあります。

041021.gif

マインドマップは、自分で理解・納得する為ツールとしてはとても良いです。短時間で考えをまとめ、自分の頭の中にストアできます。が、他の人への説得のツールとしては、文書の方が上かなあ。勿論、マインドマップで自分の頭を整理して、その後に文書にすべきですが。
今回は、マインドマップだけで私の意図(=キャズム 1章の要約)が理解していただけるかどうかの実験ということで、あえて文章では記しません。実は、ただの手抜きです。


追伸:
私が購読しているメルマガの作者さんであり、とても端的に書評をまとめている『後悔しないための読書』さんから「キャズム」へ、また、鈴木敏文語録を始め、種々の本に対して明確に痛快な主張をされている賢者は先人に学ぶ!さんからマインドマップへ、それぞれトラックバックをいただきました。ありがとうございました(気付くのが遅くてごめんなさい)。



キャズム
ジェフリー・ムーア著・川又政治訳

出版社 翔泳社
発売日 2002.01
価格  ¥ 2,100(¥ 2,000)
ISBN  4798101524
なぜプレイステーションが売れ、ドリームキャストが消えたのか? マイクロソフトが勝ち、アップルが負けたのか? すべての答えは「キャズム」にあった! 初版刊行から10年間売れ続ける米国ハイテク業界のバイブルの翻訳。 [bk1の内容紹介]

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キャズム 序章

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キャズム。
ハイテクのマーケティングには、初期市場と主流市場に大きな溝(キャズム、chasm)があり、これが他との大きな相違である。「新しい」というだけで飛びつく人がいるからだ。そして、実際には大した事ができないと思ってしまう。これがキャズムだ。
キャズムを越える為には、全員が一丸となり、ミスをせずに、確実に進む必要がある。


序章から、ゆっくりと読み出しました。Sun W/S全盛の、1991年に初版が出たとは思えない、的確な本です。「イノベーションへの解」は事業立案及び事業孵化の本、こちらは事業立案の一部である「攻め方(マーケティング)」の本です。実は2章の半ばまで読んでいますが、身につまされます。だって、まさに今が「ビジョナリーに販売した」ところだから。本当に、今、この本を読んでいて良かった。危うく、今の戦略で走るところだった。



キャズム
ジェフリー・ムーア著・川又政治訳

出版社 翔泳社
発売日 2002.01
価格  ¥ 2,100(¥ 2,000)
ISBN  4798101524
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イノベーションへの解 終章

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イノベーションへの解 終章「バトンタッチ」。クリステンセンから各企業の新規事業関連者へ「バトンタッチ」をします。

新事業を立ち上げる際には、戦略の周到な検討や将来の技術予測は不要であり、初期条件と事業構造を正しく整えればよい。具体的には以下。

  • 低価格ラインで利益を確保する。
  • 無消費(使っていなかった)顧客を攻略する(2章)。
  • 顧客の「用事」に着目すること(3章)。
  • これから金が向かう場所に進むこと(6章)
  • 経験を積んだマネージャーに任すこと。従来のプロセス・価値基準を適用しないこと(7章)。
  • 有効な戦略が見つかるまではボトムアップ的・現場主義だが、戦略が見つかったらトップダウンで進めること(8章)。
  • 成長を気長に待てる資金で始めること(9章)。

「イノベーションへの解」を求める経営者への助言は以下。

  1. 実績ある競合企業に魅力的に映る市場への戦略は、絶対に避けるべき。競合が喜んで撤退する市場を探すべき。
  2. 既に優れた製品を使っている顧客への事業計画は止めて、無消費層への事業戦略を採ること。
  3. 無消費層がどうしても見つからない場合は、ローエンド型の破壊戦略を採るべき。
  4. 顧客が片づけようとしていることを、更に手軽に、安価にこなす方法を探ること。顧客に負担をかけないこと。
  5. 計画のセグメンテーションは、顧客が片づけようとしている用事で分類すること。自社組織の区分で分類したり、いわゆる統計情報で分類するのや止めること。
  6. ローエンドに目を向けること。
  7. 破壊的製品やサービスが不十分な状態で、業界標準を目指すべきではない。当初は独自アーキテクチャ。顧客に要望を満足できる製品が提供できるようになって競争基盤が変化したら、モジュール方式や標準化を考える。
  8. 自社のコアコンピタンスと適合するから成功するとは限らない。以下のことを考える。
    • 成功するための資源があるか?
    • 自社の従来のプロセスは、新事業の成功に役立つか?
    • 自社の価値基準に照らすと、この計画は他計画よりも優先するか?
  9. バリューチェーンの各社にも、上記価値基準が当てはまるか?
  10. 新事業のマネージャーは、過去の課題への取り組み方と、新事業が直面するであろう課題を照らし合わせて選定すること。
  11. 新事業立ち上げの数年間は、最良の戦略を、迅速に、ひたすら探索させること。
  12. 利益は気短に急かすこと。
  13. 成長を気長に待てるように、会社の(従来事業の)成長を持続させること。

* * *
読了しました。ですが、これから何回も読み返すことになるでしょう。それほど、本書はすばらしいです。コーポレートベンチャーを目指す人も、コーポレートベンチャーをサポートする人も、もちろん上級役員も、皆、自分の課題に照らし合わせながら読む必要があります。
不特定多数に向けたBlogでしたので、私自身の課題に照らし合わせた結果を具体的に記載することは残念ながらできませんが、自分の戦略のいくつかを見直す必要があることがわかりました。

次は、キャズムを読んで、具体的な戦略の見直し方法を考えたいと思います。



イノベーションへの解(Harvard business school press)
クレイトン・クリステンセン著・マイケル・レイナー著・玉田俊平太監修・桜井祐子訳

出版社 翔泳社
発売日 2003.12
価格  ¥ 2,100(¥ 2,000)
ISBN  4798104930
企業に平均以上の成長を生み出し、維持し続けるための方法として「破壊的イノベーションのマネジメント法」という前例のない「解」を示す。最新のマネジメント理論に関する知識も網羅。 [bk1の内容紹介]

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福翁百話

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福翁百話。福沢諭吉著。台風の中、図書館から借りてきました。1万円のお札でおなじみの、諭吉さんです。元は1900年頃に新聞に連載されたものらしいです。生活する上でのtipsが書かれています。bigtomorrowの読者層を60歳まで広げた感じの記事です。「学問のすすめ」を書いただけあって、机上の空論ではない学問(「実学」と言っています)にこだわっています。
「人当たりを良くする方法」とか、タイトルの付け方はいまいち。「こういうときには」というタイトルでなく、「人の話を良く聞く、わからないことは質問する」という「こうすべき」という内容をタイトルとする方が、後から読み返すときにわかりやすい。
さらっと読めたけど、一度読めばいいかな。

尚、同じ書で監訳者が違うものがあり、こちらは9800円! なんでだ?


福翁百話
福沢諭吉著・岩松研吉郎現代語訳

出版社 三笠書房
発売日 2002.11
価格  ¥ 1,470(¥ 1,400)
ISBN  4837919863
「一話一得」、3時間で読み切れる最高の自己実現書! 明治時代、『時事新報』に連載された、諭吉晩年の名作「福翁百話」の現代語訳。長期停滞、先の見えないこの時代にこそ読んでおきたい。 [bk1の内容紹介]

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イノベーションへの解 10章

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イノベーションへの解 10章 新成長の創出における上級役員の役割。9章は、こちら。

上級役員には、以下の役割がある。

  • 破壊的成長事業と主流事業に、資源を柔軟に割り当てる。
    • 既存プロセスと破壊プロセスの「橋渡し」をする。
    • 既存事業のプロセスから、保護をすると同時に、新しいプロセスを生み出させる。
  • 継続的に破壊的成長事業を生み出す仕組み(「破壊的成長エンジン」)を作る
  • 変化の徴候を見わける方法を教える

上級役員は、通常は「大きな」案件しか判断をしない。小さい案件は中間管理職が判断をしている。社内には、そのような判断に最適化したプロセスができている。
しかし、破壊的事業の判断基準は上級役員自ら行う必要がある。なぜなら、従来のプロセスでは破壊的事業を判断できないからである。「組織は自らを破壊できない」ため、従来の組織では破壊的事業について評価するのは適切ではない。

継続的に破壊的成長事業を生む為には、以下が必要である。


  1. 破壊的成長事業が必要になる前にはじめる
  2. 上級役員により、(既存の持続的事業のプロセスから適宜分離して)監督する。
  3. 専任チームを作り、破壊的事業にふさわしいプロセスを作らせる。
  4. チームメンバの訓練。営業・マーケティング・エンジニアリングメンバの訓練。これには、破壊的イノベーションと持続的イノベーションの違いとその見分け方などを理解し、応用させる。

* * *
コーポレートベンチャーの考え方を説いている。正論過ぎて、特に意見はない。でも、著者も述べているように、従来のやり方からの隔離と、その結果生まれた新しいやり方を、従来のプロセスにフィードバックする必要がある。このさじ加減を間違えると、破壊型事業が持続的事業になってしまったり、モジュール型アーキテクチャへの以降時期を見誤ったりするのだろうな。
正直、10章は、余り真剣に読んでいない。上級役員になったら、考えようっと。

イノベーションへの解 9章

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イノベーションへの解 9章 「良い金があれば悪い金もある」。8章は、こちら。

利益を早急に出すことを心がける。
一旦成功すると、更なる成功へのプレッシャーが掛かる。その時に、規模を追うのではなく、利益を追う。
なぜなら、更なる成功の為には、創発的戦略を用いた破壊的事業で無消費を打破しなけらばならない。だが、これは破壊的事業で規模を追うのはリスクが高い(規模が見えているのは持続的イノベーションだから)。そのうちに、規模を要求する外野(株式市場、VCなど)の要望に耐え兼ねて、確実に見込める市場(=持続的イノベーションが好適)に「選択と集中」を行い、破壊的事業は失敗する。
では、どうするか
その対策は以下である。


  • 本業が順調であるうちに、破壊型事業へ投資する。順調は、P/Lで判断をせずに、パターンで判断する(モジュール化が必要になってきたか否か等)
  • 破壊型事業では、先ずは利益を出す。かつ、その規模がふさわしい事業部に分割する。そうすれば、その事業部で「選択と集中」をして、破壊型事業が中止される可能性は低い。
  • 更なる成功へのプレッシャーがかからない、非公開企業にする。

「成長を気長に待て、だが利益を待ってはいけない」

* * *
そうは言っても、これって、「living dead」とどう違うの?、と思う人(=私)は、クリステンセン本の読み込みが足らないのか。

イノベーションへの解 8章

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イノベーションへの解 8章。「戦略策定プロセスのマネジメント」。7章は、こちら

戦略には2つある。


  • 意図的戦略:持続的戦略にありがち。大部分が演繹的に導ける。企画チーム中心、トップダウン
  • 創発的戦略:顧客要望や差し迫った理由で採る。現場から、ボトムアップ

破壊的事業は創発的戦略から生まれるが、破壊的戦略がGOとなるのには、中間管理職のプロセス・価値基準に依存する。
新市場型の破壊事業は、最初は創発的戦略を用いて手探り状態で進むが、うまくいくとわかれば意図的戦略をガツンと進める。
過去の新事業の90%で、意図的に追求した戦略によって成功したものではない。創発的戦略によって成功した。

創発的戦略を有効に働かせるには、以下のステップで進む発見志向計画法(Discovery-driven planning)がよい。


  1. まずは、財務予測(目標数値の設定-所詮「破壊的事業」に求められる数値オーダがあるのなら、そこからスタート)
  2. そのために必要な仮定は何か?(どのような仮定が成立すれば目標が達成されるか?) その目標達成に必要な戦略は何か?
  3. その仮定を検証する。Yesならば、戦略を遂行する。

仮定が見つからないと、目標が大きすぎたり、具体策が見つからなくて実行できないのも同然(実行できないと、いくら良い市場があっても事業とはならない)。そんなときは、仮定を探し続けるか、目標を小さく分割するか、が必要。


* * *

現在の私が参考になるのは、「発見志向計画法」と、「90%は当初戦略を変えざるを得ない」という辺りか(後者は参考と言うよりも、戦略修正時のの拠り所かも)

本文のP.278で、「図8?2」が引用されているが、「表8?1」の間違いだろう。しっかりしてね>訳者。

この本、今更ながら、あちこちで話題。
エディテック[EdiTech]では、「適応型ソフトウエア開発」と比較して議論している。(最近のハードウェア(特にLSI)も、ほぼモジュール的に開発しているんですけど、ね)
また、株式会社ユート・ブレーンのブックレビューでも紹介している。
MOT Lab.レビューでは、原著に基づいて要旨をまとめ、考察を記している。すばらしい。

また、発見志向計画法をビジネスにしている人もいるんですね(こちら)。

改めて、クリステンセンの人気の高さを知りました(最後のは違うけど)。

変な人が書いた成功法則

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斎藤一人さんの、「変な人が書いた成功法則(講談社+α文庫)」。長者番付10年連続10位以内に入っている人。

内容は、「与えよ、されば与えられん」みたいな感じ。ポジティブに、幸せをかみしめていれば、もっと幸せになる。周りを幸せにすれば、自分も幸せになる。愛あらば IT'S ALL RIGHTみたいなものだね。

斎藤さんのお名前は、コーチプラスの佐野さんから教えていただきました。ご紹介いただいた本とは少し違うけど、多分エッセンスは同じでしょう。佐野さん、いつもありがとうございます。

ビル・ゲイツの面接試験

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休日なので、趣向を変えて、「ビル・ゲイツの面接試験」。図書館で、分類「336」で見つけた本。目次は、こちら。また、日経ビジネスの書評も掲載されている。

本書は、パズルを使った面接の歴史と、具体的な問題(副題にもなっている、「富士山を動かすにはどうしたらよいですか?」など)を述べ、そういう面接に対する傾向と対策を書いている。最後には、もちろん、答えもある。

* * *
感想。まずは、パズル試験を行っている会社があること、それがマイクロソフトであることにびっくり。日本でも、適性検査と称して訳の分からない試験をしたりしているので、同列か。でも、「適性検査」というまじめくさった形式でなく、「パズル」というノリのいい形なのが外資系(というか、西海岸系)なんだろうな。
どこかで、「マーケティングのプレゼンでは、日本の世帯数を5秒で求められる位の頭の柔らかさが必要」なんて言うのがあった。それと通じるものがある。


ビル・ゲイツの面接試験
ウィリアム・パウンドストーン著・松浦俊輔訳

出版社 青土社
発売日 2003.07
価格  ¥ 2,310(¥ 2,200)
ISBN  4791760468
世界一スマートな会社、マイクロソフト社の人事採用基準とは? 世界中の秀才をうならせる、驚異の難問・奇問のパズルとクイズの数々。ベールに包まれた逸材発掘の秘術を解明し、難関突破のための傾向と対策の全てを公開。 [bk1の内容紹介]

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イノベーションへの解 7章の2

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イノベーションへの解の7章「破壊的成長能力を持つ組織とは」。昨日からの続き。


破壊的ビジネスモデルを実現するには、「資源」、「プロセス」、「価値基準」の3つの特徴で秀でる必要がある、という。

「プロセス」。破壊的イノベーションを進めるに当たって、既存の社内主流事業に最適化されたプロセスを使うのは不適切である。特に、市場調査方法(プロセス)や、その分析方法、分析結果から数値に落とす方法などは、主流事業とは異なる必要がある。
「価値基準」は、従業員の明文化または暗黙的に持っているGO/NO基準だ。例えば、主流事業ではNOになる場合でも、破壊的イノベーションではGOになる戦略はある。
但し、イノベーションを進めている組織が成長するにつれ、「資源」「プロセス」「価値基準」はシフトする。
また、組織には、自らを破壊することはできない。そのため、破壊的イノベーションを行う為には、独立した組織とする必要がある。

「資源」(特に人)を破壊的イノベーションに適するにはどうしたらよいか。経験を積ませるしかない。外部から適任者を雇っても、「モジュール型」の人材の為、「統合型」オペレーションが必要な破壊的イノベーション段階では失敗する。「価値基準」の最適化のためには、自立的な、独立したオペレーションが必要である。

* * *
尚、http://thik.exblog.jp全般に言える事ですが、書籍の要旨をまとめているのではありません。thikの主観というフィルターがかかっています。ご注意あれ。

7章は、大企業へのメッセージです。
破壊的イノベーションの為には経験を積ませるしかない、といわれても、悪循環(新規事業立ち上げ失敗→新規事業プロジェクトの縮小)に陥らないように、上級役員が強く意識する必要があるのでしょうね。

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